再びルポルの町と オタク女子
ルポルの町でのちょっとしたお話、
マレディク-ダンジョンから戻ったサクラ達は、
後2つあるダンジョンの入り口がまだあるか確認に向かい、
サクラの予想通り入り口は消えていた。
「やはり…
普通のダンジョンじゃ無かった、
他の国の入り口も確認したいけど、
今日は遅いから休むか」
「その方がいい、
マスターは全然休んでい無い」
「そうだよね…
今夜はもう休んで、
明日は白骨死体の身元を調査しよ、
早く遺族の所に戻りたいだろうから」
「調査とは?」
「ほら、ルポルの町だっけ?
あそこにいた盗賊のカシラがさ、
マレディク-ダンジョンで仲間が死んだって言ってたじゃん、
白骨化しちゃってたけど、
衣類と持ち物はまだ残ってるから、
知り合いの持ち物と服なら確認出来るかも、
あっ、今気が付いたんだけど…
肉体は白骨化して服が綺麗に残ってるって変だね、
あのダンジョンは肉体を吸収しちゃうのか?」
「それは確認するのは難しい、
それより今日は拠点に戻って休もう」
「え〜ここでいいじゃん、
キャンピングリヤカー出すからここで休もう、
拠点に戻ると精霊王達がうるさいし」
太郎は難しい顔でサクラを見つめると、
「それでちゃんと休めるか心配」
「キャンピングリヤカーでちゃんと休めるよ」
「モンスターが来たら目を覚ましてしまう」
「太郎君…結構心配性だね、
じゃあもうルポルに行っちゃって、
町中でキャンピングリヤカーで寝れば良いじゃん、
夜中だから誰も気が付か無いだろうし」
「それは良い考え」
サクラはルポルの町の中にポータルを開いて、
町に入って行くと、
町は静まり返っていた。
「ほら、みんな寝てる、
キャンピングリヤカー出すね」
アイテムボックスからキャンピングリヤカーを出し、
太郎はせっせとサクラの夕食の支度を始める、
サクラはキャンピングリヤカーの中のシャワー室で汗を流し、
椅子に座って寛いでいると、
誰かがリヤカーの扉をノックする、
太郎が扉を少し開けて見ると、
ルポルに派遣されている太郎が立っていた。
「マスター、こんな時間にどうした?」
サクラは事情を話して、
「もう食事したら寝るから、
太郎君達も休んでいなよ」
「マスターがここに来たの、
町の門番が気付き、
バルの爺さんに報告に行った、
多分もう直ぐ来る」
「ガーン、門番優秀だな、
夜中だから来なくて良いって伝えてよ」
「こんな好機を爺さんが逃す訳ない、
ほらそこまで来ている」
サクラは扉から顔を出して見ると、
バルが早足でこちらに向かって来る、
「何で、そんな早足?」
バルはサクラに向かっていきなり、
「来る前に連絡をしてくれ」
「出た、クラテルのオッサンと同じ事言ってる」
バルはため息をついて、
「はぁ〜、取り敢えず何しに来たか教えてくれ」
「立ち話もなんだから、
説明するから中に入って」
バルは中に入って座ると、
「で?何しに来た?」
サクラは両手を広げて「やれやれ」と言ってから、
ダンジョンの話をし、
白骨化した死体を確認してもらいに来たと告げる、
バルは顎髭を撫でながら、
「分かった、明るくなったら、
オルド達を連れて来よう、
それでダンジョンの入り口が、
消えたのは確認したのだな?」
「この近くの2つだけね、
他の場所はこれから確認するけど、
他の入り口の場所を知っていたら、
この地図に印を付けてくれる?」
バルは地図に印を付けながら、
「この確認はお嬢さんがしなくても、
太郎達に任せれば良いだろ、
こんな事よりやる事があるはず」
「えっ?死体の身元確認とか?」
「違う、そのドラゴンの確認だ、
死体の確認は鬼人族とヒューマン族に頼めばいい、
エルフ族はダンジョンには入ってい無いはず、
それともうひとつ聞きたいんだが、
太郎に聞いた事だ、
ヒューマン族の国に行っていたんだろ?」
「行っていたが、なんで?」
「3国ある内のどの国だ?」
サクラはバルを見つめて、
「………さぁ〜」
「さぁ〜、とは何だ?
国の名前も知らずに助けに行ったのか?」
「だって誰も国の名前なんか言って無かったし、
興味も無いからね、
星神に頼まれたのは人助けだから」
首を左右に振るバルの肩に、
太郎が手を置いて、
「爺さん、マスターは名前を覚えるのが苦手、
爺さんの事もおじいちゃんで済ませている、
クラテルの町の領主はオッサンだ、
まだ子供だから理解してくれ」
バルはサクラをじっと見つめて、
「お嬢さんは大人だって言ってたな、
太郎は何故子供扱いする?」
「そんなの知らんがな、
子供って立場は色々と都合がいい事も多いから、
そのままにしてるけど、アハハ」
「じゃあいい、
助けた者の名前は何だ?」
サクラは冷や汗を流して、
「えっ?え〜っと、
おじいちゃんとおばあちゃんと変な男1人、
あっ、悪い事してたのは、
王の次男でシャーとか言う名前」
「はぁ〜?シャーだと?」
「話聞きたいなら、
シャーは更生施設にいるから聞いて来なよ」
「おぬし…今度は王子まで捕まえたのか?」
「え〜だって凄い酷い事してたんだよ、
火の魔法で兵士の顔半分焼いてたからね」
サクラの説明に顔が引き攣るバル、
「そっそんな事を…
いや、そんな事はどうでも良いんだが」
「どうでも良いって最低だな…」
「いや、そうじゃ無くって、
兵士が大変な思いをした事は気の毒だが、
私が聞きたいのは、
ヒューマン族の国、
帝国のアンピールの事だ、
そこを総ているのは王女なのだが、
見た目は美しいが他国への冷たい対応が噂されていて、
エルフの国に対して何かをして来ると噂も出ていてな、
自国を守る為には手段を選ば無い程冷酷と言われている」
「それで?」
「何だその気のない返事は」
「だってアタシに関係無いし、
アタシがやる事はドラゴンの事なんでしょ?
その帝国には行って無いから王女の事は知ら無い、
エルフの国に攻めて来る心配してるなら無駄な心配だよ、
太郎君達がいるから追い払うでしょ」
サクラの言葉に何も言えなくなってしまったバルを見て、
「それにアタシは獣人族の国にも行かなきゃなら無い」
「獣人族の国だと?」
「白骨死体に頭蓋骨が犬の様な形のが3体あった、
御遺体は遺族に届けなきゃ〜アハハ」
サクラは遠い目をしてニヤニヤしていた。
「自分の欲には忠実なんだな、
ダンジョンの話も前の様に皆で集まって、
詳しく報告して欲しいんだが」
「まだ早いでしょ、
ドラゴンの事も良く分かって無いし、
その前に、獣人族の国だよ、
おじいちゃんが今の情報だけでも報告したいなら、
このキャンピングリヤカーを置いて行くから、
自分で好きな所に行って報告すれば良い」
バルは肩を落としていたが、
そんなバルなど関係無く太郎が、
「マスター、空が明るくなって来た、
爺さんが来たせいでマスターが寝れ無かった」
サクラはキャンピングリヤカーから出て空を見上げて、
「本当だ明るくなって来た」
サクラは両手を上げて伸びをしながら、
「アタシは若いから寝なくても大丈夫だけど、
おじいちゃんはお疲れじゃ無いかな?
戻って少し寝た方がいいよ、
アタシ達は御遺体を並べて準備をするよ」
サクラは町の広場に向かって歩いて行く、
バルも出て来てサクラの後ろをついて行くが、
「あ〜陛下に報告に行か無いと…」
太郎がバルの耳元で、
「そんなにマメに連絡しなくても良いのでは?」
「面倒なお方なんだよ、
何でも直ぐに知りたがる」
「では向こうの太郎に報告して貰えばいい、
私達は繋がっている」
バルは太郎の顔を見上げて、
「そうであった、その手があったな」
「だが…あのナルシーは拠点に来たがっていた、
この前マスターに拠点に来たいとお願いしてたからな、
ダンジョンの報告したら、
また拠点に来たがるだろうな」
「そんな事があったのか…」
「まっ心配はいら無い、
向こうの太郎が上手くやっているから、クックック、
私は盗賊どもを連れて来る、
爺さんは部屋に戻るが良い」
太郎の不適な笑みを見て、
エルフの王は太郎達に、
どんな扱いをされているのか心配になったが、
「向こうの太郎達が、
陛下をどんな扱いしているのか気になるが…
良い薬になるだろう、
私も寝ないで見届ける、
領主だからな」
太郎はバルの言葉に頷いて、
走り去って行った。
サクラ達は白骨死体を並べて、
盗賊達に確認してもらうと、
ダンジョンから戻って来なかった、
盗賊全員の遺体が確認され、
非道な行いばかりして来た盗賊達でも、
仲間の死には涙を流し、
サクラに感謝の言葉までかけていた。
この後はバルが責任もって供養をすると言うと、
盗賊達は項垂れて今までの事を心から謝罪をし、
町の人の為に働かせてくれとまで言い出した、
バルは腕を組んで難しい顔をしていたが、
そんなバルに太郎が、
「人は変われる、
変われるチャンスを与えてやれ、
信用はまだしなくていい、
私達がちゃんと見張っているし、
町の者も私達が必ず守る」
太郎の温かい言葉に、
盗賊達はまた涙を流し、
バルは唖然としていた。
サクラは自慢の太郎達を満足気に眺めているとバルが、
「お嬢さんを子供扱いする意味が分かった様な気がする、
太郎達は本当に優れたゴーレム、
この町でも人気者でみんなに頼られている、
領主である私の影も薄くてなっているんだ、ワッハッハ」
影が薄くなって来ているルポルの領主が、
嬉しそうに笑った。
サクラは笑っているバルに向かって、
「影が薄くなって来た領主さん、
用事も済んだんで帰るよ」
「ああ、
しつこくして申し訳無いが…
解明した事はなるべく早く報告してくれ」
サクラは背中を丸めながら、
「へい、へい、分かってますよ」
「それと、お嬢さん聞きたい事が2つある」
サクラは振り返り「ふぇ?」と答えると、
バルは笑いながら、
「まず肩に乗っている生き物は何だ?
まさかダンジョンで捕まえたのでは無いよな?」
「あ〜、最近馬を保護して、
馬を召喚できる様になったから、
ユニコーンとペガサスを合体させて召喚したんだ、
可愛いでしょ、ユニペガちゃんて言うの宜しく」
「はは、そうかユニペガか宜しくな、
それともう1つの質問は、
何で裸足なんだ?」
サクラは自分の足元を見て、
「あっ、ア〜ハハハハ、
スニーカーと靴下スライムに溶かされたんだった」
「スライムに溶かされた?」
バルは呆れた顔をしながら、
顔を左右に振って、
「スライムに足は溶かされ無かったのか?」
「あ〜アタシの足に触れた途端灰になってたよ、
不思議だよね」
笑いながら説明をするサクラをバルが見て、
「スライムにとってお嬢さんは毒だったんだな…」
「なんか引っかかるけど…
あっそうだ、普通のダンジョンの場所も地図に印を付けて、
マレディク-ダンジョンと比較したいんだ」
太郎が地図を広げてバルに向けると、
バルは笑いながら印を付けて、
「ダンジョン荒らしになら無い様にな、
冒険者にとって稼げる場所なんだから」
「へ〜い、違いを確認するだけでだから、
では〜帰るとしますか、
おじいちゃんご協力ありがとうございました」
サクラは深々とお辞儀をしながらポータルに入って行った。
読んで頂きありがとうございました( ̄∇ ̄)/




