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異世界に呼ばれたオタク女子 スキルが多すぎて使いこなせない件  作者: Melody


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3/49

おじいちゃんに、尻を叩かれるオタク女子

拠点に来たサクラ、

魔法もなかなか上手く使いこなせていない所に、

何かが来る。

広い草原にポツンと可愛いベッドが置かれている。

ベッドの上ではスヤスヤと眠っているサクラ、

サクラの頬を爽やかな草原の風がくすぐる、

遠くでは川が流れる音、

小鳥達のさえずりも聞こえる、

深い眠りは至福の時、

そんな至福の時を邪魔する存在が現れた。


その存在はサクラの頬をペチペチと叩き、

「サクラ、朝だぞ起きろ、

早く起きて命を助けに行け」


サクラはモゾモゾしながら、

「何言ってるの…オヤジ…」

そう一言言うと、またスゥ〜と寝息を立てる。


邪魔する存在はサクラの耳元に口を近づけて、

「いつまで寝てるんじゃ、

こうしてる間に誰かが死んじゃうぞ、

命を助けに行け」


サクラは布団に潜り込み、

「バカじゃん、クサ、

相変わらず大袈裟なんだよオヤジ」


邪魔する存在はとうとうサクラの布団を剥ぎ取り、

「起きろと言ってるだろが、

1日は短いんだぞ!」


さすがのサクラも目を覚まし始めて、

薄っすらと目を開けて目の前の邪魔な存在に気付く、

目の前には顔のでっかいまん丸顔のおじいちゃん、

地の精霊王が居た。

「ギャ〜〜何だおまえ〜」


「おまえとは何だ、

サクラおぬし口が悪いぞ、

確か成人女性って言ってただろ、

もう少し女性らしくだな…」


サクラは目の前の爺さんが、

昨日会った精霊王の1人の、

爺さんと気付いて、

「あ〜昨日のおじいちゃんか…

それと今の女性云々はセクハラだから」


「また訳のわからん事を言って、

早く起きて命を助けに行ってこい」


サクラはブサイクな寝起きの顔で、

周りをキョロキョロ見渡し、

「ここは何処だよ、

それに早朝過ぎじゃん、まだ夜明け前じゃね?

おじいちゃん、自分のペースに若者を巻き込まないでよ」


「誰がおじいちゃんだ、

わしにはテールと言う立派な名前があるんじゃ」


サクラはベッドの端に座って、

顔をゴシゴシしながら、

「へ〜そうなんだ〜

所でここは何処で、なんでおじいちゃんが居るのさ?」


「星神様が言ってただろ、

ここはおぬしの拠点になる草原じゃ、

この広い場所を好きな様に使っていいそうじゃ、

わしが何故ここに居るのかは…

おぬしのサポート担当になったからじゃ」


サクラはビックリした顔をおじいちゃんに向けると、

「チェンジでお願いします」


「何がチェンジじゃ、

わし程役に立つ精霊はおらんぞ」


「へ〜そうなんだ、

じゃあ何が出来るか教えてよ」

サクラが棒読みで答えると、


おじいちゃんはひょうひょうとした顔で、

「今朝おぬしを起こしてやっただろ」


サクラはおじいちゃんをじっと見つめて、

(なんか…何言っても通じ無い感じがする、

ここは相手にしなくていいか…

やりたい事がいっぱいあるからな!)


「ハイハイおじいちゃん分かりましたよ、

アタシにだって準備って物があるんだから、

あまり急かさ無いでもらえますかぁ〜」


そう言って立ち上がり、

両手を上に伸ばして、

「う〜ん、起きたぞ、

まずは風呂に入りたいな、

昨日入らないまま寝ちゃったから、

髪も顔もヌルヌルだよ、

おじいちゃんお風呂用意できる?」


「は?風呂じゃと、

そんな物入った事ないわ」


「使えねぇ〜

ま〜分かってたからいいけど、

温泉がいいな〜」

サクラは目を閉じて、

「ゲームの中で、

丸い石に囲まれた掛け流しの露天風呂あったなぁ〜

あんなのがいいなぁ〜

地の精霊王なら温泉だせるんじゃないの?」

そう言いながらおじいちゃんを見ると、


おじいちゃんは後ろの方を指差して、

「あそこに何か出て来たぞ」


言われて振り向くと、

丸い石に囲まれた温泉が目の前にあった。

「マジか、本当にイメージしたまんまの物が出た、

これって逆に下手な物はイメージしない方が良いって事だよね…

まぁ〜悩んでも仕方ない、ゆっくり慣らしていこう」

(サクラは能天気な女、そしてポジティブ)


サクラは温泉を眺めながら、

「桶も椅子もついてる、

オマケに桜の花びらまで浮かんでるよ〜

本当にゲームのまんまだ、クサ、

脱いだ服を置くためにスノコもいるな、

いでよスノコ」


温泉の脇にスノコが現れる、

「ムフフ、これは楽しいかも、

こんな知らない場所に来て衣食住の事が心配だったけど、

これなら何でも出来そうだな」


そんな事を言ってるサクラに、

「衣食住だと、

そんな物要らないだろ」


「えええ〜おじいちゃんだって服着てるじゃん、

え?もしかして精霊って家に住むって概念無いのか?」


「服は着てるが、

これは星神様が用意してくれた物だったな、

何で着る様になったんだか…

家に住むって事はしないなぁ、

大地の全てが、わしの住まいだからな」


「はぁ〜もうね価値観が違い過ぎて、

お話にならないって言うか」


「だけどサクラよ、

おぬしはもう食べたり寝たりせんでも大丈夫な体だからの」


「え〜食べるのはアタシの楽しみだからね、

やめたりしない!

前の世界での生活を維持するわ、

家も作って風呂も入る」


そう言いながらサクラはスノコの上に立って、

スルスルと服を脱いだ。

「湯ぶねに入る前にちゃんと体を洗わなくっちゃね、

え〜っと、ボディーソープ、シャンプー、

コンディショナー出てこい」


サクラの目の前は何の変化無し、

キョロキョロ探すが何も出て来なかった。


「どうゆう事?

シャンプーとか出ないんだが?」


おじいちゃんは首を傾げて、

「わしは分からん、しゃんぷーとやらも知らないし、

所でサクラよ…

おぬし大人の女性って言っておったよな?」


サクラはおじいちゃんをキッと睨み、

「ジジイ何が言いたい?」


「いや〜女性ってほれ、

体にメリハリが有るって言うか…

やはり、おぬし子供じゃろ」


「はぁ〜?アタシは立派な女性だよ、

世の中にはメリハリの無い女もいるんだから、

アタシは中味で勝負してるの」


「でもな…普通の女性ならば、

こんな草原のど真ん中で裸になるか?」


「誰も見てないんだからいいじゃん」


「わしが居るじゃろ」


「え?おじいちゃん?

だっておじいちゃんは精霊でしょ?

普通は見えない妖精とか天使とか幽霊と一緒じゃん、

幽霊とかに見られてるかも〜なんて言ってたら、

家の中のお風呂でも入れ無いわ、

アタシだって人が居たらちゃんとするさ、

それよりも体洗え無いんだけど」


おじいちゃんは呆れた顔をして、

「幽霊と一緒にされたく無いの〜」

と言いながら何かをブツブツ言ってる。


「そんな事より、石鹸も出て来ないんですけど、

この世界の人は体洗わないの?」

(おじいちゃんに声を掛けても何の反応が無い…

まるで屍の様だ…)


「反応が無いおじいちゃんは、

幽霊と一緒だね、

仕方無い取り敢えずお湯で流すか」


サクラは桶にお湯を汲んで頭や体を流すが、

「やっぱりヌルヌルが取れ無い…

魔法でどうにか出来ない?」


遠くをぼ〜っと、眺めているおじいちゃんが、

「汚い物を綺麗にするのに浄化魔法を使うって、

聞いた事はあるぞ〜」

そう呟く、


サクラは驚いた顔でおじいちゃんを見つめて、

「おじいちゃんでも役に立つ情報を持ってたんだね」


「おぬしわしをバカにして無いか?」


サクラは何も言わずに「フッ」と鼻で笑い、

おじいちゃんの言葉をガン無視して、

「では浄化してみましょうかね」

体全体を浄化してみると、

髪も体も顔もスッキリ、


「おお〜これなら服も綺麗に出来る?」

服も浄化すると、

綺麗になっただけでは無く、

洗いたてのいい匂いまでする。


「おお〜浄化魔法使える〜」


サクラはゴムで髪をまとめると、

「さ〜準備が出来たから湯に浸かりますかね」

サクラはゆっくりとお湯に浸かる、


「はぁ〜気持ちいい〜やっぱり温泉はいいね、

四季折々の温泉が楽しめそうだけど…

ここって季節はどうなってるの?」


「季節?春、夏、秋、冬があるぞ、

因みに今は秋じゃ、

冬になると食料がぐんと減る、

そうなる前に食料を何とか用意してあげたいの、

サクラはどうすれば良いか分かるか?」


「う〜ん、ゲーム内の構想がこの場所で使えるなら、

季節関係なく野菜や果物が一年中収穫出来るけどね、

あるゲームなんか木を揺するだけで果物が落ちて、

3時間後にはまた果物がなるから。」


「何じゃそれ、自然の摂理が無視されてるな」


「だってゲームって仮想世界だもん、

何でもアリだよね、

でもこの山も特別扱いで、

普通の山じゃ無いって言ってたじゃん、

この場所なら出来るかも」


おじいちゃんは「はっ」とした顔になり、

「そう言えば星神様が、

この場所はサクラの思い通りの世界が作れるって仰ってたな、

出来るかもしれない、そうすれば人々に食べ物を渡せるのぉ」


「まぁ〜やって見ないと分からないけどね、

ね〜おじいちゃん、タオルも出て来ないんだけど、

出る物と出無い物とある…何が違うんだろ?」


「それは、わしにも分からんな」


「使えねぇ〜

魔法で乾かすか…乾かす?風か?

また適当にやると突風になっちゃうかもだから、

ドライヤーのちょうど良いあたたかさの風」

サクラがそう口にしたとたん、

暖かい風がサクラを包み込む、


「あれ〜乾いてく〜

魔法って便利じゃん、

やり込んで、やり込んで、全ての魔法をコンプリしてやる、

フッハハハハハ〜」


おじいちゃんは危ない人を見る様な目でサクラを見ると、

「おぬしは変な独り言が多いのぉ、

友達とかちゃんと居たのか?」


サクラは服を着ながら、

「失礼な、友達くらい居たわ、

みんな同じ価値観で話も盛り上がったわ、

1番の友達は太郎君、ずっと一緒だった…」

サクラは遠い目をして懐かしんでいる、


「ほぉ〜おぬしも好きな男が居たのか、

流石に変なおぬしでも恋愛はするんじゃな」


「聞き捨てならない事言われた様な気はするが…

恋愛なんてしてないわ、

何それ美味しいの?って感じ、

そんな事している暇が有ったら他の事するね」


おじいちゃんは、

また変な生き物を見る様な目でサクラを見ながら、

「そんな事を言って、

愛は良いぞ、

愛を知らぬ者は心がすさんでしまう」


「愛?

それなら分かるけど、

愛が恋愛だけっておかしいでしょ、

家族にだって、動物や植物にだって愛を注ぐ人はいるし、

偏った考えは身を滅ぼすよ!」


「おぬし…分かっておるの、

ちょっと理屈ぽい所がたまにきずじゃが、

さて支度もできた様だし、

ほれ命を助けてこい!」


サクラはわざと脱力したフリをして、

「あのさ…理屈ぽいって言われたので言わせて貰いますけど、

命を助けて来いって、

なんか変な言い回しじゃ無い?

命を救って来いの方がいいし、

それに準備はまだなんですけど、

色々練習もしたいし、

まずは朝食を食べます」


「朝食なんて呑気な事を…」


目を閉じてサクラは呟く

「食事には椅子とテーブルが必要で、

いでよ、イスとテーブル」

手のひらをかざすと、

木製のシンプルな椅子とテーブルが出て来た。


「まじ凄いわ、

ちゃんとイメージしたやつが出て来る、

次は皿とコップ、

皿の上には目玉焼きと、レタスとキュウリ、

パンはクロワッサン、

飲み物は勿論、

果汁100パーセントオレンジジュース〜」

そう言ってパッと目を開けると、

皿とコップはあるが、

目玉焼きとジュースは出て来なかった。


「マジ何なの?

きっと条件が有るんだろうけど…

温泉と木製のテーブルは何かの条件が合ったから出て来た、

う〜ん…

おじいちゃん分からない?条件とか」


「そう言われてもなぁ〜

だいたいメダマヤキって何だ?」


「ヘッ?知らないの?

目玉焼きとは、

ちょ〜シンプルで簡単な料理、

フライパンに油、

もしくはバターなどを塗って、

その上に卵を割って焼くだけの料理、

焼き方の好みも人それぞれで、

黄身が生の状態、半熟、しっかり焼いた物と選べて、

両面焼きのターンオーバーなどもある、

食べ方の好みも色々、

塩、胡椒、醤油、マヨネーズにケチャップなどをかけて、

それぞれの好みで食べるんだ、

こんなに簡単なのに食べ方の幅の広い事、ムフッ」


サクラの説明を、

目を細めて聞いていたおじいちゃんが、

「ま〜なんだ、

それは作れないと言っておこう」


「ふぇっ?なんで?」


「だいたい卵なんて貴重な食材は簡単に手に入らない、

次にそのメダマヤキ?を焼ける様なフライパンも無いと断言できる」

おじいちゃんらしからぬテキパキとした返事だった。


「卵が貴重品?」


「そうだ、卵と言えば、

ビックバードの卵を取って来て食べると聞いた事があるが」


「ビックバード?セサミストリートの?」


「また訳の分からん事を…

ビックバードとは体調5メートルは有るモンスターだ、

だから卵はとても大きい、50センチ位はあるか?

そんな大きな卵を割って乗せられるフライパンなど無いだろうな」


サクラは後退りながら、

「まじか?

えっ?ニワトリいないの?

だって朝、鳥の鳴き声を聞いた、

もっと小さい鳥も居るはず」


「野生の鳥はモンスターじゃ無いから、

卵は取ってはいけないし、

鳥自体も狩るのは駄目じゃ、

だいたい野生の鳥も結構大きいからの、

ニワトリって鳥は聞いた事も無い」


サクラはこの世の終わりの様な顔で、

「卵が貴重品って事は…

スイーツも無い?

卵が無かったら、

プリンもカスタードクリームも作れない…

シュークリームもエクレアもケーキも…

いやいや、必ず世界中回ってでも卵を見つける、

ん?まさか…砂糖はあるのか?」


おじいちゃんは呆れた顔で、

「何をブツブツ言ってるんじゃ、

砂糖なんか聞いた事も無いわ」


「はぁ〜?

でもおじいちゃんは食事しないって言ってたじゃん、

って言う事は食材の事なんて知らないって事でしょ!」


「フッ、食事はしないが、

この世界に存在する物は大体把握はしてるわ、

定期的に星神様の所に集まって情報交換しているからな、

動物の精霊王から、

ニワトリなんて鳥は聞いた事無いし、

砂糖なんて物も聞いた事無い」


サクラは疑り深くおじいちゃんを見つめると、

「でも人々の生活の事は分かって無いから、

アタシを呼び出したんだよね?

それに砂糖が無ければ、

別の物でも良い、

例えばハチミツとかね」


「ハチミツ?何じゃそれ」


サクラは呆れ顔で、

「ほら分かって無いじゃん、

アタシのスキルに養蜂ってあったでしょ?

あれは蜂の巣から蜜を採取する事なんだよ」


おじいちゃんはいきなり「プゥ〜〜」っと

吹き出したかと思ったら、

「蜂の巣じゃと?

何も分かって無いのはおぬしの方じゃよ、

おぬしはこの森の蜂がどんな大きさか知らんじゃろ、

体長1メートルは有り、

尚且つ凶暴、

針は太く、1回刺されたら死ぬレベルじゃよ」


「なっ何だって〜」


「だからこの世界に住んでる者達は、

ハチミツなんて口にした事無いだろうよ」


「じゃあ蜂がそんなに大きいって事は、

花も凄く大きいって事?」


「花じゃと?

それは大、中、小、と色々咲くな」


「じゃあそのでかい蜂が全部受粉させてるって事?

それは変だよね、

やっぱり小さいのも居るんじゃ無いの?」


おじいちゃんはやれやれって感じで手を広げると、

「受粉は精霊達が全部やっている、

大体蜂はモンスターじゃからな、

最近じゃますます大きくなって、

倒すのも大変だし倒した所で食べられない、

蜜の為に命を張る者も居ない、

ま〜あまり見かけないモンスターだから、

わざわざ倒しにも行かないからな、

おぬしはもっとこの世界の事を知る必要があるみたいだのぉ〜」


ニヤニヤしながらいやらしい顔で見て来るおじいちゃん、

サクラはそんなおじいちゃんを、

苦虫を噛み潰したような顔で睨んでいたが、

おじいちゃんは涼しい顔で、


「ほれ、食べ物も出ないんだから、

はよ、命を助けに行け」

そう言って森の方を指差す。


「そう申されますが…

あの森を見て何か気が付きませんかね?」


おじいちゃんは森を見て首を傾げて、

「何を言ってるのか分からんが」


「この草原は山の中心側は絶壁になってて、

山の外側は深い森になってるよね、

それもただ深いだけじゃ無い、

高さ20メートル幅5メートルも有りそうな大木がひしめき合って、

その下に生えてる雑草もアタシの身長より高いんだが、

その中を簡単に進めだと?

サポートするなら下山しやすくしてよ。」


おじいちゃんは顎に手を当てて

「確かに、じゃがわしが手伝わなくても、

おぬしの魔法で道を作れば良いじゃろ」


「何を簡単に言ってくれちゃってるの?

魔法だってよく分からないのに」


「イメージだろ?

取り敢えず何かやってみるが良い、

何事もやってみなくては分からんぞ」

そう言いながらニコニコ笑うおじいちゃん、


(何がサポートだよ、

尻を叩きに来ただけじゃん)


「ヘイヘイ、ではやりましょうかね〜

道を作るには木を切り倒せばいいのかなぁ〜?」


「木を切り倒すなんてとんでも無い!

もっと違う方法で作れ」


「伐採しないでどうすりゃ良いのさ」


「おぬしの魔法で何とでもなるじゃろ、

全てはイメージじゃ」


「じゃあジジイがやれよ」

小さい声でボソッと呟く、


「ん?何か言ったか?」


サクラはおじいちゃんを「キッ!」っと睨んだ後、

森を見つめて、

(イメージね、

木を伐採しないで…

木と草を動かせば良いのか?

十戒のモーゼだっけ?

海を割って奴隷を助けたんだよね…

そんな感じにすれば良いか)


サクラは森の近くまで歩いて行くと、

両手を上げて目を閉じてから、

「道を開けろ」そう呟くと、

大木と植物達が動き出し、

道を開けて行く、

サクラが立っていた場所を中心に、

幅4メートル、奥行き100メートル程の道が出来上がった。


「おおお〜出来た〜」

サクラはピョンピョン跳ねながら喜んでいると、

おじいちゃんがサクラに声を掛けて来た。


「サクラ今のは魔法だったのか?」


「そのつもりだけど…何か変だった?」


「いや〜なんか植物達が自主的に動いたみたいな、

おぬしの命令を聞いた様な…」


サクラはおじいちゃんの話にケラケラ笑いながら、

「おじいちゃんボケてるの?

そんな事ある訳ないじゃん、

アタシみたいな新参者のお願いを聞く訳ないでしょ、

じゃあ何魔法を使ったか?

と聞かれても分から無いけどね」


おじいちゃんは難しい顔で唸り、

「う〜ん…まぁ〜

植物が自主的に動く何て聞いた事無いしな…」


そんな話をしていると、

出来たばかりの道の奥から何か光ってる物が飛んで来た、

その光は道を見て「何じゃこりゃ?」と叫んだ後、

「大変だぁ〜大変だぁ〜」と叫びながらこちらに向かって来て、


「あっ!地の精霊王様!良いところに居た〜

誰も居なかったらどうしようかと…」

そう言いながら「はぁ〜はぁ〜」と息を整えている。


飛んで来た光は、

15センチ位の女の子、

綺麗なきみどり色のかわいいワンピースを着て、

背中には透き通った白い羽根が4枚パタパタと動いていた。


サクラはその子を凝視して、

「妖精さん?」そう聞くと


「妖精じゃないわよ、

精霊、森を守る精霊のフィー、

あなた…不思議なオーラを…」


妖精の言葉を遮る様におじいちゃんが、

「フィー何事じゃ?」


おじいちゃんに向き直ったフィーは、

「そうだった、

エルフの青年が山に入って来て、

ギガントボアに襲われてる、

早く助けないと、

星神様にお願いしないと」

そう慌てながら説明するフィー、


「そうか、それは大変じゃ、

ほれサクラ命を助けに行って来い」


「へ?どうやって?

攻撃魔法使っちゃダメなんでしょ?

ギガントって言ってる位だから相当な大きさとみた、

おじいちゃんが行って来いよ」


フィーは、

おじいちゃんに太々しい態度をとってるサクラを見て、

「地の精霊王様、この子は誰?

太々しいけど、凄く気持ちが良いオーラを放ってる」


「やはりそうか…だから植物達が…

まぁ〜まだ分からん事だし…」

そうおじいちゃんは呟いた後、

「こやつはサクラと言ってな、

全能神様が導いた娘だ、

これからはこの者が何でもやってくれる、

だから心配事は全部こやつに頼めばいい」


おじいちゃんはサクラに向き直って、

「だからほれ早くエルフを助けて来い」

と言いながら、行け行けみたいに手を振る。


「何だジジイ、丸投げしやがって、

頼み事する様な態度でも無いし…

まぁ〜行っても良いけど、

どうなっても知らないからね、文句言わないでよ」


「大丈夫だ、行って来い」


「何だ?その自信は、

仕方無い、それじゃあ本気を出して行くか」


そう言ってサクラは目に掛かった前髪を、

ゴムで額の上で結んで小さなチョンマゲの様にする、

そして「ヒアーウィーゴー」と叫びながら、

新しい道を凄い勢いで走って行く、

「アレ?あたし足が速くなってない?

ヒャッホ〜これも異世界の力」


そんな風に叫んでるサクラを見ていた2人は、

「地の精霊王様…あの子大丈夫?」


「え?多分大丈夫だと思う…

あやつ…可愛い顔をしてたんだな、

残念な可愛い子?」

そんな事を話していると、

今度はサクラが凄い勢いで戻って来て、


「そのエルフ何処にいるの?」


おじいちゃんとフィーが「あっ」と声を発すると、


「フィー案内をしてやりなさい」


フィーは頷いてサクラを見ると、

「私はあんなに速く飛べないから、

もっとゆっくり走ってもらえる?」


「でも、急いでるんでしょ?

じゃあアタシの頭に乗って捕まってて、

それなら速く走っても大丈夫!」


フィーは頷いてサクラの頭に乗り、

チョンマゲをしっかり掴むと、


「じゃあ行くからね〜」そう言ってサクラは走り出すと、

フィーの「キャ〜」と言う叫び声と、

「道を開けろ〜」とサクラが叫ぶ声が森の中に響いていた。








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