表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に呼ばれたオタク女子 スキルが多すぎて使いこなせない件  作者: Melody


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
24/36

鬼人の町の問題と オタク女子

今回はちょっと真面目で、

サクラが忙しい話、

サクラは上空で町の様子を伺っていた。

大きな町にしては人通りは少なく、

閉まっている店も多そうだった。


町の正面には大きな屋敷があり、

たぶん領主の屋敷だろう、


町は西と東で分けられているようで、

鉄で作られた背の高いフェンスで区切られている。


多分、東側が富裕層の住宅街だろう、

家が大きく敷地も広い、


サクラは「フンッ」と鼻を鳴らして、

「貧困の差は激しいみたいだな…」


サクラは建物の屋根に降りて、

ゆっくりと屋根の上を歩きながら町を見て回る、


そこに騒がしい声聞こえて来た。


「おいそっちを探して来い、

俺はこっちに行く、住人に見られるなよ」


「はぁ〜けったり〜な、

本当に逃げ出したのかよ、

貴族なんて嘘ばっかりだぜ、

本当は殺しちゃったんじゃね〜の」


「うるせ〜さっさと行きやがれ」


怒鳴りながら走って行く鬼人達、

サクラは黙って見ていたが、

「なんか匂うな、

ルポルにいた盗賊達と同じような風貌だし…

殺しちゃったって言ってたから、生き物だよね?

人だったらやばいからアタシも探すか」


サクラは屋根の上を飛びながら、

路地裏を探していると、


ガチャ〜ンと大きな音がした、

音の方へ向かうと、

「こんな所に居たのかクソガキが!」


積まれていた箱の陰に隠れていた子供が、

両手で口を塞いで震えながら座っている。

男が子供に迫って行く、


サクラは慌てて屋根から飛び降り、

男の頭に膝をぶつける、

男は倒れて口から泡を吐いてしまった。


倒れた男の前に降りて、

サクラは男の顔を覗き込むと、

「泡なんか吐いて大袈裟だな〜

ちょっと頭に膝ぶつけただけじゃん」


そうぶつぶつ言いながら子供を見ると、

子供は口を両手で押さえたまま、

目を丸くしてサクラを見ていた。


サクラは頭を掻きながら、

「ごめん、怖かったよね、

お姉さんと一緒に逃げよう」


そう言って手を差し伸べると、

子供は震える手でサクラの手を取り、

「お姉さんってヒューマンの子供?」


突然尋ねられ驚いて、

子供の顔を良く見ると、

子供はヒューマンだった。

(何でここにヒューマンの子供が…)


サクラは急いで子供を抱えて、

泡吹き野郎に治癒魔法をかけてから、

屋根の上に戻った。


子供を屋根の上に置いて、

治癒魔法と浄化魔法をかけると、

サクラより小さなヒューマンの子供だった。


「君は何処から来たの?」

子供にそう聞くと、


子供は両手で口を押さえながら、

目から涙が溢れ出し泣き出す。


サクラは子供の背中を撫ぜながら、

アイテムボックスからリンゴを出して見せると、

子供は驚いてリンゴを見つめていた。


「これ食べる?凄く美味しいよ」


子供は頷いて、

リンゴを手に取って食べ始める、

お腹が空いていたのか夢中でリンゴを食べて、

芯まで食べようとするから、

慌ててサクラが止める、


「オトット〜そこまで食べなくていいよ、

もっと食べるなら、これ食べて」

そう言ってもう1つリンゴを出す、


子供はリンゴを両手で取ると、

また静かに泣き出した。


下では泡吹きの仲間が来たようで、

「お前、こんな所で何寝てるんだよ、

ガキを早く探して来い」


「えっ?俺倒れてた?

いや、ガキ見つけたんだよ、

そしたら急に真っ暗になって」


下の騒ぎが聞こえて子供はまた恐怖に襲われたのか、

サクラに抱きつき小さく震えている、

そんな子供を見て、

サクラのはらわたが煮えくり返り、

直ぐにでも下に降りてボコボコにしたい気持ちを抑え、

3cm太朗を泡吹き野郎どもと同じ数を手のひらに召喚すと、

子供は驚いて太郎達を見たが、

太郎達は子供におどけて見せる、

泣いていた子供は小さく「クスッ」と笑った。


その顔を見てホッとしたサクラは、

「これは太郎君、

凄く強いから守ってもらえるよ、

だからもう安心だからね、

太郎君達は下のアホ共に見つからないように乗って、

アホ共がアジトに戻ったら連絡して」


そう指示を出すと、

太郎達を下に向かって投げる、


アホ共はバラバラに子供を探しに行った様で、

通りが静かになる、


サクラは子供に向き直って、

「えっと〜まずお名前教えてくれる?」


子供は少し落ち着いたのか、

「小さな声でティット」


「そっか〜ティットちゃんか〜可愛い名前だね、

ティットちゃんはこの町に住んでいるの?」


ティットは首を左右に振る、


「お父さんとお母さんは何処にいるの?」


ティットは黙って富裕層の家の方を指さす。


「それはお父さんのお家かな?」


ティットは首を左右に振る、

サクラは嫌な予感がして、

子供に質問するのをやめて、

ギュッと抱きしめると、


「ティットちゃん、

お姉さんがお父さん達を、

助けて来るから待ってられる?」


ティットは両手で口を押さえながら、

目を大きくして頷く、


「ティットちゃんは何でお口を隠すの?」


「大きい声を出すと…痛い事される」


「誰に?」


「顔が緑のおばさんと、おじさん」


「もうそんな事はさせないから、

安心して待っててね、

ここは危ないから違う場所に行くよ、

その前にお洋服がボロボロだから、

綺麗な服に変えようか」


そう言ってサクラは手をかざして、

コットンの可愛いワンピースを召喚して、

ティットに見せながら、

「これに着替えようか」と言うと、


ティットは驚いて、

「ティットは男の子、スカート着ない」


サクラは驚いて、

「えええ〜ごめん、

髪が長くって可愛いからてっきり…

よく見たら男らしい顔だった、アハハ…」


男の子用の服を召喚してティットに着せながら、

(多分、鬼人を見たら怖がるよね…

エルフも似たようなもんか、

あまり気乗りしないけど…あそこに行くか)


サクラはポータルを開けて、

「ここを通った所は怖い人は来れないから」


そう言ってティットの手を握ってポータルを通る、

そこは異常にオッパイの大きいお姉さんが5人いる所、

更生施設であった。


ポータルを通ると、

太郎達が気が付いて走り寄って来て、

「マスターどうした?」


サクラは事情を説明し、

「両親連れて来るまで面倒見て、

それと、鬼人族を見ると怖がると思うから、

鬼人の町に行って今日はここに来ないように言ってくれる」


太郎は「御意」と言って、

鬼人の町まで行ってしまった。


心配そうにアルダンもやって来て、

「マスターその子…どうした?」


アルダンにも説明してから、

「お腹空いてると思うから、

何か食べさせてあげて、

そうだ、ティット、

待っている間このお姉ちゃんと、

これで遊んでな」


そう言いながらゴムボールを出して渡す。

ティットは見た事ないボールを嬉しそうに受け取った。


サクラに気が付いた、

アホ5人が凄い勢いで走って来るのが見えたサクラは、

アホ達に手のひらを見せ、

止まれの合図を送ってから、

ティットを指差して、


「小さい子の前で、

オ、が付くもの言ったら、

1週間アイアンだからな」


アホ5人は「ヒィ〜」と言っていたが、

心配そうな顔でティットを見つめていた。

サクラはもう1人の太郎に、

「じゃあ行って来る、ティットの事は宜しくね」

ティットに向き直り、

「ティット、

お父さんとお母さんを迎えに行って来る待っててね」


ティットは不安そうに頷いていたが、

両手で口は隠さなくなっていた。


サクラは町に戻って、

富裕層の町が良く見える家の屋根に乗って、

富裕層の町の空気の状態を観察していた。

クラテルの町程酷くは無かったが、

普通の街並みにしては空気が重く感じていた。


そこに3cm太郎から念話が来た、

「マスター、さっきの人達同じ家に入って行った」


「えっ?どこ?」


「マスターがいる家」


サクラは足元を見て「マジか」と呟く、

(富裕層の町に1番近い大きな家を選んでいたが、

まさか悪い奴らのアジトだったとは…)


「それで今どの部屋にいる?」


「一階の真ん中の部屋、

ボスって言う人に会ってる」


「分かった、

その部屋の窓の下に移動するから、

太郎君達も窓に来て窓を少し開けてくれる」


「御意、マスター」


サクラは教えてもらった部屋の窓の下で、

待機していると、

太郎達がサクラの下に来た、

窓を少し開けてもらったお陰で、

中の会話が良く聞こえて来る、


「ボス勘弁して下さい、

本当に町中探したんです、

あんなチビ時間が経てば腹空かして出て来ますよ」


「バカかお前ら、

出て来て町の奴らに見つかってみろ、

面倒な事になるんだよ」


「面倒な事って領主の依頼でやった事ですよ、

バレたって捕まる事は無いでしょ」


「はぁ〜あいつらは外面が良いんだよ、

簡単に俺達を切る、

今回の誘拐だって俺達のせいにされるぞ、

王だって絡んでいるんだ、

国民にバレて見ろ、内乱が起きてもおかしく無いんだ」


サクラは真剣に聞き耳を立てていたが、

太郎に、

「マスター、何でダンボールに隠れてる?

この世界にはダンボール無いはず」


「何言ってるの太郎君、

隠れて進むにはダンボールじゃなきゃ、

4方向に穴を開けて外の様子も見れる、

そうだ家の両端に待機して、

誰か来たら気絶させてよ」


「どうやって気絶させる?」


「ほら、

首の後ろをトンてやると気絶してるじゃん」


太郎達は首を傾げながら、

「それってドラマとか映画の?」


「そうそう、ダメならエロ本置くか?」


「マスター、あのゲームの動画見たから、

真似したくなった?」


「そっそれは…何事も経験だよ…ね、

ちょっと静かに、誰か来たみたい」


ボスの部屋がノックされて、

「ボス、あの貴族また来やしたぜ」


「はぁ〜通せ」


屋敷の中から大きな声で怒鳴る奴が近付いて来た。

部屋に入っていきなり怒鳴り散らす、

「まだ見つからないのか?

もし見つから無かった時は、

他の者を用意しろよ、

あんなガキ連れて来たお前らの責任だからな」


少し沈黙の後、

「俺達の責任?

逃したのはそちらさんでしょ」


「はぁ?良いのかそんな態度で、

お前らは犯罪者なんだ、

私が一言王に報告すれば、

直ぐに王直属の兵士がお前らを捕まえに来るぞ、

分かったらさっさと探して来い、

私のアクセの色が薄まったら責任とってもらうぞ、

あ〜ここは臭くて長く居られない、

ちゃんと探せ」


そう言って偉そうな奴は出て行った。


「太郎君、今の男に張り付いて、

男の家を見つけて来て」


「御意マスター」


暫く静かだったが、

男が家を出て行った事を確認した後、

ボスが小さい声で、


「今手下は何人いる?」


「前のヒューマン誘拐の時に減っちまったから、

100人ちょっとです」


「今から貴族達に気づかれない様に、

荷物をまとめろ、食料も出来るだけ集めろ」


「えっ?ボスどうするんですか?」


「実はまた領主から依頼があった、

今度も300だとよ、

鬼人の平民でも良いと言い出した、

同族まで手を出し始めたら、

俺達だって危ない、だから今夜出て行く」


「出て行くってどこに?」


「鬼人族領と獣人族領の国境に岩山がある、

そこには大きな洞窟があって、

そこをアジトにしてた事があった、

商人を襲って結構良い暮らしをしてたんだがな、

あそこなら地形的にギガントモンスターも登って来れない、

暫くはそこで生活だ、

この国はもう終わりだよ」


「もらったアクセは持って行くんですかい?」


「あんなもん、人数分無いと意味が無いだろ、

それにあれは…

悪魔の意識が入ってるみたいで気持ち悪い、

だから置いて行く」


「分かりやした、

直ぐにみんなに声をかけて来やす、

じゃあガキの方は放っておいて良いですね?」


「ああ、もういい、早く行け」


その後は走る音がして静かになった。

サクラは残った太郎達に、

サクラの体の中に戻る様に指示して、

ポータルで屋根の上に戻って頭を整理する、


(今の聞いた話を整理すると、

ティット達は貴族の依頼で誘拐されて来た、

アクセの色が薄まるってなんだ?

あのダガルって奴が持ってたアクセ?

ダガルのアクセは凄い濃い赤だった…

ティット達と何が関係ある?

後アクセが人数分無いと意味がない?

王も怪しい?

情報が欲しい、ティットの親なら色々知ってるはず)


サクラは富裕層の街並みを眺めてながら、

「欲深い奴らは碌でも無い事をする」


「マスター、家が分かった」


「ありがとう太郎君、

そのままそこに居て、

太郎君をサーチして向かうから」


「御意、マスター」


サクラは飛びながら、

家を一軒、一軒サーチして行くと、

面白い事に気がつく、

家の中に人が居ると光って見えるのだが、

色が2色ある、


太郎が待機している家に着くと、

広い敷地に大きな建物があり、

建物の裏には物置きの様な、

小さい建物が幾つかあった。


大きな建物には緑色が幾つかあり、

小さい建物には、

ピンク色が2つあった、


サクラは腕組みしながら、

「色違いって…

もしかして…種族ごとに色が違う?」


サクラはピンク色の光がある小屋の裏に降りて、

小屋の中を覗くと、

薄暗い中でガリガリに痩せた人が2人倒れて居た。


小屋の窓には鉄格子が付いていたが、

サクラが鉄格子を両手で掴んで、

手前にちょっと引いただけで取れた。


(んっ?なんか力加減が分かった様な…)

余計な事を考えながら窓を開けようとすると、

カギがかかっていた、


サクラはため息を付いて、

「まっ、普通はそうだよね〜」


サクラは小屋の周りに人が居ない事を確認した後、

窓ガラスに向かって優しくグゥーパンチをする、

ガラスが音を立ててバラバラになって落ちて行く、


倒れている2人も音に気付いて、

目だけでサクラを見てるが、

なんの反応も出来ないでいた。


サクラは2人に向かって飛んで行き、

治療と浄化魔法を素早くかけて、

部屋の周りを見ながらポータルを開ける、


部屋の片隅に、

不吉な鉄格子で作られた四角いカゴがあり、

その中にはアクセサリーが2つ入っていた。

小屋の中からは触れる事は出来ない様になっていて、

外側に小さな扉を作ってあり、

小屋の外から入れ出しが出来る様になっていた。


「なんだこれ?」思わず呟いてしまった。


サクラの呟きに倒れている人が、

「そっそれを処分して下さい」


サクラは声に驚いて振り返ると、

倒れていた2人の意識が戻っていた、


(やっぱり、ヒューマン族だ…

ティットの両親だから当たり前だろアホなアタシ、

思った通り種族ごとに色が違うんだな)


サクラは鉄格子を握り潰して、

中のアクセサリー取ってアイテムボックスに投げ込むと、

2人のヒューマンをポータルで更生施設に連れて行く。


サクラとガリガリの2人を見たヒューマン女子達が、

駆け寄って来て2人を抱えて、

用意してあったフカフカシートに寝かせる、


2人に気が付いたティットが駆け寄って来て、

2人に抱きついて、

「お父さん、お母さん、うわぁ〜ん」と泣き出した。


その光景を下唇を噛み締めながら見てたサクラが、

「太郎君、いつものように、

水分補給と食事をお願い、

まだまだ誘拐されたヒューマンが居そうだから、

救出に行って来るから準備もお願い、

アルダン達も協力して」


ヒューマン女子達も薄っすら涙を浮かべて頷く、

流石にアホ5人も真面目な顔で頷いてた。


その後も富裕層の屋敷から、

誘拐されたヒューマン達を救出して来たが、

何と全ての屋敷30軒から、

ヒューマンとアクセサリーが見つかった。


サクラはアクセサリーを鑑定してみると、

全てがマレディク ダンジョンで取れた物で、

勿論、呪われていた。


更生施設は運ばれて来たヒューマンのお世話で、

みんな走り回っていたが、

サクラは空を見上げて、

「はぁ〜」っと大きく深呼吸をすると、

(これは結構やばい話かもな〜)


そんな事を考えていると、

オネットに乗せた太郎から念話が来る、


「マスター、今町を出た、

これから北東にある農村に向かう」


「分かった、農村は安全なの?」


「………、安全だと言ってる」


「後でアタシも向かうから、

モンスターが出た時は宜しくね」


「御意、マスター」


サクラはティットの父親に申し訳なさそうに、

「まだ落ち着いて無いと思うけど、

教えて欲しい事が幾つかあって」


ティットの父親は痩せてはいるが、

治療のお陰で表情はしっかりとしていた、

「助け出して頂きありがとうございました、

何でも聞いて下さい」


サクラはニッコリ笑って頷くと、

「ティットのご両親はどこから来たの?」


「ヒューマンの国の村から鬼人に誘拐されました」


「村?ここに居る人達はみんな村の人?」


「そうだと思います、

痩せているけど見知った顔ばかりです」


「誘拐された人全員ここにいるかな?」


「救出されたのは何人ですか?」


「90人、一軒に3人ずつ閉じ込められてた」


ティットの父親は首を左右に振って、

「そんな…確か100人以上誘拐されました」


ティットの父親は、

フラフラしながら立ちあがろうとすると、

素早くヒューマン女子が父親を支える、

ティットの父親は軽く会釈をしてから、

周りを見渡して、


「村長〜居ますか?

誰か村長見かけたか?」


他のヒューマン達もキョロキョロしていたが、

「村長居ない…」


「何で居ないんだよ…」

ティットの両親も顔が青くなり、

「村長がいません、

他にも何人かいたはずです」


サクラは真剣な顔になり、

「分かった町に戻って探してみる、

みんなは心配しないで、

今は自分の体の回復だけ考えて、

じゃあ、行って来る」


それだけ言ってポータルで町に戻って行ったサクラ、

残されたヒューマンは心配そうにしていたが、

太郎達が「食事が出来たぞ、しっかり食べろ」

そう言いながら食事を配るのであった。


町に戻ったサクラは、

町が騒がしい事に気がついて、

屋根の上からこっそり観察していると、


富裕層の方から貴族達が大騒ぎで、

領主の屋敷に向かって行った。


さっきの悪党達も貴族達の様子が変な事に気が付き、

慌ててアジトに戻って行く、


サクラは3cm太郎を10体召喚して、

貴族達の上で太郎を落とす、


「貴族達の会話を全部念話で教えて」


「御意、マスター」


サクラは領主の屋敷の上から注意深くサーチをすると、

屋敷の裏に大きめの建物があり、

その中には均等に並んだピンク色が見える、


(あそこに10人はいそうだな)


サクラは静かに建物の裏の窓から中を覗くと、

ベッドが均等に並べてあり、

ベッドには紫の発疹のあるヒューマンが10人寝かされていた、


何かをメモしながらベッドの脇に立つ鬼人が2人、

どう見ても看病では無く、

ヒューマン達を研究している様に見える、

サクラは怒りが込み上げて来たが押さえて、


鬼人達の様子を見ている、

1人は上司でもう1人は助手のようだった。


2人は何かを話した後、

上司は部屋の端にある机に向かって座り、

助手は建物から出て行った。


サクラは鉄格子を外して、

窓を壊して入って行くと、

扉を土魔法で封鎖し、

上司に向かって飛んで行く、


上司は窓が割れる音で振り返ると、

恐ろしい形相のヒューマンの子供が、

飛んで迫って来る姿を見て、

後退りすると壁にぶつかる、


サクラは上司の前まで行くと、

「オマエ、ユルサナイ」

何故かカタコトで言ってから、


上司を突き飛ばす、

突き飛ばされた上司は何故か尻餅をつく、

壁だったのに尻餅をついて、

手をついた場所は土だった、

何がなんだか理解出来ないでいると、


鬼人達が集まって来て問いかけて来る、

「マスターどうしたんですか?」


サクラは上司の背中に、

ホーリーマウントの鬼人の町へのポータルを開いていた。


上司の周りには鬼人達が何事かと集まり、

サクラが説明をする、


説明を聞いた鬼人達は怖い顔で上司の周りに集まり、

「マスター、こいつどうするんですか?」


「何か研究してたみたいだから話が聞きたい、

だからここに拘束しとくから見張っといて、

他の10人救出して来る、

一応忍者太郎君召喚しとくか、

何か聞けたら聞きだして」


元兵士の鬼人が突然、

「ああ、マスター俺こいつ知ってる、

確か王の側近の1人」


サクラは手で目を押さえて、

「マジか〜王があんな事させてたら…

鬼人の国ヤバイかも…

じゃあ行って来るから宜しくね」


そう言ってサクラはポータルに入って行った。


サクラは建物に戻って、

ヒューマンをベッドに寝かせたまま、

更生施設に移動させて行った。

部屋を見渡して見つけたのは、

たくさんのアクセサリーだった、

全部アイテムボックスに入れて、


急いでポータルを閉じ、

病人達の治療をしていると、

貴族に付けた太郎から念話で、

貴族達の会話を伝えてくれる、


「早く領主様に会わせてくれ、

大変な事が起きているんだ」


「今謁見の間にいらっしゃる、

落ち着いて待たれよ」


(なんだ兵士との会話か…)


「領主様がいらっしゃった、

失礼の無い様に入られよ」


「領主様、大変です、

ヒューマンが同時に全員いなくなりました」


「何を馬鹿な事を、

同時にとは?どうやって出来る?」


「それが分からないのです、

頂いたアクセサリーも無くなって、

私達これからどうやって生きていけばいいのですか?」


「どうやって生きてく?大袈裟な、

あんな物無くたって、生きてはいけるであろう」


「もうあの快感を忘れる事は出来ません、

どうか領主様がお持ちのアクセサリーを分けて下さい、

いくらでもお金は払います」


「金?今はそんな物なんの価値も無い、

ならば、高級ワインや高級食材を献上せよ」


「そっそんな物…物流が途絶えている今、

あるわけ無いじゃありませんか」


「ならばもう下がれ、

私は王からの依頼で忙しい」


「依頼とはまさかまた」


「うむ、やはり2年も経つと供物が使えなくなる、

死んでしまったり、おかしくなったりな、

だからお主達の供物もそろそろ限界であったろう、

ちょうど良かったのでは?

今、静かに戻るのであれば、

供物を分けてやっても良い」


「マスター、貴族達が渋々帰っていきます、

どうしますか?」


「太郎君、もういいや、

アタシの体に戻って、ありがとうね」


「御意、マスター」


病気を完治させて一息ついていると、

ヒューマン達が

ヨロヨロしながらベッドに近付いて来て、

「村長…こんな姿になって…」


「私達が何をしたって言うの?」


みんな村長の周りに集まり泣いていた。

ヒューマン女子達もつられて泣いている、


そんなみんなの姿を見て、

サクラは(臭いものは元から絶たないと駄目だよね)

そう決心するのであった。








読んで頂きありがとうございました♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ