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異世界に呼ばれたオタク女子 スキルが多すぎて使いこなせない件  作者: Melody


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21/37

クラテルの町に行く オタク女子

クラテルの町に着いたサクラ達、

忙しい時間を過ごすが、

素敵な出会いもある、

ポータルを通って、

クラテルの町の城門前にやって来たサクラ達、

バルやエイストも一緒だが、

帰りもまた太郎のおんぶで帰るのかと、

不安だったらしく、

ポータルを通った時は、

無事に戻って来た事に安堵していた。


突然現れたエイスト達に門番が気が付き、

驚いて声をかけて来る、

「エイスト様!」

エイストは片手を上げて、

「門を開けてくれ」


門番達は慌てて門を開け、

エイスト達を通す、


サクラは初めて町に来た事に心躍らせていた。

(折角来たんだから、

絶対タダでは帰らない、

野菜を売ってる奴、絶対見つける)


そんな事を考えながら、

町の大通りを歩いていると、

お店はたくさんあるのだが、

閉めてる店も多く、

大通りを歩いている人も少ない、


「おじさん、人が少ないね」


「モンスターのせいで流通も途絶えてしまい、

店も品薄になり買い物客も減ってしまってな」


「品物は作れてるの?」


「それは…分からないのだ、

モンスターのせいで連絡も大変だからな」


「連絡出来る魔道具とか無いの?

後、念話とか?」


「魔道具はあるが、

特別な魔石が必要な為、

数が少ない、

勿論私も持って無い、ハハ」


エイストが乾いた笑いを浮かべていると、

通りの向こうから、

若い夫婦が歩いて来る、

夫の方は太腿から足が無く、

松葉杖を使っていた、

夫婦がエイストに気がつくと、


「エイスト様、

いつも美味しい果物と肉を、

ありがとうございます」


エイストは大きな声で、

「おおお、アランではないか、

今日は仲良く散歩か?羨ましいな、

食べ物はみんなに配っている物だ、

これからも食べ物の事は心配無い、

ここにいる娘さんが提供してくれている」


そう言ってサクラの背中を押し、

若い夫婦の前に出す。

夫婦はサクラの顔を見て、

「そうだったのですね、

ありがとうございます」


サクラは真面目な顔で、

「お兄さん、

足の怪我はモンスターにやられたの?」


アランはサクラの唐突な質問に、

目を丸くし、

「ああ、そうなんだよ、

前はエイスト様の所の兵士だったんだ、

モンスターと戦っていた時に、

俺がミスってな、ハハ情け無い」


そんな夫を見つめる奥さんは、

悲しい顔をしていた。

サクラはいきなり片手を上げると、


「椅子よ出て来い」と呟き、

椅子を出す、

「お兄さん、

申し訳ない無いんだけど、

この椅子に座ってくれる?」


アランは驚いていたが、

一緒にいた太郎が、

アランを抱き上げて椅子に座らせた。


エイストは何事かと、

「娘さん…何をする気だ?」

バルも驚いていたが何も言わずに、

見守っている、


サクラはエイストをチラッと見て、

「黙って見てて」


サクラは目を閉じてアランに手のひらを向け、

何かを呟いている、

次の瞬間、

手のひらから金色の光が放たれ、

アランを包み込んで、

太腿から足が戻って行く。


光が収まると、

アランは何が起きたか気が付かず、

サクラを見つめていた。


隣に居た奥さんが急に、

両手で顔を覆いその場に泣き崩れる、

エイストも目を赤くして、

アランを見つめ、


「アラン…

オマエ、気が付いて無いのか?

足が…足が元に戻っているんだ」


アランはエイストの言葉に驚き、

自分の足を見て触り、

目からは涙が溢れて、

「嘘だろ…何で足が…戻ってる」


サクラはニッコリ笑って、

「足だけじゃ無いよ、

全身の傷が治ってるはず」


サクラの説明を聞いた奥さんが、

アランのシャツをめくって、

背中を調べると、

肩から腰にかけてあった、

傷が綺麗に無くなっていたのだ、


奥さんはサクラに抱きつき、

「ありがとうございます、

ありがとうございます」と泣いている、


サクラはそっと奥さんの背中に手を回し、

(奥さん相当心配してたんだな…

魔法で癒すって出来ないのか?)


そんな事を考えながら、

奥さんの背中を撫ぜていると、

手から何か温かいエネルギーが流れて、

奥さんから濁ったエネルギーが出て行くのが見えた。


その濁ったエネルギーは、

他の人にも見えたらしく、

エイストがサクラに、


「娘さん、今何か出たような、

何をしたんですか?」


サクラは奥さんの背中を撫ぜながら、

「奥さん、言っていいのかな?」


奥さんは顔を上げて、

「何の事でしょう?」


「奥さん、お腹に」


奥さんは「はっ」として、

「何故わかったのですか?」


「アタシ、

治療する時体の中が見えるんです、

つい見ちゃって」

サクラは申し訳なさそうに、

指で鼻を掻いてる、


奥さんは「クスッ」と笑い、

「話しても大丈夫です」

そう言って笑顔を向けて来たので、

サクラが、


「奥さんは、お腹に赤ちゃんがいるの、

それで、世の中がこんな状況で、

不安だったんだと思う、

その不安のエネルギーが、

体から出て行っただけ」


バルが不思議そうに、

「何で出て行ったんですか?」

サクラは首を傾げて、

「さぁ〜何ででしょう?

アタシはただ奥さんを、

癒したいと思っただけだから」


「なるほど…本人も分かって無い魔法が、

使われてたんでしょうね、

あんなにたくさん有ったら…」

そう言ってバルが苦笑いをしていた。


サクラは「アハハ」と笑うと、

奥さんの目をしっかり見つめて、

「もう大丈夫、

この町の食料の心配は無い、

モンスターも忍者太郎君が、

全部倒してくれる、

奥さんは安心して旦那さんと一緒に、

子育て出来るから」


奥さんはまた泣き崩れてしまったが、

アランが奥さんを優しく抱き締めて、

「俺の事も心配してくれててたんだろ?

もう大丈夫、

俺も頑張るから心配いらないよ」


エイストは下唇を噛んで、

泣かない様にしていたが、

目からは涙が一筋流れてしまっていた。


サクラはそんなエイストを眺めながら、

「おじさん、

彼みたいに怪我してる人も、

連れて来てくれる?」


エイストはサクラを見て、

「えっ?

病人だけで無く、

怪我人もですか?」


サクラは頷き、

「長い人生怪我してたら可哀想でしょ、

治療院はどこ?

教えてくれれば先に行ってるから、

彼と同じような人も連れて来て、

それと地図忘れ無いように」


その時バルが「ハハハ」と笑い、

「治療院の場所は私が知っている、

エイスト、兵士に協力させて、

モンスターにやられた者達を集めて来い、

娘さんが今度いつ来てくれるか分からんぞ」


エイストは「はっ」として、

「そうですな、急いで行って来ます」


そこにアランも、

「エイスト様、私も手伝います」


エイストは手のひらをアランに向けて、

「何言ってるんだ、

奥さんは身重なんだぞ、

今はそちらを優先しなさい、

それにアラン…

おまえ片方しか靴履いて無いぞ、アハハ」


アランも自分の足元を見て笑っていた。


アラン夫婦に別れを告げた後、

エイストは兵士の元に走って行き、

サクラはバルの案内で治療院へ向かった。


治療院の建物は二つに別れていて、

正面の建物は一般病棟、

奥に新たに建てられた建物は、

紫の悪魔と呼ばれる謎の病が広がった時に、

新たに建てられた隔離病棟であった。


治療院の周りは静かで空気が重い、

サクラはスンスンと匂いを嗅ぐと、

「おじいちゃん、この匂い分かる?」


バルも同じ様に匂いを嗅いで見るが、

「匂い?特に感じ無いが…」


「この前モンスターが生まれる?

出現する瞬間を見たんだけど、

その時変な匂いがしたんだ、

ここの匂い…その時の匂いと同じ、

これがもっと濃くなると、

モンスター出現しちゃうかも」


バルは初めて聞く情報に

目を丸くし口をガクガクして動揺していた、


そんなバルの反応を見たサクラは、

「アレ?もしかして、

モンスターがどうやって生まれるか知らない?」


「その様な事が解明されたなど、

聞いた事は無い…

娘さんは知っているのか?」


サクラは頷き、

「アタシの拠点に白い狼が居たんだけど、

気が付いた?

あのオオカミはホーリーウルフって言って、

そのウルフから聞いたんだ」


バルは驚愕の表情になって、

「ホーリーウルフだと…

本当にその様な聖なる者が実在してたとは」


サクラは真剣な顔で頷き、

ルーアから聞いた、

モンスターがどの様に生まれるかを話した、


バルはサクラの話に頭を抱え、

「それでは私達は何をすれば」


「取り敢えず、

ルポルの町の人達が安心して暮らせる事を、

最優先に考えれば良いと思う、

負のエネルギーをたくさん出さなきゃいい」


バルは難しい顔になり

「確かに、今私が出来る事は、

娘さんの言う通りだが…

この情報を早く王に伝えて、

国中に知らせないと…

本当なら世界中に知らせた方がいいんだが、

難しい問題だ」


サクラは小首を傾げてから、

「考え過ぎかも知れないけど、

わざと負のエネルギー増やしている人いるよね?

例えば、ルポルにいたあの鬼人、

自分の欲望の為には何でも出来ちゃう、

そんな人を呪われたアクセの方が探していたら?

マレディクダンジョンって突然現れたんでしょ?

ダンジョンが現れてから争いが増えたなら、

関係あるかもね、

この世界を壊したい?…なんてね」


バルが青い顔をして、

「そんな事が起きてるとしたら…

我々はどう対処すればいいのか?

対処出来るのか?」


サクラは「クスッ」と笑って、

「まあ、まあ、

大袈裟に言っただけだよ、

そんな事にならない様に病人を治し、

食料を配る、それがアタシの仕事、

ルポルの町だって、

あれから空気が良くなっただろうし、

どんどん人の不安を無くす為に頑張る、

まずは病人の呪いを浄化しなきゃ」


サクラはスタスタと治療院に入って行き、

その後を難しい顔でバルが続いて行った。


奥の建物の中に入ると、

空気が重くなる、

サクラはスンスン匂いを嗅ぎながら、

(やっぱり…

治療院の中はあの匂いで充満している、

このままにしてると、

町にモンスターが出現するのか?

試したい気もするが…やめとくか怒られる)


建物の中には白いローブを着た人が、

疲れた顔で待機していた、

そのローブを着た人にバルが声を掛け、

症状が酷い人達の所に案内をしてもらう、


病室は10人部屋でカーテンで仕切られていたが、

苦しそうな息遣いが聞こえてくる、


サクラは太郎を10人を召喚し指示をする、

「太郎君、

アイテムボックスから水とコップを出しといて、

自力で水が飲めない人は口移しで宜しく、

奥から順番に治療して行くよ」


サクラの指示に、

バルは嫌な事を思い出して汗をかきながら、

「私も何かお手伝いをしよう」


「おじいちゃんも、

水が飲めそうな人に、

コップでいいから飲ませてあげて、

飲めない人は、太郎君が担当するから」


そう言ってサクラはバルに親指を立てて、

奥の方から治療を始める、


サクラは治癒魔法と浄化魔法をかけていく、

何度もやって慣れて来たのか、

数秒で病人達は完治し、

その後を太郎達が、

病人の頬を掴んで口を開けさせ、

口から細い水を出して飲ませて行く、


その光景をバルが凝視して、

「私もあんな事されて…いたのか…」


バルの呟きが聞こえたサクラが思わず吹き出して、

「プッ、おじいちゃんはそのお陰で、

脱水症状が良くなったんだよ、

太郎君達は木で出来てるから、

木のコップから水が出てると思って」


サクラは笑いながら隣の部屋へ移って行った。

その後も

驚く速さで紫の悪魔を治療していくが、

忙しいのは治療後で、

水分補給や食べ物を食べさせたりして、

忙しくしていると、

エイストが戻って来て病室の中を見ると、

病人達が楽しそうに、

リンゴを食べたり、

パンを食べたりしている姿に驚く、


「私は夢でも見ているのか?」


そこにバルがやって来て、

エイストの肩を叩く、

「気持ちは分かる、

これが全能神様の、

なせるわざなのかも知れない、

あの娘を見てるとそうは見えないだろうが」


サクラはせせこましく動き回り、

窓を開けたり、食べ物出したりして、

まるで小間使いの様だ、


額の上には変なチョンマゲ、

どう考えても全能神などと、

関わりがあるとは思えない風貌をしてる娘、


病人達には笑顔が戻り、

楽しそうに語り合っている、


「バル殿、

私はこんな日が来る事を、

ずっと望んでいました、

どんな姿でも私にとっては救世主ですよ、アハハ」


「そうだな…

それがエイスト、

おぬしが居ない間に聞いた話を、

聞いたら笑っても居られないぞ」


エイストは笑顔のままバルに顔を向けると、

バルはモンスターについて聞いた話を、

エイストに伝える、


エイストの顔は曇り、

「王都まで、早馬を出しましょう」


「そうなんだが…

無事に王都まで行き着けるか?

行商人もモンスターのせいで、

何処にも行けないでいる」


エイストは唸りながら、

「う〜む、

では兵を100人、

隊を組んで行かせますか?」


「100では心配だが…

所でエイストの所のあの太郎は、

どんなモンスターを狩って来た?」


「それは…驚きの大きさのモンスターを、

毎日数体、律儀に狩って来ます、

マスターに言われているからと」


バルは頷き、

「私の所もそうだ、

あの太郎が居れば何とか王都に行ける、

だが…あの速さにはついて行けないだろう、

何とかならないものか…」


バルとエイストは、

答えが見え無い会話を続けていると、

サクラが涼しい顔で、

日本の警官の様な敬礼をし、


「おじさん!病人全員完治致しました。

では任務完了となりましたので、

地図をもらって帰るっす」


バルとエイストは突然現れたサクラに驚き、


「全員って…私が連れて来た怪我人が、

治療院の中庭で待機しているはず」


「その方々も全て終わっております」


エイストは唖然として、

「全員?完治?何でそんな話し方?」


サクラは「フッ」と笑い、

「だって、中庭の人達が、

ありがとうござますって敬礼みたいのするから、

合わせてみただけっす」


バルは呆れて、

「いや、もうふざけるのはいいから、

元に戻って話を聞いて欲しい」


エイストは慌てて、

「いや、いや、その前に、

完治って本当か?」


「信じられないなら、

見に行って来なよ、

今は太郎君達に色々もらってると思うよ」


エイストは走り出して行ってしまう、

サクラは肩をすくめて、

「おじいちゃん、地図ある?

攻め込まれてるって場所聞いたら帰る」


バルは手のひらをサクラに向けて、

「いや、ちょっと待ってくれ、

話を聞いてくれ」


サクラは目を細めて、

「ぬ〜ん、まだ長くなりそうだね、

早く話して」


バルも目を細めてサクラを見て、

「何で早く帰りたがる?」


「太郎君が夕飯まで帰って来いってうるさいんだ、

なんか…母親モードに入ってるのがいるんだよね」


バルはフッと吹き出し、

「太郎は不思議な存在だな、

その太郎についてお願いしたい事があるんだ」


「太郎君?」


「ああ、

さっき聞いたモンスターについての情報を、

早く王に伝えたいのだが、

巨大化したモンスターのせいで、

王都への道も危ない為、

早馬も出せない、

太郎が一緒に行ってくれれば、

助かるのだが…

速すぎてついて行ける者がいない、

何かいい案は無いか?」


サクラは顎を撫ぜながら、

「それなら、太郎君に手紙を持たせて、

城の誰かに渡して、

受け取りましたサインをもらって来れば、

いいんじゃ無い?」


そんな話をしていると、

エイストが凄い勢いで戻って来て、

「娘よ、なんと、一般病棟の、

患者まで治してくれたのか?

何と感謝すれば良いのか…」


エイストはでかい体で、

両膝をついて泣き出した。


サクラは困った顔でバルに向かって、

「おじいちゃん、

ちょっとめんどい、何とかしてよ」


バルも困った顔でエイストの背中を摩りながら、

「エイストよ、私も同じ経験をしたから、

気持ちは分かるが、

今は急いで決める事があるだろ?」


「バル殿申し訳無い、

張り詰めた物が一気に弾けた様な、

涙が溢れて来るのです」


サクラはエイストを見つめてから、

忍者太郎に目を向け、

顎で合図を送ると、


忍者太郎はエイストの後ろから、

両脇を掴んで椅子に座らせ、

「オッサン、

お前は領主だ、まだまだやる事がある、

マスターに迷惑かけるな、

泣くなら家に帰ってから泣け」


エイストもバルも呆気に取られていたが、

サクラは話を再開する、

「さっきの続きだけど、

太郎君に手紙を持って行って貰うのが1番いいよ、

おじいちゃんやおじさんの手紙って証拠が有れば、

何とかなるでしょ」


バルも「はっ」として、

「そうだな、封蝋で閉じて置けば、

私の手紙と分かるだろうが…

いきなり太郎が現れて、

モンスターと間違えられないか心配だが」


エイストは大きな音を立てて鼻をかんでから、

「そうですな、

でも太郎は話が出来ます、

上手く説明出来れば、

門番も耳を傾けるでしょう」


「心配している暇があったら、

やれる事やってから考えようよ、

取り敢えず、早く手紙を書いて、

地図に攻め込まれている場所に印を付けて、

攻め込まれてる場所には直ぐ行けないけど、

鬼人の方が片付いたら、

必ず見に行くからさ」


バルは手紙の用意を始め、

エイストは地図を見せながら説明をしていく、


全ての準備が整ってからエイストが、

「では、どの太郎に手紙を持たせますか?」


「そこに居る忍者太郎君でいいんじゃ無い?」


バルが慌てて、

「そこの太郎は私の太郎、

居なくなるのは困る!」


サクラはビックリしてバルを見ると、

バルは「ハッ」としてから、

ばつの悪そうな顔になり、

「いやすまん、言い間違いだ、

今ルポルから太郎が居なくなると、

困るのでつい慌ててしまい…」


サクラは吹き出して笑い、

「プッ、アハハ〜

私の太郎って…

おじいちゃんも太郎君の魅力にはまったね、

アタシとしては嬉しいよ、

そんな風に思ってくれてたなんて、

きっと大切にしてくれてるんでしょ?」


そう言って忍者太郎を見ると、

「私の主人はマスターだけ、

だけど、ジジイに大切にしてもらってる」


サクラは嬉しそうに頷き、

「じゃあ、違う太郎君に行ってもらおう」


サクラが手をかざした所に、

身長5メートルの双剣の忍者太郎が召喚される、


「じゃあこの太郎君にお願いして」


バルとエイストは借りてる太郎より、

1メートルも背が高い忍者太郎を見て、

「おお〜」と感嘆の声を上げ、


エイストは真剣な顔でサクラを見つめると、

「娘さん出会った時から世話になりっぱなしで、

今日は本当に魂の底から感謝している、

何か対価を支払いたい」


エイストはまた感極まって、

涙が流れ無い様に下唇を噛んでいた。


サクラはそんなエイストを見上げて、

(オッサン…感動しやすいのか)


「おじさんみたいな領主様なら、

この町も安心だね」

そう言って笑ってから、

「対価ね、

バルのおじいちゃんにも言われたけど、

何も無いんだ…あっ、そうだ、

この町にある、野菜や果物、茶葉、コーヒー豆、

砂糖の材料が有ったら見せて」


「見せるだけでいいのか?」


サクラは頷いて、

「見せて貰うだけで召喚出来る、はず」


エイストは頷き、

近くに居た兵士に声をかけ、

町にある全ての野菜を持って来させる、


待ってる間に、バルが、

太郎に手紙を持たせて、

王都のある場所を地図で説明している、


「良いか、門番から5メートルは離れて、

私とエイストの名前を告げて、

国王、ジョルジュ-アンテーリ様宛と、

はっきり伝えるのだ」


太郎は頷いて、

「マスター、行って来ます、

手紙渡したら、拠点に戻れば良い?」


バルが、

「待て、出来れば、

王の返事が欲しいと伝えてくれ、

返事がもらえ無くても、

一旦ルポルの私の所に寄って欲しい」


太郎はサクラの顔を見て、

サクラが頷き、

「おじいちゃんの言う通りにしてから、

拠点に戻って来て」


太郎はバルを見てから、

「分かった、ではこれから行って来る」

飛び出そうとした太郎をサクラは止め、


「ちょっ、ちょっと待って、

今から行ったら暗い内に着いちゃうかもよ、

明るくなるまで待ってから門番に手紙を渡してね」


太郎は片膝をついて、

「御意、マスター、行って来る」


挨拶して太郎はジャンプして行ってしまった。

太郎のジャンプの高さに驚いていたバルだが、

「さすがに今日中には着かないだろ?」


サクラは腕を組んで、

「どうかな〜

ジャンプしながら休憩も無しで進めるからね、

距離どの位?」


「馬車で1週間くらいの距離だ」


「じゃあ着いちゃうかも」


バルは目を丸くして、

「それは…」そう呟いた後、

言葉が見つからない様で、

深いため息をついていた。


エイストは太郎のジャンプの高さに驚き、

何も言えないで立っていたが、

兵士が荷台を引いて戻って来ると、

正気に戻り、

「今町にある野菜を集めて来た、

役に立つといいが」


サクラは目を輝かせて荷台を覗く、

キャベツにレタス、ジャガイモ、キュウリなどの野菜があり、

目を疑う様な物まであった、


「これってサトウキビ?」

「そうだな、汁を搾り出して使う」


サクラはサトウキビを掲げ、

「よっしゃ〜スイーツが作れる〜」

と叫び周りの注目を浴びる、


そんな事にも気が付いてないサクラは、

荷台に戻り中を見ると、

ブドウの様な物とブルーベリーの様な物も見つける、

「こっこれはブドウとブルーベリー、

フッフッフ〜シャインマスカット〜アハハ〜」


テンションが変なサクラにエイストが、

「娘さん…大丈夫か?」


「大丈夫だよ、それより茶葉は無い?

後コーヒー豆」


エイストは荷台を覗いて、

「この袋に入っているのが茶葉だろ、

コーヒー豆は聞いた事はあるが、

この町には無いな」


サクラは言われた袋を覗いて匂いを嗅ぐと、

「おお、これは紅茶と同じ匂い、

コーヒー豆が無いのは残念だけど、

こんなにたくさんの種類を見る事が出来た、

拠点の野菜の種類が豊富になる〜」


そう言って両手を上げてクルクル回り、

手が光ったと思ったら、

サクラの手からシャインマスカットが出て来る、


サクラの怪しい動きを見ていた、

周りの人達はいきなり出て来た、

見た事も無い綺麗なブドウに目を奪われ、


惚けていたバルも、

「何をした?」と叫んで、


サクラは何を今更みたいな顔で、

「何をって、

今まで何度も太郎君召喚してたじゃん、

それと同じだよ…同じだと思う…どうだろう?

まあ、召喚したの、食べて見てよ、

アタシの国のブドウ!

これから拠点でどんどん作って行くから、

この町ににも配れるようになるよ〜」


サクラはいくつかシャインマスカットを召喚して、

兵士に一粒ずつ配って貰うと、

あまりの美味しさに周りでは騒ぎになる。


エイストは口の中でゆっくりと味わってから、

「何だこれは、ブドウとはこんなに美味しい物だったか?」


サクラは得意そうに、

「アタシの国ブドウ美味しいでしょ?

美味しい物を食べると、

幸せな気持ちになれる、

幸せな気持ちが周りの空気も変える、

そんな積み重ねが世の中も良くして行くと思うよ、

おじいちゃんも、おじさんも、

眉間に皺を作って無いで笑って行こう、

辛い時こそ笑うのだって、

アニメでグ◯が言ってた、アハハ」


バルとエイストはサクラの笑顔を見て、

全能神様との繋がりをちょっとだけ、

サクラに感じたのであった。













読んで頂きありがとうございました^_^

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