拠点を充実させたい オタク女子
今回は拠点でのちょっとした出来事です。
サクラは早朝にキッチンハウスのポーチで、
テーブルに顎を乗せて、
ボォ〜っと草原を見つめている、
飼育小屋の周辺は早朝にもかかわらず、
子供達が集まって楽しそうに家畜達と遊んでいる、
そんな風景を見ながら今日の予定を考える、
(昨日も良く働いたな〜、
家畜も充実したし、村人達の家も用意した。
キッチンハウスは、150人座れる席を作って、
キッチン食堂へと変化した、
後は野菜や油、調味料を探さないとな〜)
そんな事を考えながら、
料理太郎が用意した、
絞り立てリンゴジュースを飲んでると、
村人の住まいの方からポルンが走って来る、
ポルンは嬉しそうにサクラに手を振って、
「マスターさん、
昨日はお礼も言えないまま寝てしまって、
本当にごめんなさい」
サクラはテーブルに顎を乗せたまま、
片手を振ると、
「いいよ〜そんな気を使わなくって、
謝る必要なんてないさ〜」
気だるそうに返事をする、
そんな姿を見てポルンは、
「昨日あんなに働いていたから疲れちゃった?」
「いや、疲れては無いんだけど、
やる事色々考えるとさ、
何からやれば良いのか…」
ポルンは笑顔で、
「そうそう、
家にあった野菜保存袋持って来ました、
本当に食べれる様な状態じゃ無いんですけど」
サクラは目を輝かせて顔を上げる、
「ありがとう!
どんな状態でも関係無いよ見せて〜」
ポルンから袋を渡されて中身を覗くと、
「おおお〜これは、これは」
袋から取り出したのは小さい黒っぽいコーン、
「これはコーン!確かお茶とかも作れたよね、
やった〜後は何が…おお、これは…豆?」
サクラは袋から小さい粒を取り出して、
「やっぱ豆だ!やった〜」
サクラは飛び上がって喜ぶと、
また袋に顔を突っ込んで中身を覗く、
ほとんどゴミの様に見えたが、
袋の底から枝の様な物を取り出す、
「ポルンこれ何だろ?」
ポルンはマジマジとサクラの手元を見て、
「あっこれ麦ですよ」
その言葉にサクラは歓喜の声を上げる、
「やった〜〜!これでパン、うどん、パスタ、
飼育小屋の為に藁も作れる〜」
家畜と遊んで居た子供達が、
サクラの大声に気がついて、
何事かと走って来る。
「マスターどうしたの?」
「マスターなに?なに?」
子供達が嬉しそうに聞いて来た。
サクラは子供達の顔を見てニコニコ笑いながら、
「よくぞ聞いてくれた、子供らよ刮目するが良い」
そう宣言してから、
両手を合わせてブツブツ呟く、
「ゲーム仕様、北海道産、生でも食べれる、
めっちゃ甘い白いコーン」
サクラの手の中が光り出し、
手からはみ出して大きな白いコーンが出て来た。
サクラは、コーンの皮をむいて中身をみんなに見せると、
「わぁ〜真っ白だね」
「凄く綺麗だよ、そして美味しそう」
サクラはウンウンと頷きながら、
コーンを幾つかに切り分ける、
「これはね、生でも食べれる、
ちょっと食べてみてよ」
そう説明してみんなに配り、
「ええ〜このままでいいの?」
「マスターが言うなら大丈夫」
1人の子供がそう言って、
パクっと一口食べると、
目を見開いて、
「何これ、本当にコーンなの?」
その子の反応に周りのみんなも食べ始める、
サクラはそんな子供達を見ながら、
せっせとコーンや、豆、小麦などをたくさん召喚して、
農家太郎達に畑に植える様に指示を出す、
子供達と一緒にコーンを口にしたポルンも、
驚いていたが、
「マスターの居た世界の食べ物は、
こんなに美味しいの?」
サクラはポルンの顔を見ながら、
「いや、まだまだこれからだよ、
材料が揃えばもっと美味しい物が作れる、
ここに大豆を召喚したけど、
この豆は色々な姿に変えられて、
美味しい食材になる、
ポルンも楽しみにしてて」
そんな話をしていたら、
料理太郎がサクラの後ろから声をかけて来て、
「マスター、お願いがある」
「お願いって何?」
「マスターのスキル見たい、
いや違う、
スキルいつでも見れる様にして欲しい」
サクラは振り返り、
不思議そうな顔で料理太郎に、
「スキル?」
料理太郎は頷き、
「確かママさんの閲覧履歴があったって聞いた、
ママさんの閲覧履歴から色々作りたい」
サクラは驚いた顔で、
「閲覧履歴から何か出来るの?」
料理太郎は頷き、
「ずっと見てた、料理覚えてる」
「マジか?」
「マジ」
サクラは首を傾げながら、
デッサン人形太郎を何処に飾っていたかを思い出す。
「太郎君達って、
色々な所に飾ってたよね、
確かキッチンやPCの所にも、
それで覚えてるの?」
「覚えてる、でもたくさんありすぎて、
思い出す為に閲覧履歴見たい」
サクラはすくっと立ち上がり、
鑑定魔法で自分のスキルを出すと、
ポルンや子供達が初めて見るスキル表を目を輝かせて眺める、
子供が不思議そうに、
「これって何?
マスターのスキルってやつ?」
「そうそう、
スキルって言うか…これじゃ巻き物だよ、
これ見て料理太郎君達が美味しい物作ってくれる」
子供達は大喜びで飛び跳ねていた。
料理太郎はスキル表を、
いそいそとキッチンの方へ、
持って行ってしまった、
「それ動かせたんだ…」
ポルンはサクラのスキルの多さに、
びっくりして一時停止状態だったが、
そんな事にも気が付かず、
せっせと豆と小麦とコーンを何種類か召喚していると、
採掘太郎達が、
「マスター行って来る」
そう言って通り過ぎて行こうとした。
サクラは「行ってら〜」と言いながら、
採掘太郎達を見て、
「採掘太郎君、
採掘した物ってどうしてるの?」
採掘太郎達は振り返り、
「アイテムボックスに入れている」
「アイテムボックス?」
「マスターと一緒に行った時、
マスターが開けてくれた」
サクラは思い出した、
採掘場に初めて行った時、
アイテムボックスの入り口を出した事を…
「あれって…出しっ放しでも大丈夫そう?」
「帰る時に、
アイテムボックスの入り口を壁に向けると、
何も入れない」
「え?まじ?」
「マジ、じゃあマスター行って来る」
「おっおう、お昼には帰って来なね」
採掘太郎達は頷いてから走って行ってしまう、
(太郎君達ってアタシより優秀じゃ無い?
さすが太郎君)
そんなやり取りを見てたポルンが、
正気を取り戻し、
「太郎君達は何を取りに行ってるんですか?」
「色々な鉱石と岩塩だよ」
「鉱石と岩塩って出す事は出来ないのですか?」
サクラは空を見上げて、
「そうなんだよね〜出せないんだ、
理由も分からないんだよ」
ポルンも首を傾げながら、
「こんなに何でも出せるのに、
面白いですね」
そんなやり取りをしてると、
ノルとエバンがやって来て、
「マスターおはよ〜、
ポルンも早いな、
それよりポルン…1人でマスターの所に来たのか?」
エバンがポルンの顔を見つめながら聞いて来た。
ポルンは少し頬を膨らませて、
「エバン、私を子供扱いしないで、
マスターに昨日のお礼を言いに来たの」
「そうか、そうか、
ポルンもマスターに慣れたんだな、
マスターさんだったのがマスターになってる」
ポルンは「はっ」として顔を赤くしていた、
そんなポルンを見てサクラが、
「さんって付いて無い方がいいよ、
仲良しって感じするから」
サクラの言葉にポルンは嬉しそうに笑った。
「それよりエバンは何でポルンを子供扱い?
同じ歳って言ってなかった?」
それにはノルが答える、
「エバン、あまりポルンをからかうなよ、
ポルンは人見知りが激しくて、
初対面の人とはあまり話せないんだ」
「へ〜アタシと一緒だ」
サクラがそう答えると、
どう突っ込んで良いか分からない3人は、
強張った顔で笑う、
「何その顔?
女子は人見知り位がちょうど良いんだよ、
変な男に絡まれても逃げるから」
「なるほど」とノルが答えていたが、
サクラの人見知り発言に、
反論したい気持ちを抑えている、
サクラは3人の顔を見つめて、
「ノル達の娯楽って何がある?」
「娯楽?何でそんな事聞くんですか?」
「昨日から子供達見ても、
ノル達見ても何かで遊んでる様に見えなかったから、
娯楽が無いのかと思って、
聞いた話では、
人同士も争ってるらしいから、
人間暇だと喧嘩するかな?って、
ちょっと思っただけさ、
それで、娯楽はないの?」
「特に無いかな?
子供の頃は木登りしたり、
石投げとかしてたか?
ポルンはどうだった?」
「お父さんが作ってくれた、
木の人形とかで遊んでたかな?」
サクラは「ふ〜ん」て言って、
「じゃあ、勉強はどうしてたのさ?
文字とかは読み書き出来るんでしょ?
計算は?」
エバンが腕組みしながら、
「文字とか計算は50過ぎると大人が教えてくれてたよ、
後は家の手伝いとか、畑の手伝い、
水汲みとかも行って、
ああ、弓とか魔法で狩の練習してたよな、
マスターはどうだったんだよ」
「アタシはゲームざんまいだったよ、
外で遊ぶには道具を使ってた」
ポルンが「ゲームですか?」
「ま〜ゲームって言ってもテレビゲーム、
あっボードゲームもやったか、
この世界には無い物だから、
でもさ、ノル達の村でも、
本読んだり、歌とかダンスは、
あるんじゃ無いの?」
3人は声を揃えて、
「歌とダンス?」
ノルが「本は高いから村には無かったよ、
歌とダンスも知らない」
サクラは「えっ?無いの?マジか…」と呟いてから、
顎を指で触りながら、
何かを考えていたが、「そうか」と一言発して、
テーブルの上の物をどかして、
スペースを作ると、
そこに手をかざして、
「15センチの太郎君10人出て来い」
次の瞬間、
北欧の民族衣装みたいな服を着た、
男子5人女子5人が出て来た、
勿論太郎達は性別は無いので、
衣装だけの女子である、
3人はビックリして、
「何だよいきなり太郎出して、
太郎って女の子も居たのかよ?」
エバンが女子太郎を見て驚いてた。
「太郎君達に性別は無いよ、
衣装だけ女子、
では、ダンスとは何かお見せしましょう」
実はサクラはアイドルとかの、
ダンスには全然興味が無かったので詳しく無い、
覚えているダンスは、
小さい頃母親が、
「昔は小学校でフォークダンスってのを、
運動会で踊ってたんだって」
そう言ってネットで調べて一緒に見たダンスが、
凄く印象的だったので覚えていたのだ。
そこでチビ太郎君達にそのダンスを踊らせると、
ノル達は初めてのダンスに目を輝かせていた、
そんな騒ぎに子供達も戻って来て、
「わ〜可愛い」
「これ何やってるの?」
「ダンスだよ、音楽が無いと良く分からないか…」
そこにチビ太郎が、
「マスター小さいピアノ出して、
私達ピアノ弾けるから」
その場が一瞬凍り付いたが、
「ま…そうだよね…
大きな太郎君達も話が出来るんだから、
チビ太郎君でも話せるの当たり前だよね、
ピアノか?作れるかな?」
「マスターなら作れる、
すぐ辞めちゃったけど、ピアノやってた」
「すぐって…3年はやってたさ〜」
サクラは冷や汗をかきながら言い訳をする。
「じゃあ頑張って作ってみるよ、
ピアノ弾く太郎君も必要だよね、
よし、頑張るぞ〜」
サクラは古い記憶の中からピアノを思い浮かべる、
(そうピアノの先生の所にあったグランドピアノ、
弾くより、中身が気になって、
中ばっかり覗いてたら怒られたっけ…)
黒歴史を思い出しつつ、
(あ〜あの漫画面白かったな、
音大に行ったピアノが上手い変な女子のお話)
そんな事を考えていると、
15センチ太郎に合わせた、
小さいピアノと太郎君が出て来た。
それはそれは素敵なグランドピアノだった。
「何これ?何でこんなに上手く作れたの?」
サクラは首を傾げながらピアノを見ていた、
(なんか、アニメとかゲームが関わると、
ちゃんとした物が出る様な気がする…)
「何、この黒いやつ」
「これがピアノってやつ?」
そんな騒ぎはお構いなしに、
チビ太郎がフォークダンスの曲をピアノで弾き始めると、
チビ太郎達も合わせて踊り出す。
その曲とダンスの姿にみんな声も出さずに見とれていた。
他の村人達も集まって来て、
チビ太郎君達のダンスを見てる、
一曲終わった所で、サクラが、
「じゃあ今度は歌ね、何が良いかな?」
「マスターが学校の合唱コンで歌ってた、
翼◯くださいはどうですか?」
「太郎君…そんな事まで知ってたのか、
ま〜家でも歌ってたから、
合唱出来るの?」
「マスターの動画見てた」
「あ〜そうだったね〜
じゃあそれでお願いします」
踊っていたチビ太郎達が、
綺麗に並んでピアノに合わせて歌を歌い始める、
小学校の頃、誰でも歌った経験のある歌、
歌詞が心に響いたのか、
村人は涙を流していた、
辛かった毎日から飛んで逃げて行きたかったのかな?
なんて考えながら村人を見ていたサクラ、
次にチビ太郎が、「こんなのもある」って言い出して、
凄く流行っている、
たくさんのアイドルが歌って踊る有名な曲をやり始めた。
サクラは驚いて、
「おい、おい、そんな動画見た事無いぞ」
そう声を掛けると、
ピアノを弾いてるチビ太郎が、
「オヤジが良く見てた」
「オヤジ…こんな趣味があったのか…、
まさか、アニキが見てた動画も見て無いでしょうね?」
「アニキはあそこのPCは使わない」
ピアノを弾いてる太郎の返事に、
ほっと胸をなぜ下すと、
料理太郎が声をかけて来た。
「お前達、朝ご飯が出来たぞ食べに来い、
マスターはここに用意する」
そう言ってせっせと朝食の準備を始める太郎、
村人達はチビ太郎達をもっと見ていたかったのか、
後ろ髪引かれる様な顔をしながら、
食堂の方へ向かう、
子供達とノル達3人は残って、
「マスター、もっと見ていたいよ」
「小さい太郎達はずっといる?」
などと言って来たので、
「子供は体も動かさないとダメだよ、
お手伝いの合間に遊べる物あげるから、
ご飯食べて来な」
サクラがそう言って、
手のひらを上に向けると、
手のひらが光り中から、
バスケットボール位のゴムボールが出て来た。
「これをみんなにあげるから」
そう言いなが人数分出して渡すと、
「これ何するやつ?」
「そうか見た事無いんだもんね、
じゃあチビ太郎達に教えてもらおう」
サクラはチビ太郎サイズのボールを出して、
チビ太郎に渡すと、
チビ太郎達はボールをドリブルしたり、
パスをしたりして見せた、
子供達は真似してドリブルしてみるが、
上手く出来ない、
それでも楽しそうに遊んでいる、
そんな姿を見てエバンが、
「マスター、俺もあれ欲しいなぁ〜」
そんな事言ってサクラを見つめる、
「ちゃんと親の手伝いしろよ」
そう言いながら、バスケットボールを出す。
「それは大人用だから、
バスケットボールって言うスポーツ用だ」
同じ様にチビ太郎にバスケットボールと、
バスケットゴールを出すと、
軽快にドリブルしながら、
シュートを決める、
その光景にノルや子供達も大喜びで、
チビ太郎達に拍手を送ってた。
横で料理太郎がずっと見ていたが、
サクラに早く朝食を食べさせたくて、
「お前達、早く朝食を食べに行け」
料理太郎に言われて、
慌てて食堂に向かうノル達と子供達、
走りながらノルが、
「マスター、俺もボール欲しい、
後さっきの網がついたやつも欲しい」
ノルらしく無いお願いに、
サクラは笑って「オッケー」と返事をする、
みんなが居なくなって、
周りが静まり返り、
食堂の方では賑やかな声が聞こえて来る、
「あれ?アタシ…ボッチじゃん」
「マスター、私がいる、
早く食べて、コーンも添えてある」
サクラは皿の上のベーコンとコーンと、
綺麗に切られたリンゴを見て、
「料理太郎君凄いね」
料理太郎はサクラの言葉に、
「マスター、まだまだです、
大豆手に入ったから、醤油作る、
ミルクでバターも作る、
マスターの好きな、バター醤油コーン作る」
サクラは料理太郎を見上げて、
「料理太郎君ありがとう、
アタシ幸せだよ」
その場がホッコリすると、
フィーが騒ぎながら飛んで来た。
「何があったの?みんな騒いでたよね〜
あ〜何この太郎達、私と同じ大きさ」
フィーはチビ太郎を見て大興奮だった。
サクラはベーコンをかじりながら、
「フィー、抱っこしてるの気がついてる?」
フィーはサクラに言われて、
自分が抱いているヒヨコに気付くと、
「あ〜抱っこして寝てたから、
そのまま来ちゃった〜も〜抱き心地良すぎて」
そう言いながヒヨコに顔をスリスリするフィー、
ヒヨコは何の抵抗もしないで、
なすがままになってる、
「ちょっとそのピヨちゃん大丈夫?」
「大丈夫だよ」そう言ってフィーがそっと置くと、
ピヨピヨと鳴きながらサクラの皿に近付いて、
コーンを突きながら、
「マスター、これ食べていい?」
ピヨちゃんがサクラに可愛い声を掛けて来た。
サクラは初めてヒヨコの声を聞き、
幸福度MAXになり、
「ピッピヨちゃんが喋った〜
知ってたけど…マジ爆上がり〜
たっ食べていいよ〜」
そう言いながら震える手でコーンを数粒取ってあげる、
それを見てた料理太郎が、
「マスターもちゃんと食べて」
「あっそうだったね、
ちゃんと頂くよ〜」
ピヨちゃんと太郎達に囲まれてデレデレしていると、
「サクラ、私も食べたい」
フィーに言われてフィーのテーブルセットも出し、
料理を分け合って一緒に食べる、
チビ太郎達は食事に合うBGMを歌ってくれて。
サクラに取って至福の時を過ごすのであった。
読んで頂きありがとうございました^_^




