意外と気が利く オタク女子
忙しく動き回るサクラ、
そんな中ノル達に新たな発見が…
草原では日が沈み、
だんだんと暗くなって来て、
サクラはあっちこっちに、
たいまつを立てて回った、
サクラは口は悪いが、
気が利く女子だったのだ、
ノア達や星神達が、
肉を食べながら楽しそうに話をしている、
そんな中、太郎君と一緒に、
ノル達の為に温泉を移動して、
男女2つの風呂を作り、
受付も作って、
受付ではタオルとジンベイを提供出来る様にし、
小さいスーパー銭湯のようにした、
「ノル達はお風呂入った事が無いみたいだから、
太郎君が教えてあげてね、
でも石鹸とか無いんだ、
まだまだやる事いっぱいだよ
そう言えば、
子供の頃良く太郎君と一緒にお風呂入ったね」
太郎君は頷いて、
「お風呂入った、
濡れてちょっとカビも出来た」
「そんな事もあったね、
ちゃんとタオルで拭かなかったからね、
良い思い出だ」
銭湯を眺めながらそんな会話をした後、
山の中央に向かって行き、
「ブーちゃんとピーちゃんとピヨちゃんの、
寝床を作らなきゃ、
冬が来たら寒いだろうから、
ちゃんとしたやつ作らないと、
う〜ん、鶏小屋?
どんなの作れば良いか分からん」
「マスターが、作れば、みんな喜ぶ」
「太郎君、嬉しい事言ってくれるね、
まっ、取り敢えず作ってみるか」
サクラは、
ログハウスをイメージしながら、
ニワトリ用とブタ用に
2軒の小屋を作った。
「ハハハ、絵は上手い方だと思ってたけど、
魔法になると、何でダサくなるんだろう?」
出来上がった小屋は、
前に作った大きい犬小屋より小さい、
一階建て位の高さの犬小屋だった、
違いは両開きの扉が付いているだけ、
「藁を敷きたいけど…
あれって麦とか使うよね、
どうするかな〜」
「フカフカシート」
「えっ?フカフカシート?それで良いのか?」
「あったかい」
「まっま〜そうだけれども、
取り敢えず敷いとくか、
無いより良いもんね」
サクラは小さいフカフカシートを、
家畜の数の敷いて、
周りをキョロキョロしながら、
ニワトリ達を見つけると、
「ブーちゃんピーちゃん、ピヨちゃん、
こっちおいでぇ〜」
そう叫ぶと凄い勢いで、
ブーちゃん達が走って来る、
それを眺めながら、
「あれ?ブタとかニワトリって、
あんなに足速いの?」
そんな事を考えている内に、
ブーちゃんちゃん達が集まり、
小屋の説明をすると、
いそいそと小屋の中に入って、
小屋の中を歩き回りチェックを始める、
「小屋の中に灯りが欲しいけど、
火は危ないからな、
後さ、ここら辺ってイノシシみたいのいるのか?
夜に襲われたりしないか心配だな」
そんな事をブツブツ言ってると、
急に後ろから声がする、
「そんな者は来ない、我らがいるから」
驚いて振り返るとルーアがいた。
「何だルーアか、ビックリしたよ、
ルーア達が居ると家畜襲う動物は来ないの?」
「来ない、逆に我らに襲われるからな」
「へ〜ルーア達に食べられちゃうんだ」
「食べない追い払うだけ、
食べるのはモンスターだけ」
「なんで?」
「我らホーリーウルフは森の番人、
動物は食べない、
森を乱す奴は食べる、モンスターだけだ」
サクラは腕を組んで何かを考えて、
「そう言えば…
モンスターには魂が無いって言ってたじゃん
どうゆう意味?」
ルーアは伏せの状態になりニワトリを眺めながら
「魂が無いのは、母親から産まれてない、
モンスターは、
空気中の負のエネルギーが溜まって生まれる、
見方によっては、大地を綺麗にしてくれてる」
サクラは驚いた顔になり、
「それって形が違う浄化って事?」
「そうゆう事だな、
だから、モンスターが大きくなるって事は、
大地に住む者達の負のエネルギーが増えたって事だ、
我らでも倒せ無くなって来て、
モンスターを食べる事が出来なくなり、
モンスターを倒すのに仲間を失った、
我も怒りに囚われていたから、
モンスターの巨大化に手を貸してた事になる、
マスターに言われて、
怒りに囚われていた事に気付いた、
マスターありがとう」
サクラは何とも言えない顔になり、
「お礼を言ってもらえる様な事はしてないよ…
でもこれからは一緒にいい場所にして行こう、
当分はルーア達の食料は確保するからさ、
ルーア達が倒せる位のサイズになるまで、
モンスターを倒そうなんて思っちゃダメだよ、
無茶は禁物だからね、
所でさルーア達はどのくらいの量食べるの?
今日のギガントボアくらい?」
ルーアは立ち上がり、
サクラの頭に頬擦りすると、
「あれの半分位で1日分だろうか、
今は仲間も25まで減ってしまった、
そんな量も必要無くなった」
そんな事を話すルーアが、
何か寂しそうに見えた。
「そうだ、
このニワトリ達はお肉を落としてくれるんだよ、
今日はまだもらって無いから、
ちょっと待ってて」
サクラはオスのニワトリに近付いて、
「ね〜お休みの所申し訳ないんだけど、
今日の分のお肉頂戴」
何故か媚びる様なお願いをするサクラ、
寝ていたニワトリが一羽起き上がり、
ピョンピョン飛びながらクルリと回った、
ドサっと落ちた葉っぱに包まれたお肉を見ると、
鳥もも肉が何と1キロ位入っていた、
「いや〜これ変でしょ、
ニワトリの体重考えたら多く無い?
まっ多い分にはいいか、
これ地球の鶏肉食べてみてよ」
ルーアにモモ肉を差し出すと、
ルーアの後ろの方から子供ウルフ2匹が走って来て、
「ボス、何してる?」
そう言いながら、ルーアの周りを走り回っていたが、
サクラが持ってる肉を見つけて、
「それ何?」と言いながら肉の匂いを嗅ぐ、
サクラがニヤニヤしながら、
「え〜子供ウルフも喋るんだ〜」
子供と言っても、
地球の大型犬と同じ位の大きさだが、
動きは子犬そのもので、とても可愛い、
「これは地球の鶏肉だよ」
「へ〜嗅いだ事無い匂いだ、食べていい?」
上目遣いで見られたサクラは、
鼻の下を伸ばして、締まりの無い顔になって、
「食べていいけど、
ルーアに聞いてみないとね、
ルーア食べさせていい?」
ルーアは威厳のある目を子ウルフに向けて、
「1つだけだぞ」と言うと。
子ウルフ達は喜んでサクラから肉をもらって食べる、
食べながら目をまんまるにして、
「何これ、凄く美味しい」
「何だと、そんなにか?」
ルーアは子ウルフの感想を聞いて、
サクラの手元を物欲しそうに見る、
サクラは笑いながら、
「大丈夫、これはルーアの分だよ」
そう言いながらルーアの口に肉を持って行くと、
ルーアは大きな口で食べ始めて、
ゆっくりと味わっていた。
「マスター何だこれ、凄く美味い、
地球の肉ってこんなに美味いのか?
サクラ、この肉を他の皆にも食べさせたい、
もう無いのか?」
サクラはルーアの顔をニコニコ顔で見ていたが、
ルーアの肉の催促に顔が固まり、
そのままの状態でニワトリ達を見ると、
ニワトリ達はスヤスヤと寝ている、
「ちょっと待ってて」と言いながら、
凄く腰を低くして、
手を合わせてモミモミしながら、
ニワトリに近付き、
「あの〜お休みの所大変申し訳無い、
今日の分の肉を、落とされて無い方、
本当に申し訳無いのですが、
肉を落として下さりませんか?」
そんなサクラを薄目で見ていたニワトリ達は、
ゆっくりと立ち上がり、
肉を落としてくれた。
その肉を腰を丸めたサクラが、
「すいません」と言いながら拾い集めてる、
それを見てた子ウルフは面白がっていたが、
ルーアは、
「何故そんなにへりくだる?」と疑問を口にすると。
太郎君がニッコリ笑って、
「マスター、いつも動物の下僕になる、
マスターが飼ってた犬のイチロウにも、
何か頼む時、敬語だった、
だからイチロウになめられてた、クスッ、
マスター、人間に厳しく、動物に甘い、
だけど動物に、好かれる、
私も、マスター、大好き」
太郎の話を呆れた顔で見たルーアは、
「犬種は完全な縦社会だからな、
舐められるだろう」
「マスター、いつも言ってる、
動物の下僕最高って、フフフ」
その時、
手にいっぱいの肉を抱えてサクラが戻って来て、
「ルーア、もらえるだけもらって来たよ、
何処に持って行けばいい?」
ルーアは苦笑いをしながら、
「じゃっじゃあ小屋の方に持って行ってもらおうか?
太郎が運べ、マスターありがとう」
太郎はサクラから肉を受け取ると、
犬小屋の方に歩き出す。
サクラもニコニコしながら、
太郎の後をついて行くが、
ルーアが、
「マスターおまえ、もっとリーダーらしくだな…」
「へっ?」と言いながら振り向いたサクラの顔が、
あまりにも幸せそうなアホずらだったので、
ルーアはそれ以上何も言えなくなった。
その時、別の太郎に案内されながら、
ノル達がやって来る、
サクラに気が付いたエバンが片手を上げながら、
「マスター、お肉ありがとう、
久しぶりにお腹いっぱいになった。」
他のみんなも嬉しそうに手を振ってる、
サクラも答えて、
「良かったよ、
明日は村に帰るじゃん、
またリヤカー車に乗るからさ、
空きっ腹じゃ厳しいだろうから、
朝も何かお腹に入れようね」
リヤカー車の話にノル達の顔が強張り、
ノルが言いにくそうに、
「あの〜歩きでも帰れますよ」
サクラは突然厳しい顔になって、
ノルを指差して、
「何を言ってるノル、
歩きでどんだけ時間がかかるか、
リヤカー車に乗ってけば、
30分で着くんだからね、
早くみんなに肉を食べさせたく無いのか?
早くお母さんの状態を診て欲しく無いのか?
リヤカー車で行く事は決定です」
そんなサクラを後ろで見ていたルーアが、
「本当に人間には厳しいんだな…クッ」
サクラのニワトリと人間との態度の違いに、
思わず笑ってしまう。
ノル達はサクラの決定に何も言えなくなっていた、
その時案内してた太郎が、
「風呂はそこだ、早く行くぞ」
そう言いながら歩き出した、
「ちょっと待って、お風呂行くの?
石鹸無いからさ、
お湯につかるだけじゃ綺麗になれない、
だから浄化魔法で綺麗にするね」
そう説明しながらサクラは、
順番に1人ずつ浄化魔法をかけていく、
その瞬間、順番に光だし、
汚れてた体も服も綺麗になる、
ハンターシェルパが驚いて、
「うぉおおおお〜何だ今の?」
「ただの浄化魔法だよ、
おじいちゃんが浄化魔法で、
体も服も綺麗になるって言ってたから、
本当はさ石鹸やボディソープ使って体は洗うんだけどね、
まだ無いから、取り敢えず温泉に浸かってよ、
ポルンちゃんは案内アタシがいい?
太郎君で大丈夫?」
突然話を振られたポルンは、
「へっ?」って言って何か考えて、
「いや、太郎君で大丈夫です」
実はポルンは人見知りが激しく、
初対面の人と話すのが苦手だった。
そんなポルンは、
何故か人形の太郎君には普通に話が出来るのだ。
そんなポルンだが、
どうしてもサクラに聞きたい事があった。
「あの…マスターさん、
私達全員に、汚れを取る為だけに、
浄化魔法使うなんて、
勿体無いと思わないのですか?」
「うん?勿体無いとは?」
サクラにじっと見つめられて、
人見知りのポルンは、
ちょっと照れた様にサクラを見て、
「えっと…私は浄化魔法を見た事無かったし、
私達の村でも使える人はいません、
話でしか聞いた事無いのですが…
凄い魔力を使うって言われてます」
サクラはウンウンと頷きながら、
「ごめんね、
アタシも魔法の事良く分からないんだ、
使えない星神達に聞いてもグダグダだし、
魔力が減ってる感じもしないから、
勿体無いとは思わないよ、
ポルンは何か魔法使えるの?」
ポルンはちょっと赤くなって、
「治癒魔法が使えます」
「おお〜それは村人さん達も助かるね」
サクラの言葉に、暗い顔になったポルン、
そんなポルンの様子にエバンが、
「ポルン、俺達は助かってるんだぜ、
そう暗い顔するなよ」
サクラはエバンがポルンを励ます姿を見て、
「あれ?アタシ悪い事言っちゃったの?
そうだったらポルンちゃんごめんね」
ポルンは顔を上げて、
「いえいえ、マスターさんは全然悪く無いです、
ただ自分の力がもっとあれば、
あの時、村のみんなの怪我も、
お父さんの足も治せた…」
ノルがポルンに、
「ポルン、お前が居なかったら、
村人の死者はもっと増えてた、
そんなに気を落とすなよ…」
ポルンはただ俯いて何も言わなくなって、
誰もポルンに声を掛けれなくなった、
空気が重くなる、
サクラは地雷を踏んでしまったと反省しつつ、
この空気をどうすれば変えられるのか思案し、
太郎の顔を見ると、
何も言って無いのに太郎が頷いている、
(何だ?何で太郎君は頷いた?)
次の瞬間、
「みんな風呂に入れ、
温泉に浸かれば、疲れが取れる、
お肌すべすべだ」
そう言いながらノルとエバンの手を掴み、
銭湯に引きずって行く、
ルーアの小屋に肉を届けてに行ってた太郎が、
凄い速さで戻って来たと思ったら、
ポルンを担いで女湯の方に入って行った。
残されたハンター2人は唖然としてたが、
サクラに向かって、
「じゃっじゃあ、俺らも行って来るは、
お肌すべすべに」
そう言いながら、顔は苦笑いで、
男湯に入って行く。
「その光景を唖然として見ていたが…
なっなんで?何が起きた?
太郎君達、何でアタシが困ってたの気が付いた?
あっ念話?アタシの考え丸見え?
アタシの意思ガン無視で、太郎君達に見えてる?」
ブツブツ呟いていたら、
何か視線を感じ、
鳥小屋に目を向けると、
ブタとニワトリが全員小屋から顔を出して見ている、
暗くて良く分からなかったが…
ニワトリ達が笑っている様に見えた、
サクラは「フッ」と鼻で笑って、
「アタシ疲れてるんだ…きっと」
気持ちの切り替えの早いサクラは、
次の目的に向かって歩いて行く。
一方ノル達は、
初めての温泉に浸かり、
「何だこれ、めっちゃ気持ちいいな、
太郎が言ってたが、
風呂で温まった後はよく眠れるらしい」
エバンが興奮気味に話す、
ノルは気持ち良さが振り切って、
思考停止状態で湯に浸かっていた、
そんな2人とは逆に、
青い顔をしてるハンターシェルパとジル、
そんな2人の姿にノルが、
「ジルさん達どうしたんですか?
熱いの苦手ですか?」
声をかけられて「ビクッ」とした2人は、
「いやちょっと、後でみんな揃ったら話す」
ミニ銭湯は受付の前が男女共に寛げる様になっていて、
受付には3メートル太郎君が座っている、
太郎君から貰ったジンベイを来て水を飲んでいると、
女湯の方からポルンが現れた。
気持ち良かったのか、
顔を赤くして表情も柔らかくなっていたので、
男子は全員「ホッ」としていた。
エバンがジル達に、
「後で話すって言ってたじゃないっすか、
何の話っすか?」
ジルとシェルパはお互い顔を見合わせて頷くと、
「風呂って初めて入っただろ?
こんな風にお互いの裸っていつもは見ないわけだ、
自分の裸もマジマジみる機会も無い、
それで最初に気が付いたのが、
俺の水虫だ、
ブーツ履きっぱなしだからなかなか治らなかったんだ、
それがよ…綺麗に治ってたんだよ」
最初は水虫の話かと若者達は嫌な顔をしてたが、
綺麗に治ったって聞いてから、
食い入る様に聞き耳を立てる。
「水虫が酷くなって、
タタン様が治癒魔法が使えるから、
相談したんだけど、
治癒魔法じゃ治せないと、
治癒魔法は傷しか治せないって、
だいたい魔法では治せないだろうとも言ってた。
それをシェルパに話したら…シェルパ自分で話せよ」
シェルパは頷き、
「いや、ハンターって怪我する事が多いだろ、
だから誰にも言って無かったんだけどよ、
俺、モンスターと戦った時足噛まれて、
足の小指が切れちゃったんだよ、
傷は治せるけど、指は付けられ無い、
そうタタン様に言われたんだけど、
それがマスターの浄化魔法の後で小指が生えてた…
他の切り傷の痕もジルと俺は全部無くなってた、
それこそ、太郎が言ってたお肌がすべすべになったわ、
ハハハハ〜」
シェルパは乾いた笑いをした後、
「理屈は分からない、
ポルンのオヤジさんの足も戻るかもしれない、
ノルのおふくろさんの事も期待して良いと俺は思うぞ、
だって指がはえたんだぞ」
ジルとシェルパの話をまるで神話の話を聞かされた様で、
本当にそんな事がありうるのか…
信じて駄目だった時の落胆を考えると、
手放しで喜んでいいものか悩んでしまうノル、
その時、場の空気を変える様に太郎が声をかける、
「そこに布団が用意して有る、
マスターの前の世界の寝具だ、
明日になれば全てが分かる、
だから、もう寝ろ」
ノル達は太郎を見て、
「はい」と返事をするのだった。
サクラはまだダラダラと話をしている、
星神達の所に行って、
気だるそうにサクラが、
「は〜い、鉱物のピエールさん、
これから採掘場に行きますよ〜
案内お願いします〜」
ピエールは驚いて、
「は?今から?
そんなの嫌に決まってるでしょ」
「おや〜星神が言ってたよね、
みんなはアタシの家族なんでしょ?
何でも協力するって言ってたじゃん!
大人は嘘つきだなぁ〜」
星神は顔を青くして、
「ピエール行ってあげてください、
お願いします」
ピエールは困った様に、
「でも星神様、
こんな暗闇の中、採掘場なんて私怖い」
サクラはフンッと鼻を鳴らして、
「もう丁寧にお願いしない、普通に話すけど、
暗闇が怖い?
何ボケた事言ってるの?
採掘場なんて洞窟なんだから、
いつ行っても暗闇なんだよ、
命を助けろって言ってる割には、
何もして無いじゃん、
皆さんのお願いの為にも必要な物がまだまだ有るの、
岩塩を自分で取って来いって言ってたよねピエール!
だから取りに行くんだよ。
それと海のひと〜何処だ?」
ムッキムキの体をした中年男性が手を挙げて、
「俺の名はメールだ、用件は何だ?」
サクラはメールを見て、
「海水を水の魔法みたいに出したいんだけど、
何かいい方法は無い?
もしくは、
あそこの湖位の大きさの海を作りたい、
できるだろうか?」
メールは目を見開いて、
「サクラお前、何言ってるか分かってんの?
そんな事聞いた事無いぞ、
そんな物作って何するんだ?」
「はぁ〜いいですか?みなさん、
生き物には生きる為に塩が必要です。
魔法で水が出るなら、
塩水もいけるじゃねって思ったんだけど、
何の為かって塩田を作る為ですよ、
塩田とは、ま〜塩を作る畑だと思ってくれればいいや」
「海に海水を取りに行けばいいだろ」
サクラはメールに近づいて、
顔がぶつかるくらい顔を近付けると、
「もう一度よ〜く考えて意見を言ってみろ!」
「は〜?俺間違った事言ったか?」
「この山って大陸の中心って言ってたよね?
海から1番遠い場所なのでは?
それともメールさんが、
海水を取りに行ってくれるのでしょうか?」
「あっ…でもそんなに量必要なのか?」
「それは、
この星を管理されてる精霊王様達が、
よくご存知なのでは?」
サクラの嫌味に何も言えなくなり、
サクラはため息をつくと、
「取り敢えず塩を作るのは必須、
どれだけの人が飢えてるか全然分からないんだから、
何かで海水を持って来る、
もしくは水魔法の様に海水を出す、
なんか考えて欲しい」
星神が手を挙げる、
「はい、星神さん」とサクラが答えると、
「誰か海に住んでいる方に頼むってどうですか?」
「多分作ってる人いると思うよ、
でも、人が争ってるって言ってたじゃん、
争いの中、食料不足って事は塩も無いかも、
そんな時にタダで頂戴って言って、
はい、どうぞってくれる訳無いでしょ、
お金って概念はこの世界ではどうなってるの?
多分買う事になると、金稼ぎもしなきゃならない、
それ全部アタシがやるには時間がかかるよ、
人助けしてられないよ」
世間知らずの精霊王達は益々何も言えなくなる、
実はサクラには海水が欲しい理由が、
もうひとつあった。
そう海の動物もこの草原に住まわせる事、
勿論、人の為の塩田作りも本音、
「って言う事でピエール、
採掘場に行きますよ〜
何か欲しい石があったら取ってあげるし、
早くステンレスも作りたいから」
ピエールが興味が出たのか、
「ステンレスって何?」
「鉄とクロム鋼ってのを混ぜると出来るやつ、
包丁とかもそれで作った方が錆びなくて便利なの、
錬金術で作れると思うんだ、
だから行くよ」
ピエールは鉱物の精霊王、
ステンレスに興味が湧き行く気になったらしい、
嬉しそうに着いて来る、
他に3メートル太郎君を2人呼び出し、
採掘場に向かった。
ピエールはさすが精霊王だけあって、
移動は速かった、
走る様に飛んで行く、
サクラと太郎達も負けてはいない、
その速さに着いていき、
1時間程移動した場所に採掘場があった。
「結構近かったね、
ダンジョンはこの先?」
「ダンジョンは今の倍位の距離かしら、
それよりも暗すぎよ、早く光石見つけましょ」
「光石?」
「そう、光る石、
住人達もみんな使ってるわよ、便利だからね」
「なるほど、じゃあ見つけるまでは、
たいまつで行きましょうかね」
サクラは2本のたいまつを作ると、
太郎君達に持たせて採掘場に入って行く、
入って直ぐに洞窟いっぱいに、
たくさんの鉱石が、
取って下さいと言わんばかりに顔を出していた。
それを見たピエールは、
「何よこれ、こんな鉱石の出方ある?
それも貴重な石ばかりだわ」
「そうなんだ、
まっ時間も無いから、
太郎君達石取れる?」
サクラの問いに答える様に、
鉱石をもぎ取る太郎、
鉱石を果物をもぎ取る様に簡単に取れた、
「おお、取れたね、
どんどん取って行って、
取った物はアイテムボックスに入れてね」
サクラはアイテムボックスの入り口を出して、
太郎君達に入れる様に指示してるサクラを見て、
「ちょっと、何を普通に採掘始めてるのよ、
この状況はおかしいでしょ、
あんた達もおかしいけど」
「この状況って言われても、
初めて採掘場に入ったから分からないよ」
「まず入って直ぐに鉱石なんて無いのよ」
「ま〜ま〜、ラッキーって事で、
どんどん取って行くよ〜、
いちいち鑑定なんかしてられないからね」
サクラと太郎達はバキバキと鉱石をもぎ取って行き、
500メートル程進んだ時、
奥の方が明るくなる、
それに気付いたピエールが、
「光石よ、
あそこが明るい、光石がきっと有るはず」
叫びながらずんずんと奥に行くピエール、
サクラ達はバキバキと鉱石をもぎ取りながら、
ピエールの後を着いて行くが、
そこにいたピエールは放心していた。
「何これこんな大きな光石見た事無い」
サクラもピエールの横から覗いてみた、
光石と言われた石は、
石では無かった…光る壁だった。
それも洞窟をぐるりと包み込む様になっていた。
所々に太い柱の様な光石もあり、
それを見たサクラが、
「石って言うより、壁と柱?
たくさん取れそうで良かった」
「どうやって取るのよ、
馬鹿力のあんた達でももぎ取れないでしょ、
光石って結構硬いわよ」
「そうだね〜
怪力ってスキルが何処まで怪力か試してみよう」
「ちょっと待った〜
何処まで試すのよ、
洞窟が壊れるとあんた達は、埋まっちゃうからね」
「ピエールは埋まらないの?」
「私達は瞬間移動出来るから」
「じゃあアタシも出来るって事?
星神が言ってたじゃん、
精霊王達と一緒って、
だから死なないって」
「多分出来ると思うけど、
まだ使えて無いでしょ、
練習も必要だろうから、
だから、いきなり強く石を殴っちゃダメだからね」
サクラは肩をすくめてから、
光石の柱の前に立ち、
「正拳突き」と言いながら、
柱に拳をチョンと付けた、
次の瞬間、光石の柱が、
拳大の大きさになって崩れて行った。
ピエールは唖然としていたが、
「言った通りじゃ無い、
サクラ、初めて何かする時は、
絶対に軽めにしなさいよ、
この採掘場の異常な鉱石は、
多分あんたが山に、
エネルギー注ぎまくったせいだから」
「せい、って言葉が引っかかるけど、
ま〜大量に鉱石は取れるから良しとしよう」
サクラは光石を拾って、
何か作れないかモミモミすると、
魔力を込められる事に気がついて、
頭でイメージをしながら、
両手でモミモミすると、
手の中に可愛いランタンが出来た、
有るゲームのモンスターが持ってた物だ、
それを見てニヤニヤしてると、
「何それ可愛いじゃ無い、
私にもひとつ作ってよ」
サクラは合計4個ランタンを作り、
ピエールと太郎達にも持たせて、
一旦戻る事にした。
読んで頂きありがとうございました^_^




