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青い闇の敵 現る

滝はゆっくり顔を上げる

「…行くか」


純は脇腹を押さえたまま顔をしかめる

「ちょ、待てって…俺まだ死にかけなんだけど」

「その割に元気だな」

俺は苦笑した

「元ヤンなめんな…いてててっ!!」

滝は肩をすくめて、少しだけ笑う

「無理すんなって言っても聞かねえんだろ、お前は」

純は脇腹を押さえたまま、にやっと笑う

「当たり前だろ…ここで引いたら、カッコつかねえしな…!」

俺は純を起き上がらせて、

「純、ほら、しっかり立てって 戻って医務室行こうぜ」

純は顔をしかめながらも、俺の腕を借りてゆっくり立ち上がった

「っ……ぅぐ……お、おう……」

立ち上がった瞬間、また脇腹に痛みが走ったのか、純は思いきり顔をゆがめる

「いててててっ……くそ、飛び蹴りなんて慣れねえことするもんじゃねえな……」

俺は呆れ半分で肩を貸した

「だから言ったろ、無茶すんなって」

純は息を整えながら、ちょっとだけ笑う

「無茶しなきゃ勝てねえ場面もあるだろ……」

俺はテレポートの準備をした

「滝、みんな、一旦帰還しよう」

純が小さくぼやく

「医務室か……絶対湿布じゃ済まねえだろこれ……」

「飛び蹴りの代償だな」

俺がそう返すと、純は苦い顔で

「言うなって…」

俺たちはテレポートで帰還すると、

アジトの奥では

ヴェイクが嘲笑う

(…あいつら、一旦引いたか)

ヴェイクは目を細める

「蒼山滝は解けた

根口はまだ揺れている

荒井は軽い負傷だな」

薄暗いアジトの奥

砕けた床の隙間から、じわじわと嫌な気配がにじむ

足音をコツ…コツと鳴らし

「次は、滝を狙う必要はない」

「根口が崩れれば、蒼山は必ず乱れる

荒井は仲間を庇う

あの連中は、互いを守ろうとするほど隙ができる」

ヴェイクはニヤリと笑い

「人間は脆いものだ」

闇の奥から、低い声が返る

「では、根口から潰すか」

ヴェイクは足を止める

「いや」

ヴェイクは違う声の気配を感じとって、

「…偵察から戻ってきたのか」

新しい敵・その名は…

「蒼き闇 ジャスティン ここに」

ジャスティンは顔を上げる

切れ長の目が、氷の刃みたいに細い

「能力者たちの本拠地周辺

警戒線、転移反応、本拠地外周エリア

すべて確認済みです」

「どうだった」

ジャスティンは頷き、

「非常に手堅いバリアで、本拠地を囲っている様子です あれならエリーナも、地下から侵入をしたはずです」

「本拠地外周エリアは堅い

司令官の警戒も鋭い

ですが、内部で負傷者や異変が出た時

あの者たちは理屈より先に仲間へ動くでしょう」

ヴェイクは喉の奥で笑った

「人間らしいな」

ジャスティンは首を傾げる

「ヴェイク様 甘く見てはおられません アジトも、直々に崩れています」

「わかっている カルテー二一族は、もう…私らしかおらん」

ジャスティンの蒼いオーラが、かすかに揺れる

「……では、私が切り込みますか」

ヴェイクは首を横に振る

「焦るな」

コツ…コツ…と、また足音を鳴らしながら歩き出す

「力押しで壊せる相手なら、もう壊れている

あの司令官も、蒼山滝も、そう単純ではない」

「痛いほど承知しています」

ジャスティンの黒い力がじわじわ広がる

「本拠地外周、地下経路、転移痕

もう一度すべて洗います

小さな穴でも見つければ、そこから崩せる」

「頼んだぞ」


一方、テレポートで本拠地に戻った俺と、純は

「いててっ!」

俺は苦笑しながら、純に脇腹に湿布を貼る

「ほら大人しくしろって ただ吊っただけだろ」

純は脇腹を押さえたまま、じろっと俺を見る

「だからその”ただ”が痛えんだっての……」

そう言いながらも、さっきまでの戦闘中みたいな顔ではなく、いつもの純に、少し戻っていた

「…すまねぇな、ありがとよ 陽仁」

純は小声で言うと、俺はニヤッとした

「久しぶりに見た純の体だけど、 やっぱり筋肉すげーな」

純は黙って、それからふいっと顔をそらす

「……んなとこ見るなよ」

俺は吹き出す

「なんだよ、照れてんのか?」

「照れてねえ!」

そう言い返した瞬間、脇腹がぴきっとしたのか

「いっ……!」と純は顔をしかめた

俺は思わず笑ってしまう

「ははは! 無理すんなよ、 もうすぐしたら誠先生来るからさ」

純は顔を赤くして

「親父に飛び蹴りしたら脇腹吊った、なんて言ったらはずいだろーが」

「まあまあ、 診てもらいなよ」


その頃、滝は…

司令官室にいた

「ご苦労だった また1人、敵がいたらしい」

司令官が言うと、滝は驚いている

「また、ですか?」

「…お前と同じ、青いオーラの ジャスティン というやつだ」

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