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勇者の来国

「確かにね。私に頼んだのも身動きするのを難しくするためかも。ゼンさんの事もあるから、拒否しないと分かってただろうし」


 アキテール支部に本部が頼まなかったのも、【妖艶】が介入するよりも先に、仕事を与える事で身動きさせないためか。


「それで……色々と情報を教えたわけだが、【妖艶】の頼み事は何だ? 今回の件で、ゴイゼン所長が危険な目に合わないと思うぞ」


【妖艶】の予想ではオークションで何か起こる事はない。俺も可能性としては低いと思う。


「ゼンさんとは無関係な事だよ。オークションとも関係ないから。会って欲しい……見て欲しい人がいるわけ」


「見て欲しい人? 商人……それとも組合メンバーか? そういう目は俺よりも断然【妖艶】の方が良いだろ?」


 俺の【閲覧】や【開眼】を【妖艶】は知らないはず。


「念の為によ。商人ではないわね。私もその人物に会ったわけじゃないから。貴方なら縁を持つかどうかの判断とかをね」


「ゴイゼン所長を無視して、本部からの紹介か?」


 本部からハンターの紹介があるのなら、アキテール支部が仲介役をするべきところだ。


 しかも、このタイミングで来るのは怪しい。オークションとは関係なさそうで、介入してくる可能性もあるのか?


「違うわね。でも……関係がないわけでもないかな? キテールに勇者が来るらしいのよ。どの勇者までは知らないけどね。それを聞いたのも今日の朝だから」


「勇者!? 勇者だからといって、オークションに参加のは無理だろうな。貴族は勇者をそこまで好んでないと思う」


 貴族出身の勇者の話は聞いた事がない。そもそも、ハンターになるのも奴が珍しいぐらいだ。


 勇者は目立つ存在だからこそ、異世界攻略に必要だとしても、貴族的には面白くない。


「アキテールで祭をするなら、それを見に来るだけじゃないのか? 商人組合に挨拶に来るんじゃなくて、協会に行くはずだぞ……」


 もしかして、アキテール支部に行かせなくないだけか? 勇者も数人だとはいえ、良い性格な奴は少ない感じだからな。ゴイゼン所長に会わせたくない気持ちも分からなくもない。


 他の勇者とは会った事ないが、ネスティスが一番性格が良いまである。


「ん……いやいや、それはない」


 嫌な予感がするんだが!!


 俺はフレアと出張する事は伝えたが、どの国に行くかまでは言ってない。とはいえ、ネスティスも何処に行くかまでは教えてくれなかった。いつもなら、言いそうなところをだ。


 同じ国を行くだなんて、そんな偶然あるのか?


 しかも、ネスティスが覚えようとしているスキルが【鑑定】。この時に商人の護衛をしながら行く場所となると……

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