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【妖艶】

「げっ!!」


「げっ?」


「ゲホッ!! ゲホッ……口の中に埃が入っただけだ。彼女がバッド組合リーダーのマニーか」


「……レイさんの好みだったりするわけ? 年上だし、綺麗だと思うけど……将来的には私の方が」


「全然逆だ。苦手のタイプだぞ」


 フレアは変に疑ってくるけど、そんなのじゃない。


 スタイル抜群の美人。美人秘書……アカネみたいに出来る女の雰囲気が出てる。普通に出来るんだろうが……


 若い子達と同じ白の制服を着ているのに、全然違うように見えるのは、彼女だけがマントを付けているから……というわけでもない。


「ふ〜ん……でも、雰囲気があるよね。あの人に憧れる人がいるのも分かるかも。私は大丈夫だけど。レイさんも問題なさそうだし。もしかしてだけど……知ってる人なの?」


 あんな反応したわけだから、誤魔化すのは難しいか。苦手なタイプと言ったのも、見た目だけで言ったわけじゃない事を察したのかもしれない。


「ハンターマニアとして……彼女は二つ名持ちだから。名前でピンと来なかったのもそれだ」


「【道化師】様達みたいに二つ名持ちなんだ!! そんな凄い人にゴイゼン所長は知らなかったわけ……」


「所長になる前は本当に学者一筋だったんだろ。ハンターには興味がなかったって事だ」


 それとは別にハンターの時とは別人だ。雰囲気もそうだが、服装もだ。


 バッド組合の制服は白メインでオシャレだと思うが、そんな服で落ち着く奴じゃない。


 あの感じだとないとは思うが、バッド組合が全員彼女のスキルで落とされたんじゃないかと疑いたくなってくるぐらいだ。


「大丈夫そうだし、そろそろ中に……レイさん、何処に行くわけ? 初日からサボるのは駄目だよ」


 俺は自然とアキテール支部から足が離れようとしてた。


「おおっ!! すまない。足が勝手に……忙しいそうな状況みたいだから面倒……迷惑な気がして」


 俺がフレアに説明した事は嘘で、【無法者】メンバー、【道化師】として数度会った事がある。


 メンバーとは……特に【卑怯】とは犬猿の仲……というか、言い争っていたか? 【殺戮】や【死天使】も面倒だと思ってたはず。


 それはマニーが俺を……【道化師】を【無法者】から引き抜きを目論んだ事があるからだ。


 彼女の二つ名は【妖艶】。【女優】という特殊な職業持ちだった。


【女優】は【踊り子】のスキルや【芸人】のスキルの両方が習得しやすく、魅了特化の職業。特殊スキルに【演技】というのもあり、相手の動きをコピー、上回る行動も可能。それは自身の身体能力、魔力が上だった場合によるものだったわけだが……


 それと彼女は特定のパーティーを組まず、ソロというわけでもない。毎回パーティーを変えていた気がする。


 俺が引き抜こうとした理由は何だったか……


 パーティーを組むためじゃなくて……思い出せない。

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