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白鳩のマーク


 アキテール支部出勤初日。


 俺とフレアは徒歩で移動中。


 アキテール支部の開店は十一時だが、開店準備のために通常は九時出勤がメイン。


 勿論、全員ではなく午前と午後。時間をズラしての出勤もある。職員の人数が少ない分、長めの労働時間になっているようだ。


 今回、俺とフレアは十時から。朝の仕事を教えるのは明日から。


 俺達の紹介をするのも、ある程度の準備を終える必要がある。


「昨日の内に何人かは顔合わせをしてるから、俺達の事を職員達が話してるかもしれないな」


「だね。自己紹介も普通にするよ。問題があるとすれば、ハンター達かな。オジサン達は私が受付するのを期待してると思うし」


 昨日の夜にアキテール支部を訪ねた時、オジサン職員数人と会っている。


 顔も見た事で、フレアの話題が出ていてもおかしくない。久し振りの受付嬢という事もあり、裏方の仕事はさせないだろう。


「でも、ハンターのあしらい方はルイーズ先輩から。ユユ先輩には誘惑の仕方を教わってますからね」


 ルイーズは兎も角として、ユユはフレアに何を教えてるんだか……それを彼女が知ったら、説教されるぞ。


「あしらうのは良いけど、誘惑は止めとけよ」


「嫉妬ですか?」


 フレアは少し嬉しそうに……いや、ニヤニヤした顔で言ってくる。


「違うからな。職員達の印象が悪くなるからだ。一応、仕事はオークションの調査だけじゃないぞ。こっちも動きやすくしてくれ」


 オジサン職員達がフレアと接している間に色々と調べる事が出来る。【閲覧】をするにしても、ジッと見ていたら、相手も気にするはずだ。勿論、そのスキルに関しては秘密。


 ジェフ……所長もアキテール支部には伝えてないはずだ。


「少しぐらい乗ってくれてもいいのに……調査の事も忘れてないからね」


 フレアは膨れっ面になるなど、百面相……コロコロと表情を変えてくる。


「……あれ!? レイさん!!」


 俺がフレアに視線を向けている間に、彼女は何かを見つけたように腕を掴み、揺らしてくる。


「な、何だ? 正面に何が……」


 アキテール支部が目の前に差し掛かるぐらいな距離。


 俺達が乗ってきた馬車が置かれていたはずなんだが、別の場所に移動したのか、そこから消えていた。


 その代わりに通行止めをしてるかのように、アキテール支部前に無数の馬車が待機。しかも、馬車全てに見慣れない白鳩のマークが描かれている。


 パーティーのトレードマークだとしても、馬車を複数台使うような大型パーティーはなかったはず。


 ソロハンターだとしても、可愛いマークを使用する奴に全く覚えがない。こんな大荷物を手にするのはトップハンターのはずだ。

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