おかわりします
「食べ終わったら、キッチンの洗い場に置いといてくれたは良いからね。今から部屋の案内でもするわ」
ジルオールの食器が空になってるのを見て、ハンナさんは先に彼を部屋に案内する事に決めたようだ。
食べ終えた食器に関しては、昨日の内に聞いている。朝食に関しては仕事がある分、ハンナさんが片付けくれる。
夜は分担制。ゴイゼン所長の時もあれば、俺やフレアの番になる事も。当番制にしたのはハンナさんじゃなく、ゴイゼン所長だ。
「ゴイゼンさんから、出勤する時はちゃんと制服を着るのを忘れないようとの伝言を預かっています。昨日の出来なかった挨拶するそうですよ」
そう言い残して、ハンナはジルオールを二階へ案内に向かった。
ゴイゼン所長はジルオールを寮に連れて来た後、すぐに支部へ戻ったらしい。イズン支部の所長の出勤よりも大分早い。
俺達が来たせいなのか、それとも別の理由があるのか。前者はあるとして、後者の可能性も少しは残っている。
とはいえ、本部が彼を警戒していた場合、支部でやらず、寮の部屋でしそうではある。それも考え過ぎか。今日はまだ初日。
誰を調べるべきか。ゴイゼンもそうだが、オークションに参加する職員が誰なのか。
アキテール支部よりも、商人組合か。そうなるとジルオール次第になる。
「一緒に出勤するよね? 勿論、レイさんが食べ終わってからだけどさ」
フレアの朝食がいつの間にか消えていた。二人で食べに行った時もそうだったけど、流石に俺以外の目を気にしたのか、ハンナさん達がいる時は抑えていたのかもしれない。昨日の晩御飯もそうだった。フレアの腹は満たされなかった可能性が高いな。
「……おかわりをしてきてもいいと思う?」
「いいと思うぞ。昨日もおかわりは用意されていたし」
ハンナさん達がこの場にいないのなら、おかわりをしたのは俺だと思うだろうし。
「別に相手は気にしないと思うけどな。むしろ、喜ぶだろ? それもフレア次第だが。俺は知ってるわけだし、ジルオールに知られても……だろ?」
「確かに!! ジルオールに知られても別にだし、ハンナさんも喜んでくれるなら。夜の時にでもハンナさんに言ってみる!!」
「そうしろ。けど、限度もあるからな。ゴイゼン所長に止まらない程度にだぞ」
ゴイゼン所長はハンナさんに迷惑を掛ける事になったら、止めそうだ。
勿論、彼が誰かに告げ口をするとも思えない。オジサン職員達が直接フレア本人に話し掛けるだろうし。
「は〜い!!」
フレアはそう言いながらも、戻ってきた時のパンとサラダの量がエグいぐらいに……大丈夫か?




