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お連れの方


 ドアの叩く音が聞こえてきて、その音で目が覚めた。


「ここは……今はアキテール国にいるんだった。久し振りにぐっすり眠れた気がする」


 昨日はゴイゼン所長に部屋へ案内されて、ハンナさんが作った晩御飯を食べて、風呂に入った後はすぐに眠ってしまった。


 本来は二人部屋だったのが、一人部屋に改修された事で、結構な広さがある。机とベッド、衣装棚と鏡も置いていて、衣装棚の中にはアキテール支部の制服が三着ある。


 他にもタオルがあったり、新品の歯ブラシもあるから、まるで宿みたいに至れり尽くせりだ。


 特に俺が一番と思ったのは、ハンナさんの手料理。自分で作るのとは全く違い、本当に美味しかった。


 仕事よりも、寮内でハンナさんの料理の修行をしたいと思うぐらいだ。


「ゼロストさん。朝食の用意が出来てますよ。出勤前にいかがですか? それとも、もう少し寝ますか? ……昨日は色々とあったみたいだから」


「お、起きてます!! 朝食も頂くので、着替次第下に行きますから」


「分かりました。お連れの方は先に召し上がってるので。でも、急がなくてもちゃんとありますからね」


「ありがとうございます」


「では、次はフレアさんを」


「あっ!! 私が起こすつもりだったのに」


「あらあら、ゴメンなさいね。次からはフレアさんに任せるわね」


 部屋の前から二人の声が聴こえくる。


「寝坊しないから!! フレアは起こしに来なくていいぞ。俺よりもそっちの方が」


 俺は直様ドア越しにツッコミを入れる。流石に服を脱いだ状態で、二人の前には出れないからな。


「それなら、逆に私を起こしに来ても構わないですよ」


「女の子がそんな事を言ったら駄目ですよ。まぁ……本人が良いと言ってるので、私も目を瞑りますが」


「ないです!! 起きてるなら、フレアは先に下へ行ってくれ。ハンナさんも悪ふざけに乗らないでください」


「は〜い」


「すみません。こんな雰囲気は久し振りでしたので。フレアさんと一緒に下へ行ってますね」


 俺もそうだが、フレアもハンナさんに心を許した感じに接している。


 フレア自身が人見知りしないタイプなのもあるが……


「そういえば、フレアじゃなかったら、誰が先に朝食を食べてるんだ?」


 先程、ハンナさんが『ゼロストさん』や『フレアさん』と呼んでいたのも、昨日の内に挨拶を済ませていたからだ。


 当然、ゴイゼン所長の事じゃないはず。可能性があるとすれば……とはいえ、勝手に入るとも思えないし。ハンナさんが見えてるのも……

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