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引き抜きですか?

「それは私みたいな子達もいたって事?」


「ですね。私が赴任して、数ヶ月経ったぐらいまでは」


 アキテール支部に関する資料には、そんな事は書かれてなかった。確かに人数は二十人程度で、フレアのような若い子達はいなかったのは間違いない。


数ヶ月前ともあって、ジルオールもアキテール支部の内情を詳しく調べてないのだろう。


 ハンターの証消失事件以前の話なのかもしれない。加えて、彼はオークション関連も調べていたわけだ。全てに対応するのは難しい。今回はオークションをメインにしただけのはず。


 ゴイゼン所長が情報を隠していたとしても、この場で言ってしまってるわけだ。


「それって……所長が不甲斐ないから? それとも実は目茶苦茶怒るとか?」


 フレアは率直に触れてきた。そうだとしたら、所長の能力を違う意味で疑ってしまう。


「ハハハ……面目ない。怒るとかはしないけど、不甲斐ないのは確かだね。引き留める事が出来ない程、あっちの方が魅力的だかろ」


「あっちの方? 確かに私達の所長の方が凄いと思うけど……普通のオジサンって感じだね」


「いや……こっちの所長とは比べてないと思うぞ」


 フレアから見れば、普通のオジサンなんだろう。実際、俺もそう見える。【閲覧】で確認するのもありだが、彼の情報を集めてからにしよう。

 

「商人組合リーダーのマニーです。彼女がトップになってから、組合の力、魅力が跳ね上がりました。残念ながらアキテール支部よりも力があります。本部も目に掛けている感じですから」


「協会本部が?」


 本部はアキテール支部より、商人組合に力を入れている? だからこそ、ジルオールも調べる事が出来なかったのか?


 それが事実であれば、ゴイゼン所長と本部の繋がりは薄い。仮初めの所長として派遣された可能性がある。


「はい。今回のオークションはアキテール支部ではなく、マニーの商人組合が中心です。彼女は貴族との信頼も獲得していて」


 マニーは本部だけでなく、貴族も上手く取り入っている。商売上手だけでは無理な話だ。


「そんな彼女に憧れて、受付嬢として働いていた子達は……給料の良さもあっちが上。商店街の方が活気がありますし」


「全てにおいて、商人組合が上なのか……」


 給料が上なのは大きいし、活気があった方が若い子達には楽しいのは分かる。イズン支部がそんな感じだ。


「それと……気の所為かもしれませんが、アキテール支部を敵視してるような気もします」


「それは……職員の引き抜きがあったからですか?」


「いえ……そういうわけではなくて」


 ゴイゼン所長はマニーの事に関して、何か知ってるのか?


 本部、貴族との繋がりを持つのなら、ハンターの証消失事件の犯人とも……オークションの仕切るのなら、可能性はゼロではないか?

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