能ある鷹は爪を隠す?
それともう一つ。当然、ゴイゼン所長はジルオールを見えているわけだ。
もし、ジルオールが隠密でアキテール支部を調べていた場合、ゴイゼン所長はそれを知りながらも放置していた……泳がしていた可能性もある。
能ある鷹は爪を隠す。そういう風でもおかしくはないのかもしれない。
「そういえば……フレア様は私やゼロストさんと同じ寮で良いのですか?」
「ちょっ……レイさんに先に言ってて良かったよ。内緒にしてるので、他の人には言わないでくださいね」
「あっ……そういう事ですか。申し訳ありません。オークションに参加する事はジェフから聞かされているので」
やはり、ゴイゼン所長もオークションの件は知っていた。参加するためには貴族である必要がある事から、俺かフレアのどちらであるのは当然。
そして、ゴードという名前からしても、彼女だと分かったのだろう。
彼もフレアが貴族である事を俺が知ってる体で話したので、悪気がないのは分かった。
だが、この感じで【道化師】の正体も口にしないか不安ではある。
流石にジェフ所長もオークションに【道化師】が参加する事は勿論として、ゴイゼン所長にも伝えてないはず。多分……
こちらがアキテール支部を調べた以上、あちらも動いていてもおかしくはないが、それをジェフ所長が許すのか。
元盗賊ギルドマスターでもあり、部下にはアカネやルイーズもいる。一応、俺もいるわけで……怪しい奴を見逃すわけがない。
「本当にですよ!! 後、私から質問があります。オークションは貴族主催だとはいえ、協会も……アキテール支部も協力してますよね? 職員も何人かいるんですか?」
「そうですね。とはいえ、今の職員の数だとニ、三人が限界なんですけど。オークション時、貴族様達は仮面を付け、バレないようにするようになっている事は」
ジェフ所長とジルオールが用意した資料にも、貴族が仮面を付けて出る事は書かれている。従者に関しては主次第。言わなければ、【道化師】だとバレない可能性もある。
「そこは分かってます。けど、流石にその人数は少な過ぎだよ。本来、私達は必要ないと思うんだけど? 職員は何人いるの? 職員自体の人数が少ないわけ?」
フレアもアキテール支部所長相手に強めな質問を投げた。貴族という事をバラした形になるから、それの当てつけか? 職場的にはゴイゼン所長が上だが、そうでなくなったら、貴族の方になる。
「職員は……二十にも満たない状態ですね。それも私のような年齢ばかりが残っていまして」
イズン支部の職員は三十人ぐらいか? 受付嬢十二人、裏方十人、情報班も加えたら、それぐらいになる。
一番年上が所長。後は十代から二十代。三十を過ぎている職員はいないかも。
年齢も気になるところだが、『残っていて』という言葉が気になるところだ。




