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オジサン達

「それは……そうですね。一応、アキテール支部の所長に話はしておいてください。宿を探して、見つからなかったら……今日は野宿します」


「敷地に馬車を置いたままでいいなら、それを使わせて貰えばいいと思うよ。雨風ぐらいは凌げるわけだし」


 フレアは優しいのか、厳しいのか。野宿する場所をジルオールに教えた。確かに馬車の中はましかもしれない。それも許可を貰わないと駄目な話なんだが。


 ジルオールが宿を探してる間に協会は閉店してるだろう。寮の場所も……調べてるかもしれないが、勝手に侵入すれば、バレた時に俺やフレアの……イズン支部の問題になりかねない。


「だな。こんな時間だし、馬車を移動させる事はないと思う。移動されてたら……諦めてくれ」


「分かりました。それではまた明日。御二人なら僕の姿が見えるはず。協会内にいる間は、周辺にいない時もあるので」


 ジルオールは足早に消えていった。


「多分だけど、宿を取れないよ。彼の体質的……性格的にかな? 無理だと思うんだけどね」


 ジルオールは普通の人には見つかりにくい。という事は、宿を取る時にも店員に無視される可能性があるわけだ。


「体質的に問題があっても、流石に……性格的?」


「人と話すのに慣れてない気がするんだよね。積極的に話してたら、体質も変わってたんじゃないかな」


 ……姿が見えなくても、ジルオール自身に積極性があれば、見つかりやすくなってたわけか。それはあるかもしれない。


「取り敢えず、私とレイさんはアキテール支部の皆に挨拶だね。疲れてるけど、別支部の中はどんなのか気になってたんだよね。どんな人達がいるのかな?」


 フレアは俺よりも先にアキテール支部の中へ。俺もその後へ続いていく。


「夜分遅くにすみません。明日からお世話になるイズン支部の者なんですけど……あれ?」


 フレアはアキテール支部に入るなり、違和感を覚えたみたいだ。


「いらっしゃいませ。話を聞いているよ。今から所長を呼んでくるから、椅子に座っておきなさい」


「こんな時間になったのも、何か理由でもあるのだろうな。熱いお茶でも準備してくるよ」


「お腹も空いてたのなら、お茶菓子もだな」


「ありがとうございます。有り難く頂きますね。挨拶は所長が来てからにしますので。それとも、明日にした方がいいですか?」


 フレアが固まっているので、俺が代わりに職員達に返事を返していく。


「……お前、ちゃんと職員の資料見てないだろ。でなければ、そんなに驚く事はないはずだぞ。気持ちは分かるけど」


 俺はフレアにだけ聞こえるような声で囁いた。


「てへっ」


『てへっ』じゃないから。最初から職員を調べるのは俺だけに任せるつもりだっただろ。


 というのも、俺やフレアの目に入った職員全員が所長以上、爺さん以下のオジサンばかり。イズン支部の場合、どんな時間でも受付嬢が対応しているからな。

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