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関門


「何の用? 所長は貴方を呼び出したという話は聞いてないわ」


 就業開始時間よりも早くにイズン支部に到着。


 仕事が始まってからだと、所長に会いに行くのも難しい。


 用意された仕事があるのもそうだが、関門がある。所長の秘書であるアカネだ。


 美人秘書は俺と所長が仲が良い事を知っていて、仕事の邪魔になると思っている。


 仕事中に行けるとすれば、所長の呼び出しぐらい。無理に行くとなると、関門を突破する理由が必要になる。


 実際、今も就業前なのにこの態度。昨日のあの言葉の真意は何だったのかも分かってないんだが……


「とあるハンターの事を聞きたくて。何故か俺に付き纏ってきて……その理由、原因を所長なら知ってるかと。仕事が始まる前に知っておきたくて」


「……貴方に付き纏う?」


 しまった!! 俺みたいな奴に付き纏うハンターなんていないか。ネスティスでもそんな事をしないし。俺自身が怪しく思われてしまう。


 アカネが【黒猫】だった場合、余計に【道化師】の正体が俺だとバレてしまいかねない。


「ジルオールという盗賊なんだけど」


「ジル!?」


「ジル?」


「……ジルオール=トレイですか」


 しまった!! みないな顔になりながらも、美人秘書は言い直したが、愛称で呼ぶ時点で怪しい。盗賊仲間だとしたら、納得は出来る。やはり、【黒猫】の正体は……


 互いに余計な言葉を言ってしまった事で、それは聞かなかった事にしよういう雰囲気になってる気がする。


 だからこそ、俺も更にツッコミを入れる事はしない。


 名前も知ってるのも、一応協会で働いてるから。俺みたいにハンターオタクで、名前を覚えているという事で。


「そう……彼で間違いない。彼が置いて行った紙もあるから」


 俺はさっき拾った紙をアカネに見せた。そこにはジルオールの名前は書かれているわけじゃないが、流石に嘘とは思わないだろう。


「……よく見つけられたわね」


「知ってるじゃなくて、見つけられた? 彼は【気配遮断】を使ってなかったし、隠れる様子もなかったぞ。むしろ、堂々と姿を現してたぐらいなんだが」


 知ってる事よりも、発見した事に驚かれるとは思ってなかった。


「……分かりました。所長に取り次ぎます。その代わり、私も話を聞く事を許してくれるのであればですが」


 ジルオールを気にする辺り、同じ盗賊だからのような気がする。


 彼の行動が所長の指示だった場合、アカネはその話を聞かされてなさそうだ。


「……そこは別に構わないけど」


 ジルオールは俺を【道化師】と見てなかった。所長も俺の許可なしにバラすような事はしないはず。


 【道化師】なら駄目だが、レイニーとしてなら、アカネに聞かれて駄目な事はないと思う。

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