魔法剣
「理由……ネスティスが孫みたいに可愛いとか……じゃないよな?」
ネスティスからは何も聞いていない。爺さんはネスティスを孫のように見てるからな。結局、甘やかしているだけなのかもしれない。
「それもある!! 嬢ちゃんは良い子だ。孫が出来たら、あんな風なんだと想像はしていた。勿論、嬢ちゃんにはそんな態度は見せてない」
俺が爺さんと孫と見えてる時点で、ネスティスもそんな風に見えている可能性はある。
彼女の爺さんに対する接し方にしても、ラーンとは全然違う。比較対象があれなんだが……
「爺さんは結婚もしてないだろ。そう思うのは別に構わないが……本当の理由は?」
「俺の弟子になる予定だからだ。嬢ちゃんは鍛冶にも興味があるらしくてな。俺が鍛える事にした。といっても、ある程度のスキルを習得、攻撃の基礎魔法の属性別で覚えた後で……という事だ」
「それも初耳なんだが……いや、あの話が関係してそうだな」
ネスティスが爺さんに弟子入りを頼んだ事は初めて知った。
勇者は様々な職業のスキルを習得しやすいだけじゃなく、ギルドにも協力を得られる事になっている。
鍛冶のスキル、例えば【修繕】や【調整】等を異界時に出来たら、武器が壊れた時には重要になってくる。
下手な職人を頼るよりも、爺さんが教えるのが一番なのは間違いない。スパルタ……にはならない気もする。
「俺の話か?」
「違う!! 爺さんの話題が出ないわけじゃないが、【殺戮】の話だよ。魔法の凄さの話も出たが、彼女の装備の話にもなったんだよ」
【殺戮】は属性別で強化する装備を用意している。それをネスティスは見ていて、話を振ってきた。
【道化師】じゃなくても、俺が異界オタク兼ハンターオタクという理由。【道化師】とはバレてない。
「という事は、属性強化の杖を自分で作るつもりなのか?」
属性別の基礎魔法を覚えるつもりなら、そうかもしれないが……今は盗賊スキルの方を優先しているはず。
ネスティスが嘘を吐く理由もないし。スキルを幾つか覚えてからと、爺さんにも言ってるわけだが……
「杖じゃない。属性付与された剣だな。魔法強化の効果にもなる」
属性剣=魔法剣だな。魔法が使えなくても、それがあれば魔法と同一効果の攻撃を与える事が可能。
勿論、威力的には高レベルの魔法まではいかないが、物理が効かない異形相手にはありがたい効果になる。
それだけでなく、装備する事でその魔法剣の属性の魔法も威力が上がる。
ネスティスのような剣と魔法を使えるハンターには良い武器になるのは確かだ。
「なるほどな。ネスティスに合ってるかもしれない」
ちゃんとネスティスも考えているようだ。相談役じゃなくなるのも遠くないかもしれないか。




