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尾行されてます


「はぁ……今日も疲れた。とっとと家に帰りたいけど、下層まで行かないと駄目なんだよな」


 爺さんにラーンの事を伝えておかないと、後々面倒になる。ネスティスと会わせないようにも言っておくべきだからな。


 ラーンとの相談直後、奴が爺さんに会いに行くとは俺も思ってない。爺さんの事を怖がっていたから、念入りに準備をしてそうな気がする。


「いつもの安酒を買うとして、明日も仕事だから、俺の分は止めておこう。ネスティスのプレゼントの件は……爺さんに相談してもいいか?」


 流石に何もなしのまま行くのもどうなんだ? と思えてきている。爺さんは鍛冶師だから、ネスティスに渡すのも装備で良いわけで、考えなくて済みそうなのが羨ましい。


 俺は中層の商店区で安酒を数本を買い、下層の階段を降りていく。


 上層、中層、下層では明るさが違い、下へ行くと暗くなっていく。下層は松明が主な灯りだ。


 下層に魔法ギルドがあるといっても、上層や中層に魔力が使われてしまっている。


 下層へと繋がる階段の中間地点は微妙に危ない。足を踏み外す奴も出てくる。


 後、別の意味で夜の下層は危険でもある。


 職人区とは反対側の位置にある盗賊ギルドは主に夜から本格的な活動があり、魔法ギルドも高ランクとなれば、夜から動き出す。


 朝昼は新人や中堅の指導、道具作成がメインだったりする。


 爺さんも鍛冶に集中するのは夜から。


 なので、夜の下層は一般人に対して、通行禁止の看板が出る時が多い。


 勿論、俺はそれを無視するわけだが。そこからは自己判断。職人達、下層の人間の責任は問われない。


 ネスティスもギルドへ泊まり込みの時もあり、把握しているだろう。ラーンは……覚えている魔法の数からして、夜の修行もやってそうではある。


「下層に到着したけど、臭いは相変わらずだな。防音装置も起動しているか」


 下層は夜になると防音装置が作動して、中層に音が漏れないようにしている。


 これも職人と魔法ギルドの合作らしい。職人区の外側からの盗聴、盗賊の【盗み聞き】さえも無効化にしているようだ。


 中に入ると、色んな音が響き渡っているわけだが……


「……俺に何か用か? この先は危険だぞ。帝都にいれば、それぐらいは分かってるはずだと思うんだが」


 職人区に入った直後に振り返る。そこには少年が普通に立っていた。年齢もネスティスやラーン、フレアと近いぐらいだと思う。


「……? 君は確か」


 会った……というより、見た事がある。【道化師】としてではなく、協会臨時職員としてだ。


 いつものように提出した能力が正しいのかを確認しただけなんだが……

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