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恋愛相談室

「……ソロは何度か経験して、実力が足りない事は僕も分かっているさ。そんな事は相談などせず、自力で何とかするに決まっている」


 ネスティスみたいに完全なソロを目指しているわけじゃないらしい。プライドが高い奴は強くなるためのアドバイスなんて聞きに来ないか。自力で何とかすると本人も言っているんだが……


「それなら何を相談に来たわけですか? ここは自身を強くするためのアドバイスを与える場所なのですが」


「…………欲しい」


「欲しい? 異界のレア素材関連ですか?」


 もしかして、勇者の相談役は異界マニアと耳に入ったからか? 


「まぁ……名前を聞いて、分かるようなら答えても良いんですが……レベルが厳しかった場合は」


 ラーンのハンターランクは3。パーティー次第では4まで挑んでいいが、5になると止める案件になる。 


「違う!! ゆ、勇者との仲を取り持って欲しい」


「馬鹿か?」


 ラーンの言葉に、思ってる事が口から滑り出てしまった。


「ば、馬鹿とは言い過ぎだろ!!」


 ラーンも自分で言うのが恥ずかしかったのか、顔を赤くしている。


「青春か? ここは恋愛相談室じゃないからな。選ぶ相手を間違えているぞ」


 こんな相談で敬語にするのも馬鹿らしい。


 俺自身、恋人もいなければ、恋愛の一つもした事がないのに、相談に乗れるわけがない!!


 ネスティス自身、ラーンに興味がないどころか、嫌いにまでなってる気がする。その場面に俺はいたからな。


 ラーンは俺がネスティスと一緒にいたハンターとは思ってない。【道化師】と今の俺とでは声が違っているし……


「彼女が何度も訪れるぐらいに、信用されているんだろ? だったら、間違ってない。僕は奴よりも先に……」


「奴?」


 ネスティスに【無法者】メンバー以外で気になる人物が現れた!? 俺は一言もそんな話は聞いて……恋愛相談じゃないから当然といえば当然だ。


「勇者とパーティーを組んで、異界に行った奴がいたんだ。僕を気絶させた奴もいたけど、アイツは勇者と仲が良さげだった。映像があれば良かったけど、どこにもなかった。それが初探索のはずで、全国に流されると思っていたのに。ソイツとの勝負もままならない」


 ……俺だ。【廃坑】の映像は本部が見せないようにしているから、ラーンも確認する事が出来ない。


 だからといって、変装したあの姿で、彼に会うつもりもない。【道化師】とバレたくないし、面倒臭い。俺が負けないまでも、勝つ事も出来ない。口で打ち負かせはするけど……


「ソイツの正体を知っていたら、それも教えて欲しい」


 ハンターの要望でパーティーやメンバーを受付嬢が推薦する事もある。その延長で、俺がネスティスに紹介する事もあるとでも考えたのかもしれないが……

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