仕事再開
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「仕事再開……これだよ。これ!! この空間が一番落ち着く。嫌な事があるとすれば」
所長に【廃坑】の報告を終えてから、一日が経過。臨時職員としての日常が戻ってきた。
ハンター達の異界探索の映像を確認。新人の身分証明。書類も山になってなく、適度にあるぐらい。
受付嬢達はハンターの本人確認が厳しくなるのと、他支部への出張が増えると、昨日の内に伝えられていたようだ。
それを嫌がる受付嬢や、別の国に行ける機会が出来たと喜ぶ受付嬢と様々だ。
裏方の俺達よりも、受付嬢の方が情報収集をしやすいと所長は考えたらしい。
犯人、偽者と接するのは受付嬢という事もある。
勿論、所長や美人秘書が向かう事もある。
その出張は一人ではなく、二人ペアで行く事に。一人が所長からの指示を受けている信用出来る受付嬢で、もう一人が何も知らないダミー役。
安全を考慮して、盗賊ギルドからも影から護衛をさせるらしい。
例外は所長と美人秘書。二人は単独。
俺は……裏方ながらに、出張役候補の一人になっている。他のメンバーからも文句は言われてない。
俺の編集者、裏方としての能力を皆が買ってるようだ。文章の修正やハンターの確認。
受付嬢達からも好評。フレアもだが、俺をフレアから助けてくれる先輩受付嬢が太鼓判を押してるらしい。
そんな事は直接本人から言われた事はないが、それをフレアから聞かされた。
俺も所長や美人秘書と同じ単独行動……じゃなく、もう一人受付嬢を連れて行く事に。俺だけだとおかしくなり、怪しまれないためでもある。
出張に関しては渋々了承。俺だけじゃないから文句も言えない。
「何にしようかな。どこまでが無理難題に入るかな?」
フレアから楽しげな声が聴こえてくる。これが嫌な事の一つではある。
俺が協会に戻ってから、彼女からの最初の一言は『お土産』の催促。勿論、俺は用意してなかった。
他の職員達はそんな事を気にしてなかったが、駄々を捏ねる捏ねる捏ねられる。
今日、先輩受付嬢が休みで、止めれる人がいない。いるにはいるが……美人秘書。
先輩受付嬢以上の説教、仕事が振られるのは間違いなく、俺も巻き込まれるのは必至。
仕方なく、『無理難題以外は言う事を一回聞く券』を一枚の紙に書いて、渡す事に。
その結果が今のフレアの浮かれ具合になってるわけだ。
アレを見る限り、何を頼んでくるのかが怖い。その時に、フレアの行動を【修正】するか悩みどころでもある。
後はもう一つ。
「ゼロストさん。勇者様が相談室に来たんだけど……今日はその日じゃないよね?」
「はぁ……勇者に関しては特別になったんだよ。早めに情報を手に入れるためだと」
勇者、ネスティスの相談役は継続。しかも、俺がいる日はいつでもOKになってしまった事。
本部対策のため。所長がネスティスに会いに行き、報酬と一緒にそう伝えたらしい。
それがあるから、俺が毎度出張へ行かず、少ない数になったのもある。
俺は仕方なく、ネスティスの待つ相談室に向かう。
「師匠!! 異界初探索の報告に来ました!!」
俺も一緒に行動してたから、内容を把握しているんだけど……そこは仕方がない。
骨折も治っているのが見れただけも十分。話を聞いてやるか。




