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第十七話 無謀で将来有望な少女
高校二年、六月。
「結城先輩!」
昼休み。
教室のドアが勢いよく開いた。
一年生の女子が息を切らしながら立っている。
教室中の視線が集まる。
「……俺?」
「はい!」
「ちょっと来てください!」
「え?」
腕を掴まれ、そのまま廊下へ連れ出される。
「お、おい!」
「待って!」
中庭。
少女はようやく立ち止まった。
肩までの黒髪。
少し日に焼けた肌。
真っ直ぐな瞳。
「初めまして。」
「一年の朝比奈ひまりです!」
勢いよく頭を下げる。
「結城奏斗です。」
「知ってます!」
「もちろん!」
満面の笑みだった。
「……何か用?」
ひまりは深呼吸を一つ。
そして。
「私と勝負してください!」
「…………は?」
奏斗は思考が止まった。
「勝負?」
「はい!」
「勉強でも。」
「研究でも。」
「プレゼンでも。」
「何でもいいです!」
「先輩に勝ちたいんです!」
あまりにも真っ直ぐな宣戦布告だった。
「理由を聞いてもいい?」
「もちろんです!」
ひまりは少し照れくさそうに笑う。
「中学生の時。」
「全国大会で先輩の発表を見ました。」
「え?」
「教育の研究。」
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