第三十二話 きっと、また
三章どうしよ…なにも考えてない…なんか案ある???
長い、長い長い日々だった。日数は10日そこらしか立っていないのに、体感ではもう1ヶ月は立った気がする。
今日、僕らは家に帰る。世話になった師匠たちに、最後の挨拶だ。
「短い間だったけど、世話になったよ。」
僕は前に手を突き出す。
瞬間、顎さんは僕の顔面に拳を放つ。
けれど、僕はそれをひらりと避けた。
顎さんは、無言で僕の手を握った。
彼の手は僕より一回り大きく、とても力強い。暖かさを感じる。
「ソル、ヒーローとして、頑張ってね。君たちは、もう私たちの子供たちだよ。
覇導の心は、いつまでも君たちを守ってくれる。」
朧さんは、僕と顎さんを抱きしめる。ずっと、こうしていたいな。けれど、僕には帰る場所がある。
「それじゃあ。みんなが、駅で待ってるんだ。」
「活躍を期待してるからね。」
「いつでも帰ってこい。稽古をつけてやる。」
僕が門をくぐるとき、二人は笑顔で手を振っていた。
潮風は、いつまでも吹いている。僕らの背を押す様に。
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「…そんなに花束を持ってどうしたんだ?」
「……誰にだって、弔いは必要です。
彼女の犠牲になった全ての人に、私から哀悼と贖罪を捧げます。」
荒れ果てた道の脇、電柱の隣に花束を。
「あの時、キミが彼女を連れて逃げてしまわないか、ワタシはヒヤヒヤしていたんだぞ。
…たとえ逃げたとしても、ワタシはキミのそばにいただろうな。」
彼女はタバコを地面に捨て、踏み潰す。
「やはり、ワタシはキミの、キミのそばにいたい。どうかもう一度、ワタシと共にいてくれないか?キミの望むことなら、なんだってする。」
「……考えておきます。」
ぱっと笑顔になり、普段のクールな表情とは、真逆の顔を私に見せる。あの時の私は、この笑顔に惹かれたのだったか。
「そろそろ時間です。また、会いましょう。」
小指を彼女の方へ差し向ける。
「……あぁ、約束だ。」
私たちの小指が、再び絡み合う。この感触が、どこか懐かしかった。
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よお。3日ぶりだな。
俺、お前の仇、ぶっ倒したぜ。
何話そっか。兄貴に一発入れられたことか。美味い飯屋を見つけたことか。いっぱい話したいことがあるんだ。
なぁ、だから。だから。
また、顔見せてくれよ。
喉奥が震える。
駄目だ。泣くわけにはいかねぇ。
お前、俺の目が綺麗って、言ってくれたもんな。その目を濡らすわけにはいかねぇ。
いつか、いつかまた会おうぜ。
きっと、また何処かで会える。
それまで、天国で見ててくれ。俺が、世界一かっこいいヒーローになってやる。
あ、そういやブルーブル、好きだったよな。持ってきたんだ。飲もうぜ。
ガラスコップに、一杯分注ぐ。こぼれないように、それを、地面にそっと置く。
それじゃ。
「乾杯。」
墓石に手に持つ缶をトン、って打ちつけた。
??「次章はあたしメインにしてちょうだい!ソル視点ばっかりで不公平よ!」
??「いや僕が主人公だか─」
??「主人公が毎章活躍するとは限らないのよ!」




