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スキルって何かしら?


「起きろ!起きろよ!おーきーろ!頼むから起きてくれ、頼む!」

「みゃ?」

「はっ、起きた!

……つーっかてめえ、いつまで寝てんだーっー!!!」

「??」


肩を揺さぶられている僕が目を開けると、目の前には少年がいた。

後ろには美少女が、心配そうに僕の顔を覗き込んでいる。


「大丈夫?あなた、木のうろに転がり込んだのよ。その時に頭を強く打ったみたいで……」

「頭を!?えーっと、9×7は36……あれ?」

「63だぞ。」


「大変だわ!この子、頭を強く打ったショックで……」

「……安心してくれ。俺はだんだんわかってきた。」


何が?


「こいつは間違えるのが()()なんだ。」

「あら、スタンダードってこと?なら大丈夫ね!」


美少女が胸をなでおろした。

……あれ?今何か失礼な事を言われた気がする……。


気のせいかな!


「あの。ところで。」

「ん?」

「クマロスはどこ?」

僕が聞くと、美少女がふふんと得意げに言った。


「私のスキル、サンダーで一撃よ!」

「すき、る?」


すきるとは。さっき聞いたよーな?

少しばかりすき焼きに似た言葉だ。すきるすきやき。すきやきたべたい。


「お前、さっき取得してただろ。叫んでたし。」

「え?そうなの?見せて見せて!」

少年が言うと、美少女が僕に近づいてきた。

「見せてと言われても、すきるとは……なに?……ですか?」


「別に敬語じゃなくて構わないわ。スキルっていうのわね、簡単に言うと、技よ。」

「わざ。」

美少女は頷いた。

「そう。技。スキルの取得条件はいろいろあるのだけど、それを満たすとスキルを手に入れられるの。」

技か。美少女戦士とか、仮面のヒーローとかが打つやつ……。


「ふぁあ。」

「ほら、スマホを出して?」

スマホ……スマホ……あ、あった。


「そんなところに入れてたの?」

「すごく落ちそうだな……」

少年と美少女の言う通りだ。

「バッグとかあればいいよねえ。」

僕がスマホを出すと、美少女もスマホを出した。


「ほら、ここ。スキルスイッチって書いてあるでしょ?」

本当だ。スキルスイッチと書かれたアプリが入ってる。


えい。ポチッとな。


画面が切り替わった!


「ここに、またアプリのようなものがあるでしょ?それが取得したスキルよ。」

「ほー。」

「スキルを使う時には、このアプリのスキルを押すの。使ってみせるわね?」

美少女は木のうろから出て、言った。


「スキルスイッチ![サンダー]ー!」


途端に、近くの木に雷が落ちて、木が死んだ。


「ひいいいっ!」

「ただ、ノーマルアタックと違って、連続で何十発も打つことができないのがダメなところなのよねー。その分、なにかしらの効果を付与していたり、威力は桁違いだけど。」


のーまるあたっくはよくわからないが、要するに、戦隊ものの必殺技のようなものかな?


「何十発も連続で打たれたら受ける方はたまったもんじゃないだろう。」

「それもそうね。[サンダー]のスキルはSPを10使うから…」

「そんなこと教えてもいいのか?」

「?」

美少女はキョトンとした。


少年がふっと息を吐いて言った。

「お人好し。」

???


今の会話のどこがお人好しだったのだろう……?


「あっ!」

「どうしたんだ?」

「どうしたの、えーっと……」

「あ、僕の名前?」

美少女はこくりと頷いた。

僕はこほんと咳払いをした。

「僕の名前は木隠らいう!らいうってよんでね!」

「じゃあらいうちゃん。どうしたの?」

そうそう、僕は重大なことを思い出したのだ。


「象が!」


「ぞう?」

僕は頷いて、続きを話そうとした。

「そう、象が、ピンクの象が……。

……………。」


少年が首を傾げた。


「が、どうしたんだ?」

「どうしたんだっけ。」

「いや俺に聞かれてもな。」


象が……どうしたのだっけ?

美少女がニコッと笑って言った。みんなでかい。もう気にしないことにした。


「まあ、じきに思い出すわよ。

私、ラストベルト・r………いいえ、サンク。サンク・ラストベルト。よろしくね。」


ラストベルトさん。外国人の人か〜通りで鼻筋が通っていると思った。


「よろしく!ラストベルトさん!」

僕が言うと、ラストベルトさんは少し不満気な顔をした。


「サンクでいいわよ。というかむしろサンクって呼んで……」

「分かった!よろしくサンク!」

少年がふっと息を吐いて言った。


「お前さ……」

「ん?」

「この、えー……サンク?がなんでいるかとか気になんないわけ?」

「気になる!」

「……」


少年は頭を抱えた。だって気になる?って聞かれたら気になるって答えるでしょ?気になるしー。


「あのね、らいうちゃん。別に怒ってはいないのだけれど、あなたがぶつかってきたの……。」

「ほう。」

「で、その後にクマロスが突進してきたから、サンダーで倒したのよ。」


クマロスが突進してくる前は、ハリモグラ五十匹の討伐をしていたらしい。のんあるあたっくだけで倒せたから、スキルを打てたるくらい何かがたまってたそうだ。えっと。えふぴー…クリスビー?だっけ。


「ほう。」

しばらくの沈黙。

少年が口を開いた。

「いや、謝るとかしようぜ?」

「ん、あ、ごめんなさい。」


「いいのよ〜全然気にしてないから。」

僕はさっきサンクが言ったことを思い出して、スキルスイッチを開いた。


「えっと、取得したスキルは……これ?かな?」

「どれどれ……」

サンクが僕のスマホを持って、スキルをタップした。


「詳細っと。」


画面に、スキルの説明のようなものかな?文章が出てきた。


(スキル「応援」

効果…パーティメンバーの耐久性、もしくは攻撃威力、または速度をアップ。

SP条件…他のスキルを十秒間使っていない時。SP1使用。

取得…自分は何もせず、応援し続けること。)


「取得条件が最悪だな。」

「でも、応援は力になるんだよ?」

「女児向けアニメの中ではね。」


スキルという概念が出てきました。

そして、サンクも出てきました。

ドリーマーカルスで、どのスキルを取得しようか悩んでいた子です。

スキルはとても便利な力です。

サンダーやファイア、後々出てくるウォーターメイキングなどの基礎的なものの他に、マジックに引っ張られる様なものもあります。

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