お祭りが終わったら?
リルとルイのところへ行った。
その道中で、何人か知り合いを拾ってきた。
ルイに焼いてもらった、とろけるようなお肉を口に入れる。
「んん〜まああああ!」
「本当に美味しいわね!
でも良かったの?私ももらっちゃって…‥?」
サンクがお肉のひと切れを美味しそうに頬張り、飲み込んでから言った。
「美味しいものはみんなで食べるのが一番だよ!」
僕がそう答えると、
「そ〜そ〜私もお肉〜いっぱい焼けて幸せ〜」
とルイが続けた。
「しょーせーたちも呼んでくれるとは思わなかったっす!」
「勝手に付いて来たんじゃないですか。」
「来なければよかったのに。」
ワープゥがにこにこ言うと、フューとサンクが暗い顔をした。ひっ。
「そんなこと言わないでくださいっすよ〜マイフィアンセ〜!」
「酔っているのかしら?」
「黙ってください変態赤毛。早めに警察に捕まってください。」
「ワープゥ様。アリオール様からの伝言です。羽目は外すな、と。」
サンクに抱きつこうとしたワープゥを、サンクとフューとメイドさんがげしげしと心をえぐっていく。僕だったら耐えられないよ。
うわああ。フューが杖を構えてなんか緑色の光を放ってるし、メイドさんは金属バッドに手をかけてるし、サンクは箸を…構えて…目を貫く気かな……?
後ろでルイが熱々の炭を密かにかまえてるし。
「あ。フューじゃないっすか〜!会えなくて寂しかったっすよ〜!」
「うるさいです。こっちに来ないでください。この美形好きの浮気男。」
「浮気じゃないっすよ〜!最終的には、ありおりゅしゃまくらいしか受け入れてくれないんっすからー!」
ちなみにアリオールはこの場にいない。珍しい?と思う。ワープゥと常に一緒にいるもんだと思ってたから。でもデスヘル討伐した時も一緒に居なかったな……彼の事を思い出すのはやめとこう、なんだか身震いしてきた。
たぶん、一位のなんやらこうたらがあるんだろう!
アリオールの愉快な仲間たちは、ワープゥとメイドさんと、あと数人くらいだ。他の人たちは個々で楽しんでいるらしい……きっとアリオールもなんらかしらの形でお祭りを楽しんでいることだろう。
うんうん。きっとそうに違いない。
少しばかり物騒なところから離れて、平和そうなところへ行く。
そこには、エパとビアンカとリルとジュンがいた……珍しいメンツ~。
「ちょ、ちょ、待つのである!この肉は我のである!渡さないのである!」
「だって、ビアンカ、お腹空いたああ!」
「ビアビア〜!はい、たこ焼き!」
ビアンカは、リルからもらった たこ焼き に爪楊枝を刺すが、なかなか刺さらない。
「食べれないーー!もう爪楊枝ごと食べてやるー!」
「ええええ!?ちょっと待って今リルリルも試してみるからあ!あっ!ホントだ刺さらないこれ不良品じゃん!」
「まあまあ貸してみるのである。ここはこう、重さを利用して…あれ?うまくいかないのである!」
あー。たこ焼きあるある……。僕も刺せたことない。
「ま、俺に任せろ。俺は勇者だからな、勇者パワーで」
「あ、刺さったのである。なるほど、中のタコを正確に突く事が大事なのであるね?」
一瞬でその場の賛美はエパに持ってかれていった。
ジュンがムカッとしたようで、たこ焼きを一つかっさらった。あんまりだ!同行者として恥ずかしい!
「ああああ!ビアンカのたこ焼きいいいい!」
「ちょい!リルリルも食べるんだから!」
四人でたこ焼きをつついている。そうなんだ……たこ焼きって、全部解体して中のタコを先に食べるんじゃなかったんだ……。
と、近くの茂み付近から、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
見覚えのある、手のひらサイズの赤いローブの人と、普通サイズの緑のローブの人、それから……一緒にいるのは……黄色いローブの人?見覚えがあるような無いような?
「ココらへんに商売の香りを感じたよ尉は?だけど商売の香りもうないね、どうしようかどうしようもないね、お祭りなのにちっとも売れないよ、こんなんじゃボスの計画丸つぶれだよ。元々あってないような実現できないような荒唐無稽でダメダメな計画だったけど、尉はそう思ってる、思ってたけど。」
「ほら、諦めて弐達もたこ焼き食べよう、ボスの金で。どっちに売ってたっけ?」
「確かあっちだったと思うよ、尉は自信を持ってそう言うし、合っていたら賛美してほしいよ、その上でたたえてほしい。どうせ渡も帆も兵も露も今頃計画を捨てて豪遊してるに違いないと尉はお腹が空いてるあまりに主張して見るよ!そう、ボスのお金を使うのは素晴らしいアイデアで大賛成だよ、さあ尉を賛えなよ。」
「そっか。それにしても人が多いな…もしもこれから進む方向にたこ焼き屋が無かったら尉をたこ焼きにしようか。そういうアイテムも並木堂にあったよな。」
「もちろんあると尉は言うよ!並木堂はゆりかごから墓場まで全て揃っているからね、いつでもなんでもござれであなたの人生に寄り添うよ!これは別にキャッチコピーってわけではないけど、モットーではあるよ!そして尉入りのたこ焼きはたこ焼きとは言わないし尉焼きはあまり美味しくないと尉は主張しておくよ!」
「ぜったいに とめたほうがいい このながれ……ふふ、お祭り……だから?覇も、今日は調子が良いなあ……」
……うん。やっぱり、お祭りはいい!うん!誰それをたこ焼きにするっていうのは……聞かなかったことにしよう!
僕はたぬきの姿でその集団から離れた。
あっ。
光が空を下から上に切る。
ひゅ〜
どーん!
光が顔に当たる。
やっぱり花火っていいね。
もっとたくさん見たかったな。
「らいうちゃーん!とうもろこし焼けたわよー!」
「え!?今行く!」
そして騒ぎ疲れた僕らは、ブルームの安宿で明日を待ったのであった。
アリオールは一体どこに?




