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スターとは?


「ほら。食べろ。」

僕が大きめのベンチに座って待っていると、そう言って少年はピザをくれた。このベンチ足つかない……ショック。

でもピザは美味しそう!じゅるり。

「いただいていいのっ!?いただいちゃうよ!?」

「いやいいだろう。別に聞かなくたって。食べろと言ってるんだから。」

いやっほい!

「いただきまーす!」

あはあ………おいっし。ピザなんて贅沢だなあ。いつもは節約のために自分でご飯を作るから。幸せ……。デリバリー最高。

む?自分で、ご飯?僕そんなに家庭的、だったっけ?なんか記憶がもーろーとしている気がする。


まあいいや。今はこのおいいしいピザを食すのが先だあ!


「美味しそうに食べるな。……まあ美味しいなら良かったが。」

少年は苦笑いしながらそう言った。

「ところでお前……モンスターを倒せない程弱いのか?」

ピザを口に頬張った時に聞かれたので、僕は手で口を押さえて言った。

「ふぉんすたってにゃんふぉへすか?」

「……飲み込んでからでいいぞ。」

少年がため息をつきながらそう言った。僕はピザを飲み込んだ。ふう。

「げふー……

もんすたってなんですか?」

「……?……モンスター……だぞ?」

「もんすたーってなんですか?」

「……モンスターだぞ?」

「うん。もんすたあってなんですか?」

「いや、だから、モンスターだぞ?」

「だーかーーーーら!もんすたあって何!?」

もんすたあ。語尾が上がる。どこかで聞いたような、気もする。

……栄養ドリンク?

「モンスターって、人を見ると攻撃してきて、倒すと経験値と金が手に入るあのモンスターだぞ?この夢の中では経験値ではなく金だけっぽいが。」

「お金。」

「この夢の世界の通貨の単位はスターだな。」

「そーなんだー」

僕はもう一度ピザに向き直った。

しばらく僕らの間を沈黙が、いや、僕が食事する音だけが響いた。もきゅもきゅ。ピザうま。

少年が口を開いた。

「お前絶対今適当に流しただろう!」

肩を揺すられている僕は、ピザを食べるのを一時中断しなければいけなかった。

「自分で聞いたくせに!そういうことすると泣くぞ!?」

「泣くの?」

「いや、泣かないが?」

「ならいいや。おーるおっけーかんどはりょうこうふぁいんぴれー。いただきます。」

「お前……ぐ、我慢だ、我慢だ俺。」

少年が拳を握って肩を震わせた。

泣いて……ないね。ならいいや。


少年はもう一度僕に向き直って口を開いた。

「で?お前そんなに弱いの?マジックは?スキルは?テクニックは?」

「うーん。なんでしょーねー」

僕らの間にまたもや沈黙が漂った。

少年が口を開いた。

「お前絶対今適当に流しただろう!」

突然肩を揺すられた僕は、口に加えていたピザを落とすところだった。

「危ないじゃんかー!」

「ああ、悪い………って、あ?今の俺が謝るところか?」

「うん。」

「こいつ……ぐ、我慢……いいか、相手はガキだ…我慢しろ…俺…」

少年はまたもや拳を握って僕に背を向けた。

僕はもう一回ピザを頬張った。あは〜美味しい!

少年はもう一回僕に向き直って言った。

「とりあえずお前のマジックを教えてくれ。そうすればどういう風に戦えばいいのか教えてやるから。」

このまろやかなトマトペースト!それと調和するとろけるチーズのしんふぉにい!

ふぇ?

「なに?ごめん聞いてなかった。」

「こいつーーーー!」

僕は肩を揺すられた。ピザをちょうど食べ終わったところだったので、別に今回は揺すられても僕に別条はない。

だから黙って揺すられていたら、少年は疲れたように手を離した。

そしてなんか棒を取り出して言った。あっ。これ、ぶき、じゃん。確か、ろんぐそーどとかいう…。

「お前一回斬られてみる?」

「ピザのように。」

お、ちょっと今僕うまかった。ピザだけに!?

少年はロングソードを僕に突きつけた。

「お前本当に斬ろうかな」

「わかった謝るごめんね?」

僕が誠心誠意謝ると少年はロングソードをしまった。

良かった〜。斬られなくて〜。しかし、僕のどこが悪かったのだろう。この少年は短気ではないだろうか。

……って言うとまた斬られそうになるかもしれないから黙っていよう。僕は少し賢くなった。そしてだんだんと世渡りが上手になった。ふふん。

「で、だ。お前のマジックを教えろと言っている。」

「僕のまじっくー?」

「普通はできないようなことができる不思議な力だ。なんかあるだろう?神子とやらに貰わなかったのか?」

「ふーん……」

僕はしばし考えた。まじっく……。

普段はできないこと……普段はできないこと……普段はないこと……。

「剣を突きつけられたりモンスターに襲われることかな?」

「それは不思議な力じゃなくてお前の性格と運の問題だろう!」

頭を振った少年は、なにも持ってないのに球を撫でるような仕草をしながら、ゆっくりと言った。

「例えば、物を浮かせたり、凍らせたり、燃やしたり、人の心を読んだり、未来を見たり、空を飛んだり、そうだな、あとは、モンスターを召喚したり。」

「ふへえ……」

そんなの僕できたっけ?

「なんかないのか?大魔法使いに変身したりだとか。」

……ああ!

「僕、狸に変身できるよ!」

「は?……は?」

少年は僕をまじまじと見た。そんなに信じられない?

「だから、狸に変身できるよー。」

「ちょっと待ったよく分からん。」

「あい、きゃあん、びかあむ、

……狸ってなんて言うんだっけ?」

「知らん。」

「あ、ラクーンドッグだ!そうそれ!あい、きゃあん」

「いや、もういい。英語はやめてくれ。」

えー……。

「なんだかよく分からないが、お前はたぬきに?変身できるんだろう。」

「そーそー!」

「……お前さ。」

ん?

「たぬきになりたかったのか?」

「別に?」

「え……そ、そうか……」

少年は悪いことを聞いた、というような顔をした。

別にたぬきに変身するのは悪いことじゃないと思うんだけど……。

「あー……えっと、残念だろうが気にすんな。あれだ、たぬきでも、十分、いや多分、いや、少しくらいは、いや、えっと、うん、戦える、だろうし……?」

引きつった笑顔で少年は言う。んー?うん。

「戦うっていうのはよく分からないけど、たぬきは強いよー!多分哺乳類最強。」

「それは違う。」

えーっ?僕の中って狸って、かわいい顔して鋭い爪。鋭い牙のイメージなんだけど。逃げ足も速そう。

「例えばヒグマに会ったら勝てんだろう。」

「そんなことない!とおもう!」

ヒグマかあ。たぬきvs.ヒグマ。

ヒグマの咆哮。たぬき逃げる。

たぬきパンチ。ヒグマ逆上。

ヒグマパンチ。たぬき山の頂上へ。ウサギとカメなら一位だね。

あれ……たぬきどうやって勝つのだろう?

「たぬきは、哺乳類の中で一番、その、かわいい。」

「強い路線で言うのを諦めたな。

今は……もう9時か。」

お日様はだんだんと空高く昇ってきた。あ、直接見たら眩しい。こう、紫色の光がゆわわわーんと。

少年はしばし考え込んで、僕に言った。

「金稼ぎに、狩りに行ってみるか?」

「お金稼ぎに?」

お金稼ぎに、というのはどういうことだろうか?

「ああ。さっき言っただろう?モンスターからは金が落ちてくるって。」

それって、まさか、

「サイノツノ……!」

「ぱ?」

「それで、密猟に行くわけー?密猟はダメだよ!絶滅なんちゃらに指定される動物が増えるから!」

「いや、モンスターは人を襲うから……依頼としてドリーマーカルスに入ってるんだよ。そこから俺たちは受注してモンスターを倒しに行くの。決して密猟じゃないからな?」

「つまり……鹿猟とか猪猟みたいなもん?」

「ん?んー?ま、まあ、そう……か?」

なるほどー!おっけーおっけー。桶の雨〜。


モンスター、イコール害獣。

つまり、駆除しなきゃいけない、外来種みたいなものかな。グリーンイグアナとか。

きっと過去、人間が飼っていて、不法に投棄されたに違いない。

そして増殖したんだな!

「じゃあ。まずはドリーマーカルスに行こう。」

「りょーかい!」


……ドリーマーカルスってなんだろう?


今日はもう寝るつもりでしたが、とりあえず主人公の名前が出るくらいまでは今掲載しようと思います。

だんだんここでしか使わない用語が出てきましたね。

ドリーマーズワールドの通貨単位はスターです。

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