ぴいぶいぴーって何ですか?
ブルームは、僕が初めて降り立ったときよりも、ずっと賑わっていた。屋台…のようなものがいっぱい出ている。
「よく観戦できる、超望遠双眼鏡だよ!スプラッシュバードの眼球を使った高級品さ!」
「美味しい美味しい、チョコバナナはいかが!?ストーンモス直送のバナナだよ!」
「ロロロロロロ、ロード、ドの魚!魚を、焼いた、やつ、です!焼き魚!食べてください!」
歩いていると、イベント、とか、プレイヤーキル、なんて言葉が聞こえてきた。
イベント?うーん…お祭りかなあ?お祭りなら好きだよ?
「ルイー、何かあるの?」
「えっ?……あ~もしかして〜たぬきさん知らないの〜?」
ルイが驚いたように僕に聞いた。僕は首を縦に振った。
「え〜っとね〜、誰だかは忘れちゃったけど〜、昔~?何かの有志の集まりで〜、PVP戦を〜開催しようって〜事に〜なったんだって〜。それが今でも続いてて~3日後に、第一予選なんだよ〜。」
ぴいぶいぴいせん。
……なるほど。おせんべいの仲間だな!ぴいぶいぴいせんべい屋を開店しようとしているのか!
「へえ〜!美味しそうだね!」
「たぬきさん……怖い〜」
えっ。僕怖いの!?そんなに鬼気迫る顔してたかなあ?確かにおせんべい嫌いじゃないけど、そんな顔はしてないよ?
「たぬきさん~?みんなをがぶがぶするの~?やっぱりモンスターさんだから~?」
んー?んんんー?
……まさか!みんながせんべいにされるの!?せんべいの材料なの!?
「か…帰る……!」
「あっ……やっぱり〜?そうだよね~……人の形をしたものを倒すなんて猟奇的なこと、したくないよね〜……?」
ルイがしょんぼりした。
「このイベントね、100位以内に入れれば、特別な獣肉、が手に入るんだって~、それでね、もうすぐ」
とまで言った所で、ルイは口をつぐんだ。
なんだか……今日のルイはおっとりしている、というよりも、やっぱり何かを隠している気がする。
「……えっとね、とにかく、私、ルイは~、このイベントで100位以内に入りたいんだ~。」
やっぱり何かを誤魔化すようにルイは言った。まあ、僕は気にしないけどさー。なにかその、特別な肉ってやつをどうしても欲しい理由があるに違いない。でも、無理矢理理由を聞いたって、本音が聞ける気はしないし。
「ん…人でおせんべいを作るのは反対だけど、まあ、僕にできることなら手伝おうかな。」
「え?」
…………。
……………………。
あ。ぴいぶいぴいせんっておせんべいの事じゃないんだ……。
「たぬきさん。」
「うん。」
「PVP戦って、なんだか分かってないよね〜。」
「はい。」
くっ……もう大分物知りになったと思ってたのにっ!まだこの世に僕の知らない事があるとは!何たる不覚!
僕の脳内たぬきが全員膝をついて意気消沈中。ああ…たぬき分裂終わったんだね。
フューと会ったときにはじめて観測した脳内たぬきの無性生殖は、合計で……ひーふーみーよー……ああ、数え切れない。多分、100匹より多いくらい!200までは…多分いってないと、思う……くらいで一旦打ち止めになったみたいだ。うーん、うじゃうじゃ。
「たぬきさん、PVP戦っていうのはね〜プレイヤー対プレイヤーの戦いの事だよ〜。」
ぷれいやー?ぷれいやーってなに?
「ぷれいやーとは……?」
「えっ……えっとね〜、プレイヤーっていうのは〜、その〜…私達のことだよ〜。」
そうなのか!
つまり、Weと同じ意味か!
そうかそうか〜。
……戦うの?
「えっと。」
「も〜少しわかりやすく説明すると〜、例えば、私とたぬきさんが戦うことだよ〜」
それを、PvP戦と。
「ルイと戦うの?」
「今回は〜私とたぬきさんでパーティーを組んで〜、他のパーティーの人と〜戦うの〜」
うーん……。面白くはなさそうだ。
「たぬきさん〜!お願い〜!たぬきさん以外に、今一緒にイベントに参加してくれそうな人いないの〜!」
ルイが僕に向かって頭を下げた。
うむう……。
僕がここまで頼りにされているのも珍しい。
だから、やっぱり、
言うこと聞きたくなっちゃうよねえ〜!!!
「いいよ!僕がんばる!」
「たぬきさ〜ん!」
ドリーマー戦線は年に一回の大型イベント!
たくさんの出店があちこちに並びます、スタート場所はブルームですが、参加しないドリーマーはあちこちの都市でこの試合を見ていることでしょう。ですので、ドリーマーズワールド全体が熱気に包まれる時期なのです。




