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捕獲される事は無かったんじゃないかって?




僕が彼、ジュンの名を呼ぶと同時に、ジュンは消えた。





僕と、フュー、それにビアンカはうまくその事実を受け入れられなくて、硬直した。


「ボクの、勝ちだね。」


アリオールが静かに言った。

その声に呼応するかのように、アリオールのお腹の発光が収まり、剣が落ちて割れた。

アリオールを、緑色と青色の光が包む。

あ、回復……。


「よくも、オオカミをー!!!」

突然、ビアンカが叫んだ。


「どうしたの?さっきまで戦いをたきつけていた食いしん坊?」


その声で、僕は再度頭が回るようになった。

いや、再度って言い方はおかしいな。ふわふわしていた足が、地面についたみたいだ。


僕が蟻に追いかけられて崖から落ちたとき、僕はどうなった?

答え。神様の所に行った。


つまり、ジュンは、死んでいないことになる。

…いやまあ、死んでるんですけども。

……死んでるって言い方じゃなくて、倒れたって言い方にしようか。


この世界で倒れたら神様の所に行って、再復活できるのだと仮定したら?



そうしてビアンカを見ると、非常に凶暴な目をしていた。僕の頭は、なんか、ビアンカがしでかしそうなことがなんとなーく感じ取れて、急に回らなくなった。あの、もとのふわっふわした感じに。


んう……少しばかりよくない……。色々とー。


「まじっくおーぷん![あにまるになれ!]」

ビアンカが叫んだ。


もう叫ぶ声は聞き慣れた僕の耳が、次の瞬間、ビアンカがどうなるかを判断する材料を脳に届けた。


僕は猛獣に変身したビアンカがアリオールに飛びかかるのを、後ろから羽交い締めにした。特になんにも考えず取った行動だった。


ビアンカのマジックって、本人にも効果があったんだ……。


それに、意外だった。不思議だった。

猛獣であるはずのビアンカの太く、毛深い腕はもともとのビアンカと同じで細い女の子の手であったし、尻尾も、触れたら消えた事が。これじゃあもふれない。いや、もふるつもりはなかったよ!?なかったけどね!?

じゃあ、さっきの、狼のジュンも、狐のフューも、全てまやかし?


僕のマジックは実際に体が変化する。たぶん。視界が低くなることと、実際にサンクがたぬき状態の僕を抱き上げられたことで証明済みだ。


つまり、ビアンカのマジックは、幻影を見せるマジックってことかあ。

の、割にはジュンがいつもより強かったな?

うーん……?


ふむ……僕はたぬきの状態でジュンにくわえられたけど、あれ僕がもし万が一人型の状態だったら、少しばかりジュンやばいやつだな。……いや、たぬきの状態でも、十分ジュンやばいやつだったな。


でも、幻影だからといってビアンカが弱いわけではない。

人間一人を空高く放れる怪力を持っているのだから。


まあそれで、僕が敵うはずがなかったのだ。

ビアンカが、僕の拘束を振りほどきアリオールに飛びかかった。

あ。アリオール死んだかも。

……それはそれで良いのかな……

ううん、ビアンカが殺人なんて汚名を着せられるのは、嫌かも。


でも、アリオールがひょいっと横に避けたので、ビアンカはそのまま突っ込んでいって、闘技場の壁を壊した。すごい。……じゃない!


「ビアンカ!」

僕は思わず、また叫んだ。


「テレポートだ。彼女も連れていけ。」

「りょーです。アリオール様ー。」

その穴の外から、男の子の声が聞こえた。


え、なになになになに!?ちょ、僕はビアンカのところに、


僕は、お腹を殴られたみたいな衝撃を感じた。


そのまま、お腹を折れ目にして、くの字に曲がる。



そして、ぎゅっと押し縮められるような気持ちが悪い感覚。

これは…

二度と経験したくない……。



そのまま、僕の視界はブラックアウトした。



ビアンカのマジックは、

[あにまるになれ!]

任意のドリーマー1体をランダムな動物へと変身させる。変化中、該当ドリーマーの能力値は変化後の動物に依存する様になる。「あにまるにならなかった」で解除可能。

ですが、見た目は幻視です。


もう一人、最後にらいうに瞬間移動を使った男の子は、これ以降登場する予定はないので名前が無く、

[テレポート]

任意の場所に瞬間移動する。対象を選択することで共にとぶ事ができる。ただし、共にテレポートした者への負担は大きく、しばらく吐き気を催すほどの衝撃を受ける。また、0.5秒のクールタイムがある。

というマジックの設定のみがあります。

要望があれば番外編とかでは出るかも。

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