熱風
一時間後。
僕とジュンとフューは気球から地上を見下ろした。
海だ。赤い海。
血じゃない。もちろんそんなわけがない。
夕日が海を赤く染めているだけだ。
「…もうすぐ日が沈むね。」
「……ああ……」
「………」
ジュンとフューはすっかり疲れているのか、いつもよりもだいぶ無口だった。
疲れている、というよりかは何かを思い詰めている?
僕もどっと疲れているようで、眠気が僕を襲った。
ああ。
無口なんじゃなくて、フューもジュンももうすっかり寝ていたのか。
僕も、もう……。
意識が途切れる、意識が、消えて、そして、
熱さを感じる。
重くなる瞼が、少しばかりだけ、抵抗する。
その姿を、乾いた目が捉える。
赤い竜だ。
角は根本が青くて、先っぽが白色。きれいなグラデーションだ。
尻尾は二つ。
片方はひしゃくのような形をしていて、片方は炎が燃えている。
それが、赤い海の上を飛んでいる。
僕らが乗ってる気球くらい、大きい。
見てると、体が、震えて、気球から身を投げ出したくなる。
百獣の王だ、
その名のとおりだ、
ちっぽけなたぬきじゃ絶対かなわない
キングビーストだ
砂漠の熱風より熱い熱風が、気球を、巻き込んで、砂漠が、見えなくなって、気球は、あおられて、海を越えた
……と思う。
だってもうその頃には、
僕の意識は、とっくのとうに真っ黒になってたから。
5/14 に大幅改稿しました。
キングビーストの描写を追加いたしました。
今のらいう達ではキングビーストには勝てないです。




