5月−2
起きた。
いつも通り、学校に行かなければならない。
そう、いつも通り。本当は行きたくない。
けれど、学校は行かなきゃいけない。そういう重圧が私を、私達を動かす。
行きたくないなら行かなくていいって、誰かが言ってくれるのを待っている。
ただ、言われたとしても私達は学校に行くんだろう。
変だ。
変だ。
変だ。
やりたくないことは、やらなければいいのに。
人間は、そうはいかない。
……誰かがそう言っていた気がする。
……………。
要するに、きっと、朝早く起きたくない。その一言に尽きる。そうに違いない。
それが、最近はなくなった。
なくなったから、行きたくなくなる理由がなくなった。
少しばかり困りものだ。
遅刻して、どうして遅れたのって言われて、寝坊ですと嘘がつけなくなったのだから。
学校から、始業時間が遅れるというメールが来た。もやしをむしゃりながらメールを開く。
毎朝のことだ。もうイレギュラーじゃない。
夢を見るのはたまになのに、起きる時間は常に同じ。眠る時間もたまになのに。
簡単なことだ。遠くに住んでいる人は六時よりも早くに起きて、学校に通っていたのだ。
……そろそろ固定化したら如何かとおもう。
毎日メールを送るなんて、何という非効率さだろうか。
二度寝ができないならばしょうがない。
少し散歩にでも行こうか。それとも、もやしをもっと食べようか?
決して広いとは言えない部屋なのに、一人だと、やけに広く感じる。
からっぽだ、からっぽ。
昔から、こういうからっぽさ、つまりは空虚さが苦手だった気がする。
何かが、這い寄ってくる気がして。
だがその一方で、人混みも苦手だった。いや、これは今でも苦手だな。どうしてだろうか。
じゃあ、私はどこなら満足なんだ?
つまらない。
したいことがない。
やりたいことがない。
そんな日常が、また、再度、訪れようと、
いや、もう既に訪れている。
……いつか、こんな日常が終わることを、
私達は夢に見ていた。
五月病なのか、木隠が常に考えている事なのか、それとも誰かの記憶なのか。




