死ぬって何ですか?
僕はジャイアントアントを探しに森へ入った。
ジャイアントアント。というからには、大き〜いアリなのだろう!まだ会ったことがないのでモンスター図鑑には載っていない。
少しばかり、ワクワクする僕だった。
しかし、全然見つからない。
とにかく見つからない。
僕はしばらく考えた。
「……スキルスイッチ![挑発]!」
僕はスキルを使った!
「発動不可能です発動不可能です発動不可能です……」
発動不可能、だってさ!
あれ、モンスターがいっぱい出てきたよ……!?
何か、やばい気がする。
こう……なんていうんだろう……みんな僕を見ているような。
スキル「餌」を獲得しました。
ほう。
(スキル「餌」
効果…ランダムに近くにいる敵20体をおびき寄せる。(ボスモンスター、ドリーマー除く)
SP…10
取得条件…攻撃的モンスターの近くで挑発を使う。)
攻撃的モンスターって、なんだろうね。僕は画面の文字を追った。
うん。
うんうん。
でも、発動不可能ですって言われたのに、使ったことになるんだなあ。ふしぎー。
……それとも、ただうるさくて、寄ってきたのかな?
口をかっしゃんかっしゃん言わせて、こちらを見ているジャイアントアント。その目は確かにそう言ってる。
目、怖いなー……。
スマホの通知音が少しばかり、うるさい。きっと、ジャイアントアントの情報がモンスター図鑑に登録されました!とかなんだろうなあ……。僕は今、全然そんな状況じゃないよー?
僕は目を合わせながら一歩下がって……たぬきに変身した!
「マジックオープン[たぬき変身]!」
これ以上ない早口!!
だーーーーっしゅ!
「キシャアアアアアア!」
「ぬーーー!?」
途端に、たくさんのアリが追いかけてきた。大きいねーー!やっぱり大きかったねーー!
僕くらいあるねーー!ジャイアントアントーーー!
「たぇぬーーー!」
僕は森の出口に向かって必死に走った。
後ろからアリが多く、それはもうたくさん、追いかけてくる!
あと少しなんだ、あと少し……あと少しばかりで、届くはずで……
森の出口に、僕の前足が届く直前、とうとう、とうとうアリが僕に追いついて、僕をその痛そうな顎で、噛もうとした。
「キシャアアアアアア!」
いやあああ!
僕は渾身の力を振り絞って身をよじって、その牙から逃れた。
どんどんアリが離れていく……。
あっ。と思った時にはもう、僕は崖から落ちていた……。
……街に続く森の出口じゃなくて、崖に続く森の出口だったみたい……
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
目を、開けた。
真っ白、だ……。
「えー、や。おほんおほん。おほんのほん。
こんにちは。神様です。」
そこには、どことなく見覚えのある髪色の、アフリカっぽい仮面をつけている人がいた。服装はスーツ……。
「えっと、こんにちは?神様。」
「とりあえず、あなたは一回死んだので、一つだけ願いを叶えてまた生き返らせますね。何が良いですか。もっと足が速くなりたいですか。それとも、もっと頭がよくなりたいですか。」
神様は僕に向かってそう、まくし立てた。
……まるで、その言い方だと僕が鈍足で頭が悪いと言われているような気分。
「ええ。頭が悪いというよりは、要領が悪いというか、後先考えないというか、不器用というか。」
「えー。僕ってそんなにダメかなあ?」
「そこよりももっと、心を透視されたことに驚いてくださいよ!神様形無しじゃあないですか!」
せっかく神様なのにプンスカプンとその、あふりかみさまは言った。
「なんなんですかあふりかみさまって。語呂良いですね。くそう。」
そうじゃなくてと、神様はふうとため息をついた。
「で、願いをとっとと言ってください。あとがつかえてるんです。」
「ん。じゃあね、僕、巨大化したい。」
「は?」
「たぬきの状態で巨大化できるようになりたい!そうすれば、アリ集団も怖くないでしょ!」
僕ながら良いアイデアだと思う。僕が巨大化すれば〜〜!馬車に乗らずにひとっっっ飛び!びゅーんっ!
「本当に、それで良いんですか?」
「ん?巨大化、すごい良いと思うけど……?」
「良いんですね。そうですか。そうですね。良いなら良いんです。では、神スキル「巨大化」をお渡ししますね。」
良いんだー。へー。と神様は意味深な言葉遣いをしている。すっごく強そうなスキルだと思うんだけど……?
神スキル「巨大化」
効果…なにがあろうとも巨大化する。効果時間は10分。この間はSPが0でも動ける。また、移動速度が分速100kmになる。
SP…100
取得条件…死んで、神様からもらう。
「では。アーチに転送します。またのお越しをお待ちしてません。」
うわー!?
僕は眩しい光に包まれた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ここは……?」
そこは、最初に来た場所だった。
あの時は周りの木が多くあったし、何が何だか分かんなかったけど、改めて見ると、床には何か変な模様が大きく書かれていることがわかった。
IMAKOKONIDREAMERWOSYOUKANNSARETARIMAKOKONIDREAMERWOSYOUKANNSARETARI……
謎の文字列が円状に並んでいる……。
ま。いいや。
アーチ?だっけ。神様が言ってたの。ここの名前なのかなあ?
僕がまっすぐ道を進んでいると、一番最初に来た街に到着した。
なんか入り口みたいなところにbloomって書いてある。筆記体!かっこいい!この町の……名前?
「あっ!?らいうちゃーーん!」
「あ。サンク。」
あ、じゃないわよあじゃ!とサンクに言われた。
「僕一回死んだんだよー?らしいよー?」
「え!?」
あれ?僕ってなんのためにジャイアントアント、倒しに行ったんだっけ?
ドリーマーズワールドで死ぬとどうなるか、という話でした。
でも死の条件は変わっていくし、いつも同じとは限らない。そうですよね。
……物語の中でも無いのに、ちょっと格好付けすぎた言い回しだったかもしれません。恥ずかしい。
実の事を言うと、後書きに書くネタがだんだん尽きてきたんです。




