マップ移動ってなんですか?
「よーーしっ!ついた〜!」
思っていたより近かった、最初に来た大きな街に僕はまた、たどり着いた。なんて名前だっけこの街、えーっとえー……
……まあいいか。
リルとルイはごめん、ドリーマーカルスに用事があるから!と言うので、街の手前でバイバイした。
僕は大きく背伸びをして、この街を見渡してみた。
うんうん。
最初にこの街に入った時よりも随分とこの、世界?に慣れてきたような気がする!
……まあ、"気がする"だけで、人や物の名前は覚えられないし、倒したモンスターといえば、二匹?いや三匹くらい?
……嘘じゃないよ!僕、囮として頑張ったもん。たぬきだけど。
でも、やっぱり知らないことは知っていることになった。それって大きな進歩だよね?そうだよね?
教えてもらったご飯屋さんに入って、美味しそうなサンドウィッチを頼み、僕はそれを頬張った。
シャキシャキレタス!旨味滲み出るハム!美味しい!
お腹がいっぱいになって、少しばかり余裕が出てきた僕は、街を散策することにした。
人助けポイントっていうのがあるなら、悪人はいなさそうだしね。……いないといいなあ。
クリーム色の(道中ルイに聞いたんだけど、テラコッタタイルっていうらしい。パンナコッタの仲間かも。)地面の上を、白いブーツで小気味いい音を鳴らしながら歩く。
ぱからっぱからっぱからっ
いっぱいお店があるなあ〜。ウィンドウショッピングでもしようかな!
僕はお店のショーウィンドウを一軒ずつ見ていった。
おお……派手な帽子。うわあーなんだか痛そうな剣。名前が。特に。魔剣デストロイマーチ。僕にはこのセンスは分からない。でも、あの少年は好きかもしれない。ブルームやっつけた後、にやにやしてて気持ち悪かったし。
お?ここは杖専門店かな?僕の服装に似合いそうな白い杖が、ショーウィンドウに飾ってある。サンクのサンダーかっこ良かったよなあ……あんなの使えたら……
僕は想像した。ショーウィンドウの白い杖を握って、急に街を襲ってきた、国の秘密組織が実験で失敗したことによってできた巨大化した獰猛なクマロスに一人で立ち向かう、僕。
「らいうちゃん!逃げて!踏み潰されちゃうわ!」
「ふふふ。サンクこそ。逃げて。ここは僕が食い止める。」
僕はキメ顔でそう言って、
そしてスマホを取り出して、
スキルスイッチを開いて……あ。潰された。
だめだこりゃ。かっこつけてるとあっという間に死んじゃう……。
僕は森の中のクマロスの姿を頭に思い浮かべた。
太い爪。鋭い牙。硬い毛。
サンクがサンダーで倒した、あのクマロス……。
今の僕だったら倒せる?だって、いつかはお金は尽きる。
「えいえいおー!」
「ガブッ」
あっ。死んだ。
……え?死ぬの?そうだよね……。だってあんな爪で引き裂かれたら……。
今まで深く考えていなかったけれど、よくよく考えてみるとすごく今、僕は……危険な事をしていることに気がついた。
あの時も、あの時も、危なかったよね?
どうすればいいのだろう?
強くなればいい?
この世界から出られればいい?
……この世界って、何?
なんだか一人ぼっちになったような気持ちになって、すごく怖くなった僕は、近くにあったお店に入ろうと思った。誰かと話せば気がまぎれる。……と思う。
黒いドア。ヒトの頭蓋骨のホネ……を模したドアノック。
いわゆる、怪しい店だ……。ドキドキ、だ……。
僕がそっとドアを開けると、黄フードの人物がこちらを見て言った。……なんか変なお面?つけてる……あれ、あれだよ、能とかで使うやつ。目が細ーくて、とにかく、怖い。
「まだ……営業時間外……なんですけど……ボス…帰ってきて…ないから……。ああ、だから一人でお留守番……したくなかったのに……」
でも思ったより声は可愛らしくて怖くない。
「そ、そうなの?くろーずどとか書いてなかったよ?」
「むくろのめ ひからなざるば はいるべからず
……字余り、説明しなきゃいけない……骸骨の目が光っていなかったら営業時間外、です……。」
そういえば。そうかも。光ってなかった、かも。でも頭蓋骨の目って光るっけ?
ふむう……。
僕は出てって出てってと怖お面黄フードに背中を押される中、視界の端に黒い爪みたいなのを見つけた。まるでクマロスの爪みたいな……?
「あれ何?」
「えらばれし もうじゅうのみが つかうぶき
……ぴったり。…えへへ。
ここらいったい ぜんぶそうかも
……調子良いかも……」
ふーん?
僕は何気なく視線をドアに戻そうとしたが、途中にあった黒いグローブが目に入った。
「あっ!これ何?」
「それもぶき……」
「どんな?」
「なぐりなぐり だげきこうげき にばいにばい
……全然だめ、説明します、……手を使った打撃攻撃を二倍の威力にします……。
「欲しい!」
「おかいあげ どうもありがと かんしゃです」
僕はスマホで会計した。
そして、黒いグローブをつけた。
(テクニック「フィットツール」
効果…道具が手に馴染むようになる。自分にピッタリのサイズ!
取得条件…道具を手に入れる)
そしてそのまま僕は、背中を押されるまま店の外に出た。いや……追い出された?
日差しは眩しくて、僕は思わず目を細めた。
やっぱり、さっきの黒い爪、欲しいかも……。
どうしてもさっきの黒い爪が気になった僕は、後ろを向いて黄フードに聞こうとした。もうお面は怖くなくなった。
でも、そこには太陽の熱で陽炎のように揺れる細い道しかなくて、そのお店はなかった。
まぼろし?夢……?
夢?
「おーい!らいう!」
「らいうちゃーん!」
なんだか聞き慣れた声がして、僕は振り返った。誰だろう?ううん、僕はこの声を知っている。
「わー!サンクー!」
僕は二人に駆け寄った。
「探したのよらいうちゃん。いきなり、ドラゴンと戦っている間にいなくなるから、どうしたのかと。」
「まったく。戦闘を放棄して自分だけ逃げるとか。どうかと思うぞ?」
別に逃げたわけじゃないんだけど……。
「ええっとね。僕はたぬきになることができるんだけど。」
サンクと少年はきょとんとしたような顔をした。
「だから、あの時も逃げたわけじゃなくてたぬきで。たぬきになってて。あ、でも、もう僕、自由にたぬきになれるから、もういきなり消えたりはしない。と思うよ?」
サンクがこめかみに手を当てて唸った。
「ええっと……それはつまり、たぬちゃんがらいうちゃんって事?」
「そういう事。」
へえ〜っとサンクが言い、なんだあじゃあたぬちゃんもといらいうちゃんもちゃんと戦闘参加してたのねえと言い、僕の手をとってニコッとした。
いや〜。良かったすぐ信じてくれて
「いやいやいやいや、おかしいだろう!なんでそれで納得してるんだよ!?」
少年が突然大声をあげた。
うわあビックリした。
「え?どうして?だってたぬちゃ…らいうちゃんはこう言ってるじゃない?」
「そうだよー?何もおかしくなんかないよー?」
僕らがきょとりと少年を見ると、少年は頭を抱えた。と、いうか、この少年には…話してた、よね?
「いや、だって。俺のマジックは氷の剣を創り出す能力で。サンクの能力は予知能力。どちらも自分の身は変化せず、それに、こう…カッケー能力で!今まで俺が冒険してても、獣に変身する能力者とか皆無だったし!おかしいだろう!自分の身が変化して、しかもたぬきなんて使えない獣に変化するとか!冗談も長引くと冗談じゃなくなるぞ!?」
ほーん。
「じゃあライオンだったら信じた?」
「ああ。」
ライオンは群れで行動するんだよ、だから、
そっちの方がおかしいと思うけどなー。
あれ。……たぬきは……群れ?
「じゃあ。ここで変身してみせようか!」
「ああ。本当に変身できるのならな。」
よーし!言ったね?
うみゅみゅみゅみゅみゅ……
たぬきにーーーなれーーーー!
「マジックオープン![たぬき変身]!」
ぽふんと間の抜けた音がして、僕の視界が低くなった。
「マジか。」
「たぬー!」
本気だよー!ホントだよー!
少年が頭を抱えてうずくまった。最初に知り合う仲間がこれって、まじかよ…とか言ってる。いいじゃないか。たぬき。
「ねえらいうちゃん。あなたはたぬきになっていると何ができるの?」
僕は考えた。
「たぬったぬたぬたぬ!たぬたーぬ!」
囮になれるよ!
「その状態だと……意思の疎通は不可能みたいだな……」
どうせなら召喚能力者だったら良かったのになとかわいそうな子を見る目で僕を見る少年。
「ぬ?」
僕は元の姿に戻った。
「ね?本当だったでしょ?」
「あ。うん。悪かったよ疑って。……ただ、あれは……たぬきなのか?」
「たぬき、というにはなんだか耳も丸いし、どこか間の抜けた顔をしているわよね……」
ちょっとグサ。間の抜けた……?
「たぬきだよ……」
サンクと少年には会えた。お腹は膨れている。所持金は夕食を食べるのにはちょっと足りないくらい……寝る場所は木のうろで良いとしても、シャワーくらいは浴びたい。
またモンスターを倒しに行けば良いのかな?それとも、別の方法でお金が稼げないかなあ。
「ねえねえ。」
僕らは誰も何も言ってないけれど、いつの間にか自然に、どこかに向けて歩いていた。
「ん?なあにらいうちゃん。」
「モンスターを倒す以外に、お金を稼ぐ方法はないの?」
「そうだな……街の清掃ボランティアとかか?小型モンスターは街に湧く事があるからな、その清掃をする仕事がある。」
少年が思い出しながら言った。
「少年。それはモンスターを倒すって事に入ると思うんだけど……。」
「俺の名前は少年じゃなくジュンだ!なんで忘れてんだよ!そんな風に名無しのモブキャラのような扱いはやめろ!」
まったく……俺は未来の勇者だぞ……魔王を倒して……氷の剣士として歴史書に載るんだ……とブツブツ、ジュンは文句を言っている。そうか、ジュンか。忘れてた。
「そうねえ。あるにはあると思うけど……。例えばあの喫茶店で働くとか?でもねえ、らいうちゃん。それは一番最初に願っとかないと。ぴったりのマジックがないと、やっぱり難しいと思うわよ?」
「そっかあ。それなら、僕はサーカスをするしかないか。サンク一緒にやらない?」
「いやよ。私のマジック聞いたでしょ?未来が見える能力よ。」
未来かあ……。
「未来が見えるってどんな感じ?」
「そうねえ。ちょっと景色が揺らいで見えるわね。」
そんな変な感じはしないわよ。とサンクは言った。へえ〜……。
「そういえば、サンクの武器って杖だよね。武器って、他にどんなのがあるの?」
サンクが持つ杖は、あの緑色のドラゴンのような杖だ。
「んー……。杖とか……剣、とか。」
あとは〜とサンクは微妙な顔をした。
「武器の種類はお前の10本の指じゃ数えられないくらいある。人の名前を忘れる様なやつが覚えられる量じゃないからな。お前は、使うやつ以外把握してなくて良いだろ。」
「えー!ごめん本当にごめんって僕知りたい!」
うるさいうるさいとジュンは手を振った。なんだか、僕に対する扱いがみんな小さい子向けじゃないか?適当だし。
名前忘れてたのは悪かったって……
サンクについていったら、目的地らしきとこにはあっという間に着いた。
あれ、ここってドリーマーカルス?にしてはちょっと違うような?
「これは誰かの陰謀に違いない……俺のような勇者はやはり魔王に注目されているんだな……」
とジュンはブツブツ呟いていたが、まあ着いたからいいんじゃないかな?どこだか分かんないけど。
「ねえサンクう…ここどこお?」
「心細い声を出さなくても大丈夫よ、らいうちゃん。ここはドリーマーカルス、ドリーマーが集う場所よ。」
「というからいう、一度お前来ただろ。」
僕らはドリーマーカルスに足を踏み入れた。ホントだ、中まで入ると見覚えがあるな?
なにやら騒がしいが、とりあえず今日の分のクエストを貰っていこう……。
スマホを操作していると、なんとルイとリルが僕を呼ぶ声がした。
「おーーい!たぬたぬ!こっちこっち!」
「だぁれ?あの人たち?」
「僕を街まで送り届けてくれた人たちだよ。おーーい!」
僕はジュンを大きなモニターの前に置いたまま、サンクを連れてルイとリルの近くへ行った。
「わあ!たぬたぬ会えたんだね!よかったね!」
「ありがと!」
それにしても人が多い。昨日よりももっと……昨日?昨日って、僕は……あえ、あっあわーー潰される〜!
「なんで、こんなに、人が多いのー!?」
「緊急クエストがあるからだよ〜。スマホにメールが来なかった?」
メール。そんな機能もあるんだ……。
「これのためにドリーマーカルスに来たのよ。こほんっ!
緊急クエスト!
突如砂漠の街に現れた、炎のドラゴン キングビーストを討伐せよ!」
サンクがどうしてかえっへんと、スマホ画面を見せてくれた。
キングビースト……。獣の王?
つまり……ライオン??
「でも、ここ砂漠の街じゃない……よね?」
明らかに砂漠というよりも森が多い。
「そうねえ。どうすればいいのかしら。」
「噂では、このあとドリーマーカルスの人から説明があるんだって!」
そっかあ。じゃあ待とうかなあ〜。
僕は少々お腹が空いてきたので、料理スキルの事を思い出した。
ドリーマーカルスの人に聞けば教えてくれるかも!
ドリーマーカルスのカウンターに人の間を縫いながら歩いて行くと、
「料理スキルの習得ができる!」
みたいな看板を見つけた。
「こんにちは。こちらは、人助けポイント交換所です。」
メニューが置いてある。
「あの、料理スキルの習得ができるんですか?」
「はい。特典で材料剝ぎ取りテクニックも、ついてきますよ。」
スキル習得に必要な人助けポイントは……10ポイント。十回いいことをすればいいのかあ〜。
僕の今の人助けポイントは0。……ぜろ……。
「あの……また来ます。」
「またのご利用をお待ちしています。」
ぜろか。ぜろ……
「ぜろ……」
「え?なに、らいうちゃん?」
「あっ!そろそろ始まるよー!」
リルがそう言ったのと同時くらいに、一人の女性が高台に上った。
「ドリーマーの皆様!!
この度は集まっていただき、ありがとうございます!
緊急クエストを受け取り、ドリーマーの皆様は、さぞかし驚かれた事でしょう!
皆様にはこれから、この街ブルームから、キングビーストがいる街、キングビーストへ、旅立っていただきます!
もうご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、この世界には13の街があります!
そのそれぞれに、ドラゴンが一種ずつ生息しております!
ドリーマーの皆様はお金を貯め、乗り合い馬車に乗るなどして、移動手段を確保してください!もちろん、独自の移動手段を用意しても構いませんよ!
地図はドリーマーカルスの職員から配布されます!皆様、受け取っていって下さいね!
そう、これは皆様の旅の、冒険の1ページ目となるクエストです!」
馬車……。
「移動手段って……なにがあるんだろう。」
「言ってたみたいに〜馬車とか〜。お金がなければ……馬だけ?」
「そういえばこの前駅を見たよ!あれじゃないかな!」
ルイとリルは嬉しそうな顔をしながら言った。
僕といえば……なんというか、今日の夕飯もままならない感じの残高なんだけど……。 なんでだろうな〜。僕は黒いグローブを触りながら考えた。
サンクを見ると、サンクは目をそらして言った。
「私……あの後、その日借りてた宿屋で、一人でワイン開けて……その後ショッピングして高い服買っちゃった……」
確かにサンクの服は前会った時とは違う、よーな?特に人のことを見てなかったから少しばかり、よく分からないが、サンクはえーっと、お腹が出ている……いや、太ってるって意味じゃなくて……えーっと、へそが出ている……いいや、でべそって意味でもなくて……
「らいうちゃん?」
「サンクのその服、何て言うの?」
サンクはきょとんとしたあと、少しばかり嬉しそうに続けた。
「これはね、ベアトップって言うのよ。クロップドベアトップ。それと、ヘムボアショーパン、片足タイツ、ホーンヒールパンプス……そして私のお気に入りはこれ!」
サンクは順々に服を指差したあと、その場でバレリーナのようにくるりと一回転した。
ショートパンツ、と同じふわふわが裾についた、丈の長い?短い?どっちとも言えない羽織ものの裾がふわっと舞う。いいな〜、はおりもの。かっこいい。
「オフショルダー・ヘムボアジャケットよ!」
……なんだって?
僕とサンクは、少しばかり人の減ったドリーマーカルスの中を歩いて、いまだにクエストのモニターの前に陣取っているジュンのところに戻ってきた。
ジュンはブツブツ言いながらスマホをいじっている。
「この馬車を買うにも……高すぎるしかっこ悪い。馬か……。」
お金はそこそこあるっぽい。金の臭いがするぜってこういうときに使うのかな?
お金について考えを巡らせている間に、いつの間にか地図を配っている職員さんのところすら、空いたようだ。
とりあえず、ドリーマーカルスの職員さんから地図をもらう。丸い地図だ。可愛い。まるいって、かわいいよね。
で、そのかわいい地図に、点々と赤い丸が打ってある。えーっと、砂漠っぽいのは……左上の大陸?
あ。QRコードだ。
僕はスマホを取り出して、QRコードリーダーを探した。
「あった。」
かざして、読み込む。超便利い。
モンスター図鑑に新たなモンスター情報が追加されました!
スマホにそういう文字が出た。
あの、緑色のゴムっぽいのがまだまだたくさんいるらしい……。それに、クマロス的なのも。
モンスター図鑑を眺めていると、気になる一文を見つけた。
「12のドラゴンの加護を集めし者、世神竜ヴァルツーレに挑む権利を得る。討伐せし者、全ての願いをその手にす。」
「どうしたの?らいうちゃん。急にぼそぼそと。」
「いや……願いかあ……。」
サンクは不思議そうに僕を見た。
願いか。願い……。お願い……。僕にとってそれはあまりにも魅力がなかった。
願いといった願いはない。なぜなら僕はそこそこ人生をエンジョイしているからだ。
強いて言うなら……完璧才女になりたい!かも!
僕の中のたぬきたちがさんせー!さんせー!とコールを挙げている。
そう、僕の中のたぬきたちがさんせー!さんせー!とコールを挙げている!こんなに認めてくれるなんて、僕嬉しい!嬉しくて二回言っちゃう!
僕がたぬきたちにさんせーコールをうけて、得意満面でいると、サンクが言った。
「どうにかしてお金を稼がなくちゃね!」
「金ー?」
「そうよ、お金を貯めるの!ね、ジュンくん!」
「どんな馬がいいか……。やっぱりブラックホース?それとも白馬か?勇者路線で行くなら白馬に金の馬具だが……いやしかし、最近はブラックな勇者というのも流行り気味だ……やっぱりブラックホースか?ブラックホースなのか?……いやちょっと待てよ。ここは斬新に馬ではなく狼を手に入れるという方法もあるんじゃないか……?」
ジュンは全く聞こえていないようだ。
僕とサンクはジュンを置いて、どのクエストを受けるか話し合った。
「これなんてどうかしら!フォレストサソリ、討伐クエスト!」
え。さ、サソリ!?
「危険そうだよ……あ。こっちの狼にしない?森に住んでるんだって!」
「まるで赤ずきんね。」
「狼か。いいな。俺もついていく。」
ジュンも来るのか。
「かねもちなのに。」
「ねー。」
「いや、なんだよその目!お前らが散財したせいだろうが!」
僕とサンクがそうヒソヒソ話しているとジュンはプンプン怒った。
「ごめんごめん。」
「む……」
ドリーマーズワールドの地図は、正距方位図法で書かれています。




