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DREAMERS WORLD 〜たぬきはせかいをすくえるか?〜   作者: からかさたぬき
第8章 先進の街、バランス編
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たぬきと完璧ロボの旅路とムカつき?


 ゴーンゴーンゴーンゴーンゴーンゴーンゴーンゴーンゴーン…



 はっ!?


 え、どこ!?ここ、え!?


 「マスター。間もなく目的地に到着いたします。」


 辺りを見ると、お尻を痛そうにさすっていたり、不機嫌そうな顔をしていたり、落ち込んだ顔をしている人たちが窓の外を見ていたりして、やっとついたかと愚痴を溢(こぼ)していた。


 あ、あれ……?僕、記憶が飛んでる……?


 「マスター、目的地に到着いたしました。お疲れ様でした。」


 その声とともに馬車が止まり、乗っていた人たちがぞろぞろと降りていく。

 僕もお金(スター)を……なけなしのお金を、馬車の人に払って馬車を降りた。うっうっ。

 メイドさんは……あれ、払ってない……。


 「メイドさんはお金、払わなくていいのー?」

 「わたくしはDSIAですから。」


 ……うぇーっと、でぃーえす……前に説明してもらったやつ……スマホ?うん、確かに、スマホ分もお金を払え!なんて話は聞いたことないかも。


 でも、メイドさんはただのスマホには見えないけどなあ……二足歩行で、喋るし。

 僕がなんか、うん、覚えてないけど、ぽけーっとしてた間も僕が乗り過ごさない様に起きててくれたんだもんね?乗り過ごすと悲しいから……。

 よし、僕もメイドさんにお疲れって言おう。労いの気持ちを持とう。僕は今からネギ来羽。


 「メイドさん、おつかれー!ありがとー!」

 「すみません。おっしゃる意味がよく分かりません。アリガトウ、とはどういう意味ですか。初めて言われました。」


 ん?あれ、僕、おかしなこと言っちゃったかな……。うーん。また言葉を取り違えたかな?


 「えーっと、つまり、僕の馬車旅に付き合ってくれたでしょ、それと、僕よりもっと大変だったはずなのに、労ってくれたし。そういう意味の、ありがとうだったんだけど、……おかしかった?」

 「いいえ。わたくしは、アリガトウの意味が理解できないのです。」


 ありがとうの、意味かあ……。


 「検索しました。感謝の気持ちを表す言葉だそうです。」

 「感謝感激雨あられなら分かったのかー。」

 「いえ。理解できません。」

 「ええー……」


 メイドさんの顔はひどく無機質だった。うーん。僕だったら分かんない言葉があったら、サンクとかフューに聞いて……それでもよく分かんなかったら分かんない顔(がお)をするけど、メイドさんの顔はそうじゃないみたいだ。あ、ジュンには聞かない。


 「メイドさんってさ、悲しいとか苦しいとか……そう、涙を流すとか!そういうことないの?」

 「ありません。機能としては備わっております。流しますか?」


 いや、いいや……。



 僕は静かに首を振り、気を取り直して街を見た。


 「すごい霧だねーー。こんなに霧が濃いと真っ白なたぬきになっちゃう。」

 「いいえ。現在の気温は10度です。したがって、毛に水が付着し凍ることはありえません。」


 えー。そんなああー……僕の幸せの白たぬき計画がー……。


 霧が少しばかり風で吹き飛ばされて、街の奥が見えた。


 「さっきリンゴーンリンゴーンって鳴ってたのは……あれかな?」

 「はい。あの時計塔はバランスの経済力の象徴です。この世界の時刻はあの時計塔の時刻を基準にしています。」


 へー……。つまり、あの時計塔の針をぐるぐる動かしたら、世界中の時計が狂うってことかな!?


 弄ってみたいなー……触ってみたいなー……。


 「マスター。目的は観光ではありません。稼ぐことです。」


 はっ!?そうだった!!僕はりっちなたぬきになるんだった!

 たぬきの石油王になるんだーー!



 「それで、何する!?サーカスする!?」

 「バランスを倒します。」


 スルー!ジュンの反応が、少しばかり、少しばかりだけ恋しくなってきた!


 バランスを……絶対違うと思うけども……。


 「平均台?」

 「ドラゴンです。」

 「だよねー。」


 ドラゴゥン……。


 「バランスはソロで倒せる限界の強さ設定のドラゴンです。」

 「ふんふん、なるほど、それでそれで〜?」

 「報酬金もトップクラスです。ボーナスステージも合わせますと、一回でマスターの借金が返せます。」

 「ほほほう?」

 「ですから一番効率よくお金を稼ぐことができると……何でしょうこの出力エンジンの乱れ(気持ち)は。」

 「きっと恋だね!」

 「マスター。武器の使用の許可を求めます。」

 「さあ撃つんだ!夕日に向かって!」

 「マスターに撃ってもよろしいでしょうか?」

 「よくない!」


 メイドさんもなかなか激しいなあ〜。

 でも少しばかり寂しさが紛れた。


 このいたいけなたぬきに大砲なんて撃った日には……まあ、吹き飛ぶだけだけど。吹き飛んでもう一回ブルームに戻るだけだけど!

だけど!


 だけどもね!


 痛いもんは痛い!からやめてほしい!!



 「それじゃ、気を取り直して向かいましょかー!れっつらごーバランス!」

 「はい。マスター。こちらです。」


 メイドさんは僕とは逆方向に歩み始めた。あれー。こっちの、川の方じゃないのー?



白いたぬきは幸せを運ぶんですって。広島にいるらしいですよ。見てみたいですね〜。


メイドさんの当初の予定では、来羽をたぬきに変身させて完全無賃乗車を行う予定でしたが、来羽に[たぬき変身]を使わせる前に不安定な状態になったため断念しました。アップデート前後は不安定なものです……。もしも来羽の意識がはっきりしていても、来羽は無賃乗車はできなかった…と思います。「やっぱりお金は払わないと!ちゃんと!じゃないと不良たぬきになっちゃう!……僕お金無いけど……」って言うと思います。

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