たぬきと完璧ロボの旅路と現し世?
「マスター、左方向です。その先、右方向です。」
「わかった!」
僕は体をお箸を持つ方に向けて、メイドさんを引っ張った。
「マスター、左方向です。その先、左方向です。」
「左左左……」
メイドさんがナビをしてくれたおかげで、建物を破壊せず目的地にたどり着くことができた。
僕はたいてい、マップを確認したら巨大たぬきになって一直線に走るから、あんまり迷わないんだけどね。ジュンみたいな方向音痴じゃないし。だけども、今日はメイドさんもいるから……。でっかくなっちゃだめって言うし……。
「目的地に到着しました。お疲れ様でした。」
「おつっかれ〜!」
あっ。ハイタッチ避けられた。ショック!
僕らが目的地にしていたのは、馬車停だ。僕らはこの街から出て、バランスに行くんだ。
目の前には何人かの人が並んでいる。その最後尾に並んで、僕はもう一度ピンク色の街、フラウを見た。
顔も見えないほど遠くの方に、山のような人影が見える。ジャックだ……。
「マスター、馬車が来ました。」
前に並ぶ何人かの人に続いて馬車に乗る。
馬車が動き出すと、フラウがどんどん遠くなってゆく。
あの芸術的な街並みの中に、サンクやジュン、フューがいる……。
無力感からか、或いは罪悪感からか、それとも……寂しさからか。僕は口の中にたまった空気を軽く吐き出すように、ため息をついた。少しばかり、生暖かい。
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目が覚めた、いや、寝た?
それでも、景色が切り替わったことだけは確かだ。
静かだ。
窓を開けた。
がらららっという音がなった。
眩しい光を浴びた。
赤青黄色緑紫橙……目の前がチカチカ点滅した。
頭が痛い。目が痛い。
窓をピシャリと閉め、カーテンを固くとざした。
前もこんなこと、あった気がする。
布団に潜って、うずくまった。
そのうちに、もう一度眠りについた。
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皆が寝ている時間帯はまるで、世界にひとりぼっちみたいな静けさですよね。




