たぬきと完璧ロボの旅路とはじまり?
ふわああああああ……。
よく寝た〜!
時々誰かに踏まれたような気がするけど、良いマッサージだった、と思う!!
あれだなー、踏まれた瞬間に、がばっと変身をといてがばっと足をくわえても良かったなー。きっとびっくりするだろうなー。
……あ、でも、そういうことするとたぬき鍋にしてやるー!って食われそう。
僕の口の中土だらけになりそうだし。やめとこ。ぺっぺっぺ。
「おはようございます。マスター。」
「たぬっ?たぬー!」
はよっはよー!
はろはろーのおはよう版、はよはよー。
……じゃなくて、また急に現れたよねメイドさん!?
どっから!?
「どうかいたしましたか。マスター。」
「いや……えーっと……何でも、ないー……」
メイドさんはふわっとメイド服のスカートを揺らした。うーん、そういう優雅な仕草は僕にはできない。なぜなら僕が履いてるのはミニスカートだから!別に、落ち着きがない、とか、そそっかしい、とかじゃ……ある。うん、そう。そんなゆっくり動くのは僕にはできそうもない!!
「マスター。バランスに出発してもよろしいでしょうか。」
よろしくないとは絶対に言えない、このメイドさんの威圧感……うーー……。
「い、いいよ!じゃあ、僕は変身するね!」
「はい。わたくしの計算でも、マスターがマジックを使用し、ペットと偽造して馬車に乗るのが最適解だという結論に至っております。」
えっ。ちが、ちがうよ!?
僕は、巨大たぬきに変身するって意味で……言ったんだけど……。
「僕に乗ってくんじゃないの!?」
「それは時間対効果が低すぎます。」
じかんたい、こーか?
夕方や朝の時間帯に校歌を歌うってことか!?
音程が低いと!?
別に僕は僕に乗ってくんじゃないのおお〜?って校歌を歌ったわけじゃないんだけど……。
「やだなーメイドさん。そんな校歌ないと思うよ〜!」
「申し訳ありません。おっしゃる意味がよく理解できませんでした。」
あっ……ごめんなさい……。
気まずい雰囲気に耐えられなくなって、僕はメイドさんの手を引いた。
「さあ行こう!早速行こう!バランスへ!」
メイドさんはキョトンといきなり何も知らない無垢な少女のような顔をした。
そして、出会って初めて、少しばかり、メイドさんが微笑んだ気がした。
……たぶん、光の加減のせいだと思う。
次の瞬間には、いつもの無機質な表情でこう言ったから。
「はい。マスター。」
らいうが前回、草むらに変身して寝ていたのを覚えていますか?




