恋愛竜 フラウ
目の前の建造物……高さ300メートル。
この一週間ですっかり見慣れた塔を、メイドさんはそう紹介した。
「……ここ?」
「はい。」
ここにも丁度いいモンスター居たんだ……草むらとか湖の中だけだと思ってた……自然の中じゃなくても居ることあるんだねえ……。
「少々、わたくしから離れてください。」
「えっ!?」
え、え、そんなに近かった?えええ……狸臭がうつる、とかそういうこと?ショックー……。
僕がメイドさんから少し距離を取ると、もっともっととメイドさんは手を動かした。
えー……モンスター居るんでしょ?襲われたらどうしよう‥…。
「そこから動かないで下さい。」
「分かったー……」
僕がそれなりに離れた時、メイドさんはそう言った。
なんだろう……はっ!?もしかして囮!?囮!?囮やだよ!?
メイドさんが腰につけている大砲を肩にのせて構えた。少しばかり、大砲が大きくなった気がした。
「組立完了。距離計測。高度計測。目標確保。充填完了。」
メイドさんが担いでいる大砲が光った。
え……肩とか腰とか……すっごい重そうだけど大丈夫……?
「発射」
どおんっという大きな音がして、メイドさんが地面に軽くめり込むのと同時に、大砲から何かが発射された。
その何かはきれいに……放物線を描きつつ……エッフェル塔(仮)のてっぺんに……!あ~僕じゃ無くて良かった〜…って
「ええええええええ!?」
せっかく直したのに!?直しかけてたのに!?
「ちょ、ストップストップ!!」
「飛んでいる弾頭を止めることは不可能です。」
えええええええええ!
……あ、でも、仕事する期間は延びるのか?そしたらいつか借金を返す事も……できるかも……。
そんなことを考えている間に、弾頭は着地した。
あーーーエッフェル塔(仮)がガラガラとーーー!……ならなかった……?
なんで!?え!?
周りの風が変わった。
甘い!甘ったるい!!!
「たぬっ…うええ…え…」
黒い影が降りてくる。僕はあまりの気持ち悪さに、たぬきになった。やっぱり、これ、違う、他とは、桁違い!
「お気を確かにして下さい。敵が向かってきます。」
メイドさんのかっちりした、制服みたいなメイド服が、バサバサと音を立てて揺れる。
……敵…?
甘ったるい風をまとって、その影は着地した。
ど、ど、どらごん!?
「戦闘モード、展開。目標、恋愛竜、フラウ。」
竜の中では六番目に強い竜ですが、DSIAにとっては、恋愛竜フラウは"丁度いい"敵。




