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フューの作戦?


 なぜ、アリオールがここに!?



 ああ、ジュンがいなくて良かったあ。200%喧嘩になるもの。


 「てっきり牢屋の中を転がっているか、人間コンパスって言いながら回ってるか、お腹空いたって言って牢屋の柵をかじってるかのどれかだと思ってたけど。まさか、床をかじってるなんてね。キミ、この状況分かってるの?」


 んー。アリオールの僕への偏見度がやばいなー。そんなに回数会ってないはずだし、なぜそんなに失礼な想像ができるのか。まあ、転がりはしたけど。


 で、状況だっけ。


 「指名手配犯だから捕まってる。」

 「あ、意外。捕まってることくらいは理解してたんだ。」


 失礼、でもない、か……?だって、うん。普段の僕なら状況を理解してないことが多いもんね。でもそれをアリオールに言われる筋合いはないけどねー!まあいいけど。アリオールといざこざを起こして人身御供に……いやいや、名誉ある戦死を遂げるのはジュンの仕事だもんねー。


 「でさー。アリオール何しに来たのー?」


 僕はあぐらをかきつつそう聞いた。


 「いやあ、随分と偉くなったと思わない?ボクを利用するなんてね。」


 あ、あぐらはまずかったかな?


 「フューに呼ばれてね。……キミを救うのはついでだよついで。」


 あ、フューの話?


 アリオールはスマホをいじりつつそう言った。顔はほとんどスマホに隠れて見えない。……態度悪いなー……。


 ふむう。ついで……ということは、本命は……


 「ワープゥが慕ってる人いるでしょ?ワープゥのフィアンセ。あの人が苦戦してるってフューがあろうことかワープゥにメールで送るから。ボクも連れて来られたの。いい迷惑だよほんと。」


 なるほど。色々と合点がいった。フュー腹黒いと思った。ワープゥと連絡先交換してることにまずびっくりたぬき。


 僕を餌にしてサンクを釣り、サンクを餌にしてワープゥを釣り、ワープゥを餌にしてアリオールを釣る……。これぞエビで鯛を釣る、ならぬたぬきで……なんだろ、竜?を釣る?ってやつか。


 僕の扱い雑すぎない?魚釣るときにまくい(・)く(・)ら(・)位にしか考えてないだろう。ちょっとしょんぼり。


 ……あれ? アリオール、サンクが苦戦してる……って今、言った……?


 やばいじゃん!しょんぼりしてる暇ないじゃん!早く助けに行かなきゃ!


 「それでサンク達は今どこにいるの!?」

 「いきなり大声あげないでよ。ばれるでしょ。ま、ばれても問題ないけど。

 ワープゥのフィアンセとやらはまだ庭で戦ってるんじゃないかな?それか、屋敷の中で話してるか。ボクはここまで[テレポート]してきちゃったし。」


 てれぽ……?


 「じゃあ早くこっから出してー!早くサンクたちのとこに行かないと!」

 「まあ落ち着きなよ。ワープゥがいるだろうから、負けはしないと思うし。いやあ、しかし、キミは檻が似合うね。」


 え!?うん…あー…動物園のたぬきみたいだと言いたいのかな?


 「ほらほら給餌の時間だよ。スキルスイッチ[解錠]」

(スキル[解錠]

効果…スキル無効を付与していない物ならばなんでも開けられる。

SP…5

取得条件…百回正規の方法以外で鍵開けする。)


 やっぱり!給餌って言った!給餌って言ったよこの人!

 開け放たれたドアからアリオールが入ってきて、銀色のトレイを床に置き、もやしをそこにぶちまけて……もやし!


 ……いやいや、ちょっとまって。流石に人間の姿じゃちょっとあれだし……。


 「いただきまーす。マジックオープン…[たぬき変身]!」


 たぬきになってがふがふと!見た目が可愛ければ何したって大丈夫だもんね!

 もやしもやもやもやし〜!





 ふぁあ。お腹いっぱい。


 「驚いた。五袋あったのに全部食べきった。本当にキミはもやしが好きだよね。」


 あれ?なんでアリオールが僕がもやし好きだって知って……あ、さっきもやしの歌を歌ってたんだった。


 僕はたぬきのままアリオールに抱えられて檻の外に出た。


 うわあ。あちこち倒壊してる。地下牢なのに少しばかり光が差し込んでる気がする。



 「スキルスイッチ[テレポート]」

(スキル[テレポート]

効果…任意の場所に瞬間移動する。対象に触れることで共にとぶ事ができる。ただし、共にテレポートした者への負担は大きく、しばらく吐き気を催すほどの衝撃を受ける。また、0.5秒のクールタイムがある。エリア外への移動は不可。)


 へ。え。げえ。……いやあああああ!文字の文面が理解できるだけに嫌だああああ!


 「たぬううううううううう!」


 僕の叫びは届かず、僕は目に見えないくらい小さく小さくなる感覚を感じながら意識を手放した……。



顔を隠していればどんな顔してるかなんてバレないので。

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