テクニックって何?
「結構暗くなってきたねー……」
「夕焼けが綺麗ね〜」
「いたぞ!」
ジュンがモンスター…らしきものを指差した。たぶん、きっと、あれもモンスターに違いない、はず。
のっそりのっそり、そのキノコは歩いている。
……キノコがなんで歩いてるの?
「ねえ、なんで」
「モンスターだからだ。」
「……よく聞きたいことがわかったね?」
「声に出てたからな。」
うそお!?
僕は口を押さえた。うーむ。……独り言を聞かれるのってなかなか恥ずかしい。
「行くぞ!」
ジュンが茂みから飛び出して、ボロボロのロングソードをキノコに突き立てた。
ひいいっ!?まだキノコ生きてんじゃん!僕だったら死ぬ。
え、ちょっとまって、普段フォークに刺して食べてるキノコも、もし生きてたらどうしよう……?フォークで刺すことで、死んでたとしたら……?
「よーし、私も!」
サンクが、どう見ても枝にしか見えない杖を振った。
なんとも言えない光がキノコに当たって、キノコが倒れた。
で、消えた。
……うわわわわああ!消えた!
…そーいえば、あの狼も消えたよなー……。あの会話全く覚えてないんだけど、でもあの美少年が持っていたのは、ジュンが持っているロングソードとは全く違う……すごく高級そうなロングソードだったなあ……。
「さすがに一匹じゃ毒系統のスキルもテクニックも来ないか。」
「うーん……」
そういえば、さっきからテクニック、テクニック、って少年が言うけど。テクニックってモンスターを倒して手に入るものなのかなあ?
「ねえ。テクニックって何?」
「ん?あー……スキルとはまた別に、毒耐性とか、火傷回復とか、攻撃力アップとか、常時発動している……」
「オーラ?」
「うーん?なんか違うけどそんな感じだ。」
「ふーん……」
あ。なんか、毒々しい色のキノコが向こうにもいる。
僕もサンクやジュンみたいに倒してみようかな……
枝……枝……
あった。良さそう!尖ってるし。
「あれ?らいうちゃんは?」
「そういえばいつの間に。」
「びゃあああああーー!」
「ら、らいうちゃん!?」
「だずけてーーーーーー!」
枝で刺したら怒って襲ってきた!だから逃げる!でもキノコ速い!
「ビチァャアアア!」
「やー!とけるー!」
なんか紫色の液体かけられた!明らかすぎる毒!!
「ベチャァアアア!」
「びゃあーーーーー!」
《テクニック 毒耐性 小 を獲得しました。》
なんか流れたけど全然聞こえないーーー!
「ビチャベチャアアア!」
《スキル 挑発 を獲得しました。》
わっ!?スキル!?
よーし……
僕はスマホを開いて……
「すきるう!挑発!」
なんかこれ押したらきっとこの状況を切り抜けることが……
「発動不可能です発動不可能です発動不可能です……」
鳴り止まない甲高い音。
「グワガルルルル!」
増えたー!?
追いかけてくるモンスターがふえたあああ!?
なんでえええ!?
僕は走る。そーだ!僕、狸になれるんだったっけ!?
よし、狸になって、そこらへんの茂みに隠れて、やり過ごそう……!
……狸になるってどうするの?
「マジックオープン![冷剣装着]!」
「スキルスイッチ![コールドソードI]!」
「びゃあああああ!」
ジュンの声がしたような気がするが、止まるわけにはいかないよ!だって毒キノコが追いかけて……僕の世界最速の脚で逃げ切れるか否か!あのキノコ速くない!?
「らいうちゃん、もうキノコはいないわよ?」
「というかお前足おっっっっそ!」
サンクとジュンが歩いてやってきた。
「あああありがとう……」
うー……夢に出そうなくらい怖かったよ〜……。
さっきのスキルと、ジュンとサンクに言われて気づいた、テクニックとやらを僕は確認することにした。
(スキル「挑発」
効果…ランダムに近くにいる敵10体をおびき寄せる。(ボスモンスター・ドリーマー除く)
SP…5
取得条件…ダメージを与えずにモンスターから注目されること。)
(テクニック 「毒耐性 小」
効果…弱い毒を無効化する。
取得条件…毒を浴び続ける。)
だからモンスターがいっぱいいっぱい僕のところに来たんだね……なるほど……確かに、なんか言われた気がするけど…これがこのスキルの効果なのかな。この袖についている紫色のネバネバを触っても無害なのは、"テクニック"のおかげ……?
「なるほど。これを使うとお前は囮になるんだな……」
囮って。僕、もろ捕食される側じゃない!?
そういえば、なんでさっきたぬきになれなかったんだろう?
「というかお前ガチで足遅かったぞ。大丈夫か、そんなんで生きていけんのか。」
「ところでサンク。」
「ん?どうしたの、らいうちゃん?」
「マジックの発動の仕方が分からないんだけど……」
ジュンの言葉をシャットアウトし、僕らは話しながら目的地もなく歩き始めた。
「あら。」
「一般的に、マジックはマジックオープンと叫んだあと、マジックの名を叫びながら、マジックを使った後の自分を思い浮かべると発動できるぞ。」
へー……。無視されてもジュンはへこたれないんだな。
「というかお前どこ向かってんの?」
え?
僕は辺りを見回してみた。どうやらいつの間にか森を抜け、開けた場所に出たみたいだ。
足元の草が濡れてる……気持ち悪い。ちょっと背中がざわっとするよね……。
「ら…らいうちゃん……前……」
「前?」
先ほどのモンスターと違い、緑色の鱗の、とっても大きな……ガムみたいなトカゲ……。
「おっきなとかげだねえ〜?」
「蜥蜴じゃないわよ!」
とかげじゃないの?
「竜よ……!」
どらごんっ!?
……どらごんって……なに?
初戦闘!……初戦闘?
まだらいうは反撃とかできない。泣
はやくドッタバッタと敵を倒しまくれるようになんないかな〜〜〜〜〜〜〜〜!




