ぱり?ぱりっ!ぱりりりりり?
ぱーりだー!ぱっぱらー!
「なんだよそのポーズ。」
「知らないの?荒ぶるホークのポーズだよー!」
「それ著作権的にどうなんですか。」
「訴えられたら荒ぶるたぬきにする。」
「そうか。なら大丈夫だな。」
「大丈夫ですかね!?」
僕らは今、パリに来てる。つまり僕らはパリジェンヌ!
「ぱりーぱりーエッフェルと〜!パリジェンヌ〜」
「こんなところで変な歌を歌わないでください。おのぼりさんみたいでしょう。大体、パリジェンヌというのはパリで生まれ育った女性をさす言葉でして、らいうさんのようなただパリに来ただけの芋たぬきが名乗っていい代名詞じゃないんですよ?」
「変な歌じゃないよー!エッフェル塔の塔とアンドのとをかけた高度な歌だよー!?」
フューは鼻でふっと僕を笑った。
ぬ。ぬぬぬぬ。
僕がフューを睨んでいると、いつもこういういざこざを止めてくれる声が聞こえないことに気がついた。
……あれ。サンクは?
「そこのお嬢さん、ぜひとも写真を一枚撮って行かないかい?」
「うちのモデルにならないか?」
「新作のアクセサリーが」
「今夜7時からランウェイが」
「一緒にお食事はいかが?」
サンクは、いつの間にかエッフェル塔からだいぶ離れた場所で、人混みの真ん中になっていた。エッフェル塔に、正確にはエッフェル塔(仮)の近くに用があるから来たのになー。あそこからここまで来るのは大変そうだ。
わいわいがやがや。
ほほう。男女問わずサンクは随分と人気があるみたいだ。でも、どうしてフラウに来た途端……?
――え、あの、私、行きたいところがあるのだけれど……
多分、あの身振り手振り的に、サンクはこう言っている気がする。何よりも、その後の大声のおじさん‥…おじさまたちがこんな感じだ。
「ではでは是非私のRCZーRで!」
「なにおう私のC6で!」
「お嬢さん、私のアルフェラッツでどうかな!?……あれ、お嬢さん、どこかで見覚えが……?」
「本当だ。私も見覚えがあるぞ!どこだったかな……」
「わ、私、本当に失礼するわ!」
今度ははっきり僕達にも聞こえる声でサンクが言った。なんか、焦ってる?
サンクが逃げようとしたとき、一人のおじさまがその手首を掴んだ。
え、何、運命の再会!?
――その声は、我が友、サンクではないか?
的な!?
「いや! 離して!」
違いそう。
フューがポンっと僕の肩に手を置いた。
「らいうさん。」
「ん?」
「Go.」
僕はひゅっと息を吸い込んだ。
「らじゃー!っさー!」
フューの顔はNoを許さない顔をしていた。こっえ!こっえ!
さーいえっさー!いっくよー!だだだだたぬきの大突進!
「スキルスイッチ[巨大化]!マジックオープン![たぬき変身]!」
どっかーん!
フューとジュンが乗ったのを確認!
はっ↑し↓れーー↑!
「だぬぬぬぬぬぬ!」
「わっ!なんだー!?」
「何だこの怪物ー!」
怪物とはなんじゃーい!立派なたぬきさんですじゃーい!僕はあえて僕のことを怪物と言った人を蹴り上げた。
「あっちいけ!……スキルスイッチ[エン…わああああ!」
「だーーんーーぬうううう!」
(さーーんーーくうううう!)
「らいうちゃん!」
サンクがこちらを向く。
「サンクさん!手を!」
フューがサンクに手を差し伸べる。
サンクが迷わず、しっかりとその手を掴んだのを確認し、僕はさらにスピードを上げた。
ばびゅううううん!!
いけ〜われらの〜きょだい〜た〜ぬ〜!
「らいうちゃん!そのままあのエッフェル塔もどきをくぐって、左!道なりにまっすぐ!広い公園の方に、行って!」
えっ……。この、ガラスで覆ってあるところを突っ切るの?人、その前に、いっぱい、いるよ?
「早く!」
うーん……でも……
「後ろから車が来てるぞ!サンク、あー、あの人たちは……どうするのが正しいんだ?」
ジュンの声が聞こえた。人だぞ……?と迷っているジュンの声が聞こえる。
うわ!ホントだ!こっちに高そうな車がたくさん来てる!
「お嬢様ーー!」
「やっと見つけましたぞーー!スキルスイッチ[加速]!」
「早く!らいうちゃん!捕まっちゃう!ジュンくん!どんどんどっかんどっかんのばっきんばっきんのぐっちゃぐちゃにしてやって!」
ええええ!いいの!?
「にゃ!?え、あ、ああ、うん。えー。こほん。スキルスイッチ[アイスフォール]!」
ジュンがサンクの気迫に負けたらしい。
ごがっゔぇぎゃ!どがぎゃ!って音が聞こえる……振り返らない振り返らないっと。
「喰らいなさい!スキルスイッチ![ファイアボール]!えい!」
サンクが可愛い声で言うけど、うん。……逃げよーっと。これ以上被害を出すのも、ねえ?
すうっと息を吸い込んで……
「たぬううううううううう!」
僕は地面を蹴った。
ガラスを割る。突き刺さる。背中の毛が引っ張られる。でも、その痛さを感じないほど風が痛い。
「きゃーーーーー!」
「うわあああああああああ!」
人が散り散りに逃げていく。できる限り避ける。
避けられなかった人は、あっという間に霧になった。きっと、後で怒られる。霧にしちゃった人に……。目立つからなーたぬき顔。
と、いうか、生き返るから怒られるとかメッタ刺しとか……なんかそんな程度で済むけど、本当に死んじゃったら罵られることも無いんだよなあ……。
なんかもう、うん。えーっと。うん。何も考えずに走ろうっと。
もう一枚、ガラスを突破する。
「左!そのまま道、なりに!」
サンクが風に呑まれながら叫んだ。
ひだり?そのままみちなりに?
僕は急カーブで道を曲がった。高そうな車を飛び越えて進む。
パップープウッパプーー!
「きゃーーー!」
「わーーー!」
「ひいいいいい!」
「スキルスイッチ[フレー…ぎいあああああ!」
うーん阿鼻叫喚の嵐。そんなにでかいたぬきは恐ろしいか?
これでも頑張って避けてるし、速度はセーブして走ってるのに……ちょっとショック。ちょっク。
ただ、この阿鼻叫喚の嵐で、追跡車は撒けたらしい。ただ、代わり、みたいに人がいっぱい出てきて追いかけてきているみたいだ。
スキルスイッチっていう声がいっぱい聞こえる。あっ。今お尻に何か少しばかり刺さったんですけど!!いたいけなたぬきのお尻に何をする!
「そのままその公園に突っ込んで!まっすぐ!そう!湖の中へ!」
……ふぁっ!?
「サンク、さん!そんな、ことしたっ…あう……ゔー」
フューが舌をかんだらしい。よくサンクは舌を噛まないでいられるなあ。
いやいやそうじゃなくて、湖の、中……へ……!?
いやいやいくら何でもそれは……!
「らいうちゃん早く!捕まっちゃう!今、まだ追いつかれていないうちに!お願い!」
べしべしサンクが僕を叩く。
巨大化した僕にとっては、それはぺちぺち程度だけども、ものすごく切実な想いが伝わった。
……分かった。僕息5秒位しかもたんけど、サンクのためだからな!ごー!
変身を解いて……どぽん。
なるべくスマートに、音を立てずに湖の中へ。
しばらくして、男達の声が聞こえた。
「 98 、 d9558 !8 8 x57 5@ (@ 2@ (@47 (@ ? 」
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「 … (8 !8 #3 z7 #@g@ #9 7 。 !@!8#3 (8! -@ ?9559 ?9 d@8z8 !@ ?9!9 d@ (@4@ !@ ! #y97(8! 1000 ?@! #75@- -@ 99 (88 z3 ! 」
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「 … … 5948@3z7 #@g@ #9 7 。 ?8 57(3 4@43 !@(@x57 5@4@ 57g8 -@ -9!597 !8 2@432@43 !9 b@! d@ 。 」
「 (9!9 #3(@8 d3 #8 ! d3 ?9 8 (8 (@3 47 x57 57x57 53 ?9 85@ 8 ?9! -@ 85@ 8 ?9! !@ … 」
そうして、男たちの声は遠ざかっていった。きっと会話をしてる……のに、何言ってるか……全然わかんない。もう何しろ、息が、息ができなくて、耳が遠くて……。
「ぷっは!」
やっと、やっと水の上に顔を出せる!
「らいうちゃん、静かに。まだ近くにいるかもしれないわ。」
サンクも浮上してきて、静かにそう言って僕の口をふさいだ。んんーーー!死ぬううう!
「あっごめんらいうちゃん。」
「くわぁっ…はっ、はっ、はっ、はっ、はっ」
黙ってもがいていたら、サンクの手が離れた。
「ぷはあっ。ふう……スキルスイッチ[ヒール]。一体何なんですか。あの男たちは。」
「……私も、よく、わからないわ。」
ぺふう。ヒール便利だねー。でもよく考えたらそんなに苦しくもなかったかも。
「あれ。ジュンさんはどこでしょう?」
フューがあたりを見回した。
へ?ああ、うん、たしかにね。うん。いないね。
「水面にそれらしき影が無いわ……もしかして、振り落とされちゃったのかも!ジュンくん一番うしろに乗ってたし……!」
「呼んだか?」
「ひっ」
「きゃあ!」
「……何だよその反応。」
僕がゆっくり振り向くと、息が全く上がっていないジュンがいた。
「どこにいたのよ?」
「水中だ。」
ジュンはすいいーと泳いで岸まで行った。
はや。
「おい。早く上がらないと水中のモンスターに足食われるぞ?」
え……えっ!?
僕らは一目散に水中から飛び出した。
ジュンは自然豊かなところで育ったので、泳ぎもできる。
途中の男達の会話は意味の無い記号の羅列ではなく、一応会話をしています(読んでも読まなくても本編には関係ありません。)
a→@ i→8 u→7 e→3 o→9 k→( s→ #
t→ 5 n→ ! h→ - m→ ? y→ 6 r→ 4 w→2




