幕間 カーンの思惑
超短文の幕間となります。
――――クージル国 洞穴遺跡『龍穴』
「ヴィクター、首尾はどうだ。」
ここは遺跡の最深部。入れば広大な空洞となっており中央には巨大な繭が鎮座している。
見るものによっては卵とも捉えることができるこれにはコードのような無機物が幾つも繋がっており、それを辿ると人の背よりも少し上回る程度の機械が置かれていた。
この空間には男が二人。
一人はヴィクターという機械を弄る男。もう一人は今しがた最深部に入ってきた男である。
「これはカーン様。滞りなく進んでおります。魔石からの魔力抽出も安定してきましたので、あとは自動的に取り込まれていくでしょう。恐らくはそう時間も掛からず目覚めるかと。」
機械にはこれまでワイバーンに集めさせていた黒魔石の山が置かれている。同士討ちとも取れるこれまでの行動は全てこの機械の運用のためであった。
「そうか。ならばお前も戦場へ行き蟻どもと遊んでこい。あ奴ら、健気にも奪われた城を取り戻したいらしい。バルバドスは進軍中だからな。要らん城とはいえ、簡単に取り戻されても詰まらん。適当に相手をしてやれ。」
「は、承知いたしました。それでは失礼いたします。」
そう言うとヴィクターは出口へと向かっていった。
「フッフッフッ、もうすぐだ。もうすぐ我が計画が始まりの咆哮を上げるときぞ。これと我が力があればエクロキア大陸は我がものとなる。そうなればあの忌々しい異種族どもも誇りある龍種に対してデカい顔はできまい。
さぁ、早く目覚めろ。最古の龍よ。」
カーンは一人不敵に笑うと鎮座した巨大な繭を見つめた。
短いので本日2:00amに次回【第44話 翼竜討伐戦】を投稿します。




