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レクシィ戦

町へ降りていく

アノマロカリス爺さんのおかげで城門の門番に話をして、通してくれた

念の為仲間となったルージュ達は城下町の近くの森に待機させてある

お腹が減ったらその辺の草や動物を食っていいぞって言っておいた

宗教的に、恐竜は大事な存在とはいえ

まぁまず恐竜が町中に入ってきたらパニックになるだろうな、肉食恐竜ならなおさら

俺達は、しばらく町の様子を見物しながら歩いていた

アノマロカリス爺さんに言われたとおりに、町では草食恐竜達が荷物運びや人の運搬など

人間と一緒に仕事をしていたりした

そこには人々の営みがあり、笑顔があふれていた

それこそ生贄のことなんてないかのように

「平和だ」

「そうじゃな、じゃがこの国は外面の帝国の連中と内面のTレックス二つの問題にさらされておる」

この世界も、元居た世界もでこでも戦争ばかりだな・・・

その時だった、突如として

遠くない近場から恐竜・・・それも肉食恐竜の鳴き声がしたと断定できた

すごく嫌な予感がした

「なんだ!?」

「不味いな、生贄の儀式が始まっておる」

嫌な予感は当たったか、さっきの音はティラノサウルスの鳴き声だったわけだ

「本当か?」

「うむ」

俺達は、声のした方へ向かう

たどり着いた先は町の大広間だった

「これより決闘の儀を行う」

そこにはティラノサウルスと

聖書を持ってる二人の派手な服装の男女と、ボロボロの粗末な布切れを着た、くせ毛ショートカットの黒髪黒目の少女が一人いた

「あの二人は、ダイナソー共和国の王と王妃じゃ」

「名はイアンとマイア」

聖書持ってるあの二人はこの国の王様ってわけか

イアン国王はスキンヘッドの黒人の男性で

マイヤ女王はウェーブをなびかせた長髪茶髪の白人女性だ

「もう一人ニールのとこのせがれか・・・竜族の里の末っ子じゃの・・・して」

「アイリス・ニール、前へ出てティラノサウルスと戦え・・・さすればこの国の英雄となれるだろう」

黒髪の少女はアイリスって名前か・・・

アイリスと呼ばれた少女は大人しくティラノサウルスの前へ出る

「わかりました・・・戦って勝ってやる」

その瞳に恐れや戸惑いはない、絶対に勝って生きてやるという強い意思が感じられた

「決闘の儀?」

俺は、ふと気になったことをアノマロカリス爺さんへ質問した

聞いていた話と違うな・・・

「表向きはそうなっておる、外面だけでも生贄じゃないと周囲に知らしめて国民を納得させるしかないのじゃよ」

「むろん勝てればの話じゃが、建前じゃよ」

なるほど建前ってわけか

「無理だ、勝てるわけがない」

俺は、冷静にそう分析した

ティラノサウルス・・・ではないがインドミナスレックスという近い近縁種との戦闘記録では

ライフルや拳銃程度なら効果なしと言っていいほど体表は分厚いし

森ならばガトリングガンの弾をよけきるほど俊敏性も誇る

もっともロケットランチャーを受けたら、さすがに一瞬だけ倒れるらしいが

まぁロケランなんて現代世界では動物保護の為、悪じゃないまっとうな組織は使わない

そして、そんあティラノサウルスに対するアイリスの武器は

ナイフだけだった

「しかもあんなナイフ一本でどうやって・・・!」

あんなの死ににいくようなもんだ・・・

どすうる・・・俺は・・・どうしたい?

少し考えたが、思えば答えは最初から決まっていた

「ステファニー、ボレア君・・・もしもことがあったら小豆のことを任せる」

「ダイゴ!?」

「あなたはどうするの?まさか・・・」

「いま目の前で行われることを俺には見過ごすことは出来ない」

俺はまっすぐと広場へと走っていった


草薙代古、彼の行動に呆れるボレアロペルタだったが

「まったくダイゴは・・・ん?あれは小豆ちゃんか?」

彼の娘である小豆を発見していた

追いかける為にボレアロペルタは人ごみに消えていった


草薙代古が走る少し前

アイリスは俊足で逃げ回り、壁に張り付ついて横から強襲をかけようと飛びつくが・・・

「うぁ!」

アイリスはティラノサウルスの尻尾攻撃を受け壁にたたきつけられ

手に持っていたナイフを落として尻もちをつく

完全に戦意を喪失したアイリスへとティラノサウルスがにじりにじりとせまってくる

ティラノサウルスの顔が眼前まで迫っていき

ぐおおおお!と吠える、そしてそのまま大口を開けてアイリスを飲み込まんとするが・・・・

「はぁ・・・はぁ・・・やだ死にたくない!・・・誰か助けて!」


そこへ俺はティラノサウルスの顔面へ蹴りを入れて奴を怯ませた

「この喧嘩・・・俺が買った!」

「なんだあいついきなり?」

「バカっ死ぬ気か!?大人しく引っ込んでろ!」

突然の俺の乱入に、観戦していた周りの市民は困惑していた

本気で心配してくれてるのもいるみたいだ

「どうする捕らえるか?」

「って言われても・・・国王陛下は?」

国王の護衛の兵士達も困惑していたが

「面白い、お前たち手をだすな・・・どのみち生贄が必要なのは変わらない」

イアン国王の一言で静まり変えった

とりあえず、今はまずティラノサウルス・・・・レクシィを何とかしないとな

「喧嘩を買ったですって・・・邪魔しないでほしいわ」

「あの女の子は私の獲物エサよ横取りは許さないわ」

俺の能力のおかげで彼女の言ってることが考えてることが分かる

生贄えものを横取りされ期限が悪いレクシィがこちらに向かて突進してくる

すさまじいパワーだ

だが・・・おれには魔法がある

つけ焼切かもしれんが、今はそれでも希望をつなぐものだ!

俺はレクシィの突進を風魔法で自分自身を上空に押しだして回避する

そしてそのまま重力に身を任せて落下

レクシィの頭部に乗り、手のひらを押し付け

「スタンショック」

レクシィの頭部に雷魔法を流しこむ

バチバチバチ!

青白い稲光の閃光が周囲にまき散らされ

頭部に雷魔法を受けたレクシィは苦しみもがいた

頭を振って俺をはじき飛ばすがその体はふらふらと足元がおぼつない様子だった

これが俺が考えた最善策

電気ショックによる、レクシィの意識昏倒による気絶を狙う

そりゃもちろん、恐竜映画で電気攻撃は大型肉食恐竜にはほとんど効果はない

しかしこれしか方法はなかった、恐竜を殺さないよう必要以上傷つけずレクシィを倒すにはこれしかない

「ふざけた真似をするな!」

格下から手痛い一撃をもらい激昂したレクシィは俺に向かい再度突進する

俺は、今度は彼の腹に滑りこみ雷魔法を浴びせる

「スタンショック」

「ぐぅあああ!おのれ人間!」

やはり、効果が怯ませるだけだ

彼女は再び立ち上がり、俺に迫る

打つ手なにしの俺はひらたすら走って逃げる

もっと強い電流か直接体内に電流を流せれば

ふと俺は腰に帯刀してある剣に気づいた・・・これだ!

俺は広場の噴水で剣を濡らす

その直後噴水のリリスっぽい姿の女神像がレクシィによって粉砕された

その瞬間、おれはもう一つ覚えていた風魔法で水を巻き上げ

レクシィにぶつける

不意に水ぶっかけられたレクシィは怯んだ

全身ずぶ濡れになった彼女相手に、俺は心臓らへん目指し俺は剣を突き立てる

水は目くらましを効果と剣の刃を通りやすくするためだ

剣は意外とすんなり彼女の胸部へと入っていった、剣先は心臓まで到達していないが目的は殺すことではないのでこれで十分

そこへ俺は雷魔法を流し込む彼女の心臓めがけて、すべての魔力を使い最大威力で!

「スタンショック!」

ものすごい稲光の音だ

レクシィは目を白目にさせ倒れていく

やがて俺は剣を抜き、後ろへさがっていく

剣には赤い血がポタポタと滴っていた

レクシィは・・・気絶

していない!

レクシィは起き上がり、一声だけ

「ぐおおおおおおお!」

と吠え、再度倒れこんだ

これはつまり俺の勝ちだということだ

それにしても心臓に電流直接叩き込んでようやく気絶とか

野生動物の範疇の中じゃチート生物だな、半分化け物へ片足突っ込んでいるな

勝った俺はレクシィへと近づいて行った

「ぐぅ・・・まさか私も負かす・・・それも恐竜と話せる人間がいたとはね」

「安心しろこっちもギリギリ、立っているのもやっとだ」

お互いに皮肉り合う

・・・俺はある提案をした

「・・・なぁ人を食うのやめないか」

「はぁ?なぜそんなことを?私たちは野生の恐竜、それも肉食恐竜よ」

レクシィ俺の言葉にただ困惑の様相も見せていいる

無理もない、そんなこと言う人間なんいないだろう、ましてや言葉が通じる人間なんていなかっただろう

「・・・そうだなでもこれからは違う、俺と君たちは・・・友達になるんだ」

「どういう意味?」

レクシィはさらに訳が分からないといった感じだ

俺はレクシィの目を見てはっきりと強い意思で伝える

「恐竜と人間が共存できる世界友達になれる世界そんな世界を目指したい・・・その名は」


恐竜王国ジュラシックキングダムだ」


俺が恐竜との共存する世界を目指すため国をつくろうとしてること

「君がその恐竜王国の代表、つまり女王だ」

「俺は恐竜達の友達兼双方の交渉役だ」

そして、俺達の今後どういう関係になっていくのか

その未来を

恐竜との友達、その未来

「な・・・・・・」

レクシィは目を丸くして驚くしかなかったが、すぐ俺の目を見て言う

「面白い人間ねあなた、名前は?」

「クサカベ・ダイゴ」

名前を聞いたレクシィは目をつむり

「いいわダイゴ、その話・・・狩りの餌(野生動物)が尽きるまでは乗ってあげる・・・もとより私も我慢ならないの、帝国には」

「他の恐竜も動物も全て私の餌よ女王は私、人間なんかに一つも渡したりしない」

俺の世界を受け入れてくれた、最初の一歩は利害の一致だろうけど

これはきっと友達になれそうな、第一歩だと思う

「私は家畜でも動物園の動物でもない与えられた餌に満足しない、「狩り」をしてないと気が済まないの」

でもそれは狩りの餌があるまでの関係だ、狩りつくせば次は人間だ

俺達は果たして本当に共存できるだろうか

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