表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
境界線  作者: Gan
30/33

ー4ー


「いかがなさいますか。様々な飲み物を御用意出来ます。巳神様が自由に飲んでいいと」


 地下BARのカウンター席。そこが一番端の席であり、横並びは全て予約で埋められていた。勿論、埋めたのは巳神史郎だろう。


 他のテーブル席は一般の客達が会話を楽しんでいる。客も外国人が多く、日本語が聴こえてこない。


 ここで内密な話をしても、日本語で話せば、理解出来る人間は少なそうだ。


 とはいえ、シティホテルの地下BARのマスターは日本人。勿論、口は堅いのだろう。巳神の名前を出している以上、贔屓のBARなのかもしれない。


 黒服はBAR内にはおらず、ロビーで待機している。巳神史郎を出迎えるためなのか、警戒を怠らないのもあるだろう。


「コーヒーや紅茶等があれば」


 巳神が自由に飲んでもいいと許可したとしても、こちらだけが飲むのは違っている気がする。


 彼がカシムに頼むのであれば、重要な依頼のはず。酒を飲みながら聞くべきではない。


 俺を信用するべきかのテストを兼ねている可能性もある。


「かしこまりました。それでは珈琲を。ブレンドで宜しいでしょうか。ご一緒に軽食も用意出来ますが?」


「ブレンドだけで」


 マスターがコーヒーの準備を始める。メニューの中には酒のアテになるチョコやナッツ、チーズがあり、軽食にはサンドイッチやパスタ等がある。


 彼に会う前に食事は軽く済ませているので問題ない。


「探屋真実さんですね。私の都合に合わせて貰い、感謝します。巳神史郎です。」


 巳神史郎が地下BARに到着。


 彼が地下BARに足を踏み入れた時、BAR内が静かになった。


 見るからにして貫禄のある姿、雰囲気があり、思わず視線を向けてしまう。俺もその中の一人だ。


「いや……こちらも早く来ていたので。探屋真実です。カシムの代役を引き受けて来ました」


「聞いています。小さな個人事務所ながらも、優秀な探偵ではあると」


 含みのある言い方だ。カシムがどう説明したのか。他にも有名な探偵事務所はあるのは確かだ。


 師匠がいた探偵事務所がそれだ。俺も独立するまではそこで働いていた。優秀な人材も豊富で、連携が取れるメンバー達が揃っている。


 俺と師匠だけが特殊で、単独行動や二人行動が多かった。危険な依頼が主だった事もある。


「頼んだのはコーヒーか。なら、私も同じ物を頼む」


「承知しました」


 マスターが俺の前にコーヒーを置いたのを巳神史郎は見て、同じ物を頼み、横に座る。


「勿論、優秀というだけで決めたわけではありません。N市には霊姫探偵事務所がありますからね」


 カシムは俺を紹介したわけだが、巳神史郎は別の探偵事務所も調べていたようだ。条件次第で、俺が代行するのを断っていたのだろう。


 普通は師匠の探偵事務所の方を選ぶ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ