ー6ー
「俺も詳しくは知らないんだが、違うと思う。でなければ、彼以外の情報を提示してくるはずだ」
嘘を吐く。小鳥遊と同じ学校という共通点があれば、調べるのが楽になる。カシムに渡す写真を彼一人になるわけじゃない。
「だよね。【ロストワールド】は関係なさそうだかな」
「コイツラは小鳥遊源の死に関係してるのか? お前が送ってきた情報の中はなかったぞ」
「どうなんだろうね。彼等と小鳥遊の接点は学校だけど、クラスや学年が違ってる奴もいるから。そこを調べるのは真実の仕事じゃないの?」
確かにそうだが、小鳥遊から師匠の情報を得る事は不可能になった。
小鳥遊から別の人物に切り替える方が、時間も使わずに済む。
だが、カシムから他の人物を調べさせるのは難しい。下手すれば、情報を引き抜かれる。
「……そうだが、これを見せてきたという事は、俺に調べて欲しいわけだろ? ソイツらの名前だけじゃなく、ある程度は知ってるはずだ。小鳥遊の情報と一緒に教えろ。この場所に来たのは、独自の情報を手に入れるためだからな」
ここで切り捨てるのは簡単だが、怪事件の事も考えなければならない。
師匠を捜す上で避けて通れない事になる気がする。
カシムも気になるからこそ、俺に写真を提示してきたはずだ。
「まぁね。終わった後、捜査報告を私にも少し聞かせて欲しいかな。一応、小鳥遊源の死に関する情報もね。それ次第で情報料はタダにするから」
彼女の求める情報は小鳥遊本人の物でも、他四人のでもない気がする。
情報次第で金を払わなくて済むのは、それだけ欲しているわけだ。
しかも、どの部分が必要なのかを教えないのも、そこから俺が辿れないようにするためだろう。
「……仕方ないな。その条件を飲もう。全てじゃなく、少しだけだから」
「交渉成立だね。私だけで調べるには無理なところがあるから、丁度良かったよ」
カシムは極力危険を避けるが、無理とまではいかない。最悪、突き進む選択を選ぶ。それもあって、俺とカシムは出会ったのもある。
「まずは小鳥遊源から。ネットニュースの通りの人物ね。両親との関係は悪いけど、兄弟仲は良さそう。コメントなしなのは、親に止められてるからだね。別アカで真相を知りたいとコメントしてたから」
両親との仲は悪くても、兄弟仲は良かった。偽装ではなく、カシムは二人のやり取りも見つけていて、その一部を俺に見せてきた。
「彼は仮想世界のゲームが好きで、自分で仮想世界を作る事を目指してたみたい。そのため、色々な仮想世界を経験してるっぽいね」
兄も仮想世界関連の仕事をしているらしく、それらしい内容が書かれている。
それもここ最近の……彼が死ぬ数日前の事のようだ。
「なるほど……会話内容を見ると、確かに自殺する感じじゃないな」
なら、小鳥遊源は何故飛び降りたのか。




