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境界線  作者: Gan
19/33

ー5ー

「本題に入るね。まずは真実(まことからお願い。何故、小鳥遊源の情報を欲したの? 名前も知らなかったみたいだし。勿論、依頼者が誰かまでは聞かないから」


 依頼者を教えないのは探偵として当たり前だ。依頼者が裏切らない限り、こちらから誰かに教える事はない。


 内容に関してもそうなんだが、情報交換でしか得られない事があるのも確かであり、何処で線を引くかが重要になる。


 カシムが俺に小鳥遊に関する情報全てを渡すとは思っていない。勿論、逆も然りだ。


「俺は【ロストワールド】を調べている。VR初期の仮想世界【ロストワールド】が一時的に再開したらしい。すでに閉鎖されてしまったが、その情報を求めている奴がいる」


「なるほどね。【ロストワールド】関連なんだ。再開時の噂では、参加出来たプレイヤーは願いが叶うとか言われてたそうだよ。けど、その反対……プレイヤーに不吉をもたらしたとか。それも噂だけど、昔のプレイヤー達は見つからないのは事実だから」


 カシムは初期の【ロストワールド】参加者を調べたらしいが、誰も見つける事が出来なかった。


 とはいえ、カシムが言う【ロストワールド】がメイデンの心象世界かまでは分からない。


 メイデン……師匠曰く似た世界は他にもあるらしい。師匠が彼女の世界に入ったのは偶然……だったのか。


 メイデンのような存在がいる世界を【ロストワールド】と呼んでいる可能性もある。


 カシムも情報屋として、【ロストワールド】の事をある程度調べていたようだ。


 噂。今の【ロストワールド】は参加者の願いが叶い、昔の【ロストワールド】は不幸にさせるか。


 今と昔で真逆になっている。


「小鳥遊源はその参加者なんだ……昔ではなく、今回の……だよね?」


「そうだな」


 メイデンに時間の間隔があるかどうかだが、小鳥遊の死のタイミングを考えれば、今で間違いないだろう。


「参加したのは五人という情報があるんだけど」


 カシムが持つ情報はボダさんと同じで五人。


 メイデンだけが侵入者は五人ではなく、七人だと。正しいのはメイデン側だ。


 彼女が俺同様、師匠を捜しているのであれば、嘘を吐く理由がない。


 七人の内の二人が誰にも知られずに彼女の心象世界に侵入した事になる。


「小鳥遊源以外の参加者はこの四人だったりする?」


 カシムは小鳥遊の写真と共に四人の写真をカウンターに置いた。


 その写真はメイデンが見せたメンバーとは小鳥遊以外は違っている。


 ただし、全員が小鳥遊と同じ制服を着ている事から、同じ高校だと分かるのだが……


 カシムが送ってきたネット情報の中に、小鳥遊が虐められていた事もそうだが、メンバー達の情報は一切なかった。


 それとも小鳥遊を含めた五人で何かをしていたのか。

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