表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
境界線  作者: Gan
18/33

ー4ー


「時間通りだね。最初の時は一時間ぐらい早く来てたのに」


 当然のようにカシムは先に着き、カクテルを一杯口にしていた。


 小さなBARであり、席も六席。今はカシムとマスターの二人のみ。


 二人で会う時はいつもそうで、貸切にしているのかもしれない。


 彼女は年齢不詳であり、出身も分からない。日本人ではない事は確かだ。


 金色の髪に小麦色の肌。緑色の瞳。日本語を流暢に話すが、多数の言語も話せる。


 マスターも日本人ではなく、別の国の人間だ。銀髪に白い肌。目の鋭さを隠すように眼鏡を掛けている。細身の体ながらも、何かをしていた雰囲気を纏っている。


 二人の関係に対して、何も聞いていない。知り合いではあるのだろう。でなければ、情報漏洩を防ぐため、第三者のいる場所は選ばない。


 彼女はマスターを信用しているという事だ。


「急な誘いだからだろうが。それに追加情報を読む必要があったんだろ? ……頼んだのは俺なんだが」


「そういう律儀なところは変わらないね。お互い様ってところで」


 今回はギリギリになったが、いつもは三十分前には着くようにしている。


 カシムもそれが分かっていて、冗談交じりに言ってきているだけだ。


「当然、バイクなんか乗ってきてないよね?」


 俺がカシムの隣に座ると、マスターがカクテルを置く。


「ブラッディマリーでございます」


 トマトジュースとウオッカの真っ赤なカクテル。

 

【ロストワールド】だけでなく、メイデンの情報をカシムは持ち、血を連想させるカクテルを選んだ……わけじゃない。


 俺が好きなカクテルでもなく、彼女の嫌がらせでもない。ただし、意味はある。


 カクテルの色によって危険度を示す。


 赤は危険度高。赤いカクテルの中でもブラッディマリーは最上位を意味する。


「ブラッディマリー……そこまで危険だと判断したのか?」


「未知な部分が多過ぎなの。赤を選んだのは私だけど、このカクテルにしたのはマスター。……こういう商売で利用出来る場でもあるから」


 マスターはカシムの同僚、仲間……というわけじゃない。元情報屋という可能性。もしくは、俺達以外の同業者がこの場を利用しており、その中に今回の件の事があった……


 マスターは基本喋らず、黙々と仕事をしている。俺はマスターと二人で話した事はない。


 だが、提供者は教えなくとも、危険である事を教えてくれたのは、常連というのもあり、少しは気に許しているからだろうか。


 とはいえ、それ以上の情報をマスターは口にしない。


 こちらの情報も手にするため、耳を澄ましている事もあるが……危険を知らせたマスターを信用しておこう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ