↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢の為に  作者: ハジ
一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/19

8.異空の庭4

 エリナとリーシャを相手に無傷である以上、簡単に隙を見せるとは思えない。


 だから俺が身を挺して動きを止める。


 躊躇(ちゅうちょ)するなと言った意味は、俺もろとも魔法を打てという事。


 背中から一瞬だけ戸惑いを感じたが、


「「はい!」」


 直ぐに力強い返事が返された。


 二人とも理解している。


 そうしなければ、この状況を打破出来る可能性がない事を。


 エリナとリーシャが互いに距離を取り、左右の位置を陣取ったことを背中越しに感じると、俺は仮面の男に向かって駆けた。


 一気に間合いを詰め、剣を斜め頭上から振り下ろす。


 男は避ける動作を見せず、その場から動かない。


(今だ!!)


 この先をエリナたちに託し、男と一緒に二人の攻撃魔法を受ける覚悟を決めた。


 だが——


 ありえない現象に目を奪われ、思考が停止する。


 仮面の男は、俺の斬撃を避けようとしないだけでなく、防(ふせ)ごうともしなかった。


 結果、振り下ろした俺の両腕は男の頭上を通り過ぎ、地面に向かって振り切られた。


 しかし、手応えはなく、男にも変化が見られない。


(これは一体………な!?)


 いつの間にか、男の左手には剣が握られていた。


 その事に気付くと同時に、足元で地面にガランと金属の落ちる音が聞こえた。


 視線を下に向ける。


 落ちていたのは、俺の剣。


 剣が手から離れた感触はなかった。


 これは……。


「……あ、あぁ………」


 落ちていたのは剣だけではなかった。

 

 剣の柄は、手首から切り離された両手で固く握られていた。


「ぐああああああ!!」


 事実を知ることで状況を理解し、脳が強烈な痛みを知らせる。


 油断はしていなかった。


 魔術師であると同時に格上の剣士である可能性も考量していた。


 それなのに、気付く事も出来ずに両手が切断された。


(ま、まだだ……)


 まだ終わりじゃない。


 両手がなくとも、体は残っている。


 驚愕する現象に圧倒されている場合じゃない。


 前に進み、体当たりで仮面の男の動きを止めようとした。


 けれど——体は言うことを聞いてくれない。


 足に力が入らず、上半身がゆっくりと斜めに倒れていく。


 体の感覚がいつもと違う。


 それもそのはず。


 俺の上半身は、両手と同じように腰から下、下半身と切り離されていたのだから。


 切り離された体が冷たい地面に落ちると同時に、


「いやあああああああああああ!!」


 大聖堂に少女たちの悲鳴が鳴り響いた——

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。