第15話 ドリクエカップ本番
「皆さまおはようございます!遂にきました、ドリクエカップ本番当日!
もう10万人もの方が待機していらっしゃってるんですか!?
本当にありがとうございます!」
「……あっ、ご挨拶が遅れました!
ごほん……貴方のために輝く緑の太陽!のっ、ペリドット・ラングレイです!
本日は試合の実況を担当させていただきますので、よろしくお願いしま〜っす!」
「そして今日は、豪華ゲストにも来ていただきました。
No.1廃都倶楽部プレイヤーの、アンラッキーガールさんです!」
「ご覧の皆さま、おはようございます!プロチームYamatsuzi所属のアンラッキーガールです。
本日は解説を務めさせていただきますので、よろしくお願いします!」
画面にはライトグリーンのポニーテールを揺らす快活な少女と、廃都情報局でも使われているデフォルメされた立ち絵の少女が端の方で並ばされていた。
「こんな布陣で、今回のドリクエカップを実況解説していきます!
ぜひ各種SNSでの拡散、#ドリクエカップを付けてお願いしますね!」
「お願いしま〜す!」
「夜遅くまで続くでしょうが、ぜひ最後まで!お付き合いくださいね〜!」
「まだ、スタートまで時間はありますし質問しても良いですか?」
「ぜひぜひ、どうぞ!」
「えっと、アンラッキーガールさん……」
「長いですし、アンちゃんとかで良いですよ?」
「じゃあ、アンさんとお呼びしますね。
今回の出場者で注目選手はいらっしゃいますか?
「あはは、なんかその呼び方は珍しいですね!
ちなみにざっと、今回の出場者達の配信は全員一試合以上は観てきました」
「おお!ありがとうございます!」
「いえいえ、全員配信面白かったですから!
注目選手は、個人的にこの4人ですかね」
「百鬼夜光のサドニクスさんに、トマトパーティーのレムイさん。
最光教団の氷海さん、そして最後に……スピネオンの、沙倉さん」
「この4人は、少し抜けている様に見えました。
今大会でも、活躍が期待できるのでは?と思ってます!」
「ありがとうございます、アンさん!
ここでキャンペーンのお知らせです!」
「現在ララトークにて限定グッズが当たる、ドリクエカップ優勝予想キャンペーンが行われています!
応募は簡単、優勝チームを予想して投稿するだけ!
あっ、#ドリクエカップと、ドリクエ公式のフォローも忘れずにお願いしますね!」
「ちなみに現在は、百鬼夜光とスピネオンの優勝予想が多いようですっ!」
「ほ〜、確かにそこは総合力が高そうですよね!」
「本日の流れとしましては、まずはAとBブロックに各4チーム、事前の抽選によって別れての総当たり。
そうしてそうして決まった各ブロックの1、2位チームによるトーナメントによって優勝チームを決めていきます」
「いやぁ、楽しみですね!」
「……おっ、どうやら準備が完了したそうなので初めていきましょうか!
ではドリクエカップ、in廃都倶楽部、第一試合……開演です!」
「まずは準決勝進出!みんなお疲れ様っ!」
それは元気なスピネル先輩の声。
朝からIGLやりっぱなしなのにとても元気だ。
こっちは……結構緊張して疲れているんだけど。
「これもっ、オレのアイゼンのお陰かな?」
「王子うざっ。……でもそれを否定出来ないのが腹立つ」
「フハハッ!それがオレの活躍の証ではないのか?ラムネ」
通常運転の、王子とラムネちゃんのバチバチした言い合い。
それは有り余った元気の、何よりの証拠である。
「ふぅ、修行の成果は出てる……かな?」
そして私……沙倉風音は、ほっと胸を撫で下ろす。
あれだけ特訓してもらったのに、予選落ちとなってしまっては流石に……ね?
「まあまあ、あれだけ特訓したからね〜。 アタシはIGLを叩き込まれたし」
「オレは、必要以上に被弾しないための動きを……それはもうみっちりと」
「私は潜伏ポイントとぉ、スタンからのキルの仕方〜?」
スピネル先輩はIGLを基本から学び、王子は前の練習試合の時より最前線で生き残れる様になっていた。
そしてラムネちゃんの伽羅子はチャンスを我慢強く待ち、行動不可の軽いスペシャルを絡めてのキルが取れるように
そう、新生スピネオンと言ってもいいほどに、私たちはレベルアップしたのだ!
「実際予選抜け4チームの中で、ハント勝ち率が一番高いってさ」
「これは、オレのアイゼンのお陰だな!」
「これはぁ、私の伽羅子のお陰かな〜?」
「「あぁあ!?」」
……2本先取の4チーム総当たりという形式で、私たちは全勝で一位抜け。
その内の五回がハント勝ち……100カウントきっちり進めての勝利だった。
「まあ活躍って言ったら、沙倉ちゃんだけどね」
「えっ私!?いやいや、私は夢中で撃ってただけで……」
それはスピネル先輩からの、予想外のパス。
でも伽羅子は角待ちの圧を、アイゼンはバリアでカウントを、先輩は作戦の指示を並行で。
それらの仕事と比べたら、私はただキルしてただけだ。
……でも更に予想外だったのは、
「……まあ?確かに、予選で一番活躍したのは沙倉かもしれないが?」
「スペシャル……めちゃうま、だった」
「えっと、ありがとう?」
2人からの褒め言葉。
……いやいや、別に不仲とかじゃないけどね!?
同期だから結構コラボ配信なんかは楽しくやってるし!
でも2人が対戦ゲームだと、負けず嫌いを発揮するのは知っている。
だからこそ、少し驚いたのだった。
それで少し緩んでしまった頰は、パチンと叩いて気合いを入れ直す。
「でも、これはあくまで予選の結果。
私たちが目指すのは、優勝……でしょ?」
「モチのロン」
「ああ、当たり前だ。この日のために練習してきたんだからよ!」
「あははっ!良いね、このチーム!負ける気がしない!」
「じゃあ、時間だし行こうか!」
「おう!」
「お〜」
「おっけ〜!」
そうして準決勝の相手……トマトパーティーに挑む!
予選 沙倉風音 (マグリス)
平均キルレート……5.1キル、1.8デス
思ったよりはキル数が少ないと言う人はいるかもしれない。
だがこれはハント勝ちのせいで短くなった……平均2分の試合の結果であり、個人としては圧倒的1位なパフォーマンスを叩き出していたのだった。




