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のっぺらぼう
木枯しや夜更けに歩くのっぺらぼう
2022年抒情文芸春季号佳作 選者 坪内稔典
木枯らしの夜は人通りも少ないですね。繁華街ならいざ知らず、住宅街に入れば時には不気味な感じがしてしまいます。みなコートの襟を立て、首をすぼめ、寒さよけに帽子でも被ればなおさら顔は分かりません。もし向こうから人がやってきたら、あるいは前の方に歩いてる人を見かけたら、すれ違いざままじまじと顔を見ることはしませんね、私もじろじろ見られたら嫌ですもの。そんなときふと都市伝説やら昔読んだ怪談など思いだすと、思わず身震いしてしまいます。あの人化をがあったかなあ?とか、もしもそうだったらと思ったときに浮かんだ句です。
都会ではみんな顔も知らない人が行き交っているのです、それはそれで本当は怖いことかもしれませんね。大勢人がいて、知っている人がいない。みな顔無しで生きているのかもしれませんね。




