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句集 朝チュンを近頃聞かぬ  作者: 天野幸道


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辛夷

ビルの横辛夷の白と空の青


2022年抒情文芸夏季号佳作 選者坪内稔典


 季刊雑誌でしたので作品を書いた季節はいつも数か月前になります。

春になると辛夷(こぶし)の花が咲きます。大きく白い花が木にいっぱいになると、まるで春のランタンがともったような気持になります。花はランプのように上に広がっているのでそう思えるのでしょう。子供の頃からこの花は好きでした、この花が咲くともう春なのだ、それがわくわくした気持ちにさせてくれました。不思議と晴れた春の日に咲いています。空の青と辛夷の美しい調和、なんということのない光景ですが、案外そういう物事が人間には大事だなあと思ったりします。そんな思いが沸いた時の句です。




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