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句集 朝チュンを近頃聞かぬ  作者: 天野幸道


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しらす丼

冬空に一人で食べるしらす丼


 2023年抒情文芸春季号入選 選者 坪内稔典


しらすは好きです。恥ずかしながらしらす丼を知ったのはずいぶん後で最近で、物珍しくて食しました。美味しかったです。私は昔から美味しいものを食べるとなぜか申し訳なくなるのです、母親に美味しいものを食べさせられないのに自分は贅沢していいのだろうかと思ってしまうのです。旅をして旨いもの巡りもしましたがいつも申し訳なく思ってしまうのです。誘っても外に出かけるのを嫌がる母でした。その母は認知症になり21年間介護に関わりました。最後は施設で暮らし亡くなりました。冬、一人で食べるしらす丼、おいしさの中に悲しい申し訳なさがよぎった時の句です。



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