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島娘!!〜波間を駆ける少女たち〜  作者: れんP


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第四十四話 島々の願い


ここは《島海学園》。


海に沈んだ世界で、島娘たちが暮らし、人々を守るために戦う海上拠点だ。


深海王。


五十年前に世界を沈めた災厄。


その胸に現れた赤黒い核。


誰もがそこを破壊すれば終わると思った。


しかし。


「壊しちゃだめ!」


九州の叫びが戦場に響いた。


「その核を壊したら……もっと恐ろしいものが目覚める!」


島娘たちが振り返る。


西表島も。


佐渡島も。


沖縄本島も。


対馬も。


そして直島と北四島も。


「九州?」


直島が小さく首を傾げる。


九州は震えていた。


「見えたの……」


「深海のもっと奥」


「大きな繭」


「その中に……何かが眠ってる」


北四島の表情が変わる。


「繭?」


司令室。


司令官も息を呑む。


「まさか……」


九州は頷いた。


「深海王の核と繋がってた」


「だから壊したら……」


「目覚める!」


その瞬間。


キィィィィィィ!!


深海王が咆哮する。


まるで秘密を知られたことに怒っているようだった。


そして。


胸の核。


その奥。


赤黒い結晶の中から。


一つの瞳が九州を見た。


「!」


九州の背筋が凍る。


だが。


その瞳。


敵意ではなかった。


悲しみ。


寂しさ。


そして。


助けを求めるような。


そんな瞳だった。


「え……?」


九州は目を見開く。


その時。


誰かの声。


『助けて』


優しい声。


少女のような声。


『苦しい』


『もう嫌』


『助けて』


九州は息を呑んだ。


「誰……?」


そして。


理解した。


「この子……」


「深海王じゃない!」


戦場が静まり返る。


「え?」


西表島が目を丸くする。


佐渡島も驚く。


「ど、どういうこと?」


九州は叫ぶ。


「深海王の中に誰かいる!」


「閉じ込められてる!」


北四島の目が見開かれる。


「なんだって?」


その瞬間。


司令官も何かを思い出した。


「そうか……」


「そういうことだったのか」


沖縄本島が振り向く。


「司令官?」


司令官は苦しそうな顔をした。


「五十年前」


「最後の戦いで、一人の島娘が行方不明になった」


全員が息を呑む。


「その島娘は」


「当時、最強と呼ばれていた」


「北四島の姉」


北四島の瞳が揺れる。


「……え?」


「お姉ちゃん?」


司令官は頷く。


「樺太島」


「彼女は深海王と共に海の底へ消えた」


北四島の顔色が変わる。


「そんな……」


「生きてるの……?」


すると。


深海王の核。


その中から。


淡い光。


そして。


一人の少女の姿が映る。


長い銀髪。


優しい瞳。


そして。


北四島によく似た顔。


『……る』


『た……すけて……』


「お姉ちゃん!!」


北四島が叫ぶ。


涙が溢れる。


五十年。


死んだと思っていた。


会えないと思っていた。


最愛の姉。


その姉が。


今も生きていた。


「樺太島先輩……」


沖縄本島も絶句する。


対馬も。


種子島も。


みんな知らなかった。


五十年前の真実。


深海王。


その正体。


それは。


樺太島を核として利用することで生まれた存在だった。


『ごめんね』


『四島ちゃん』


『守れなかった』


涙を流す樺太島。


北四島も泣いていた。


「違う!」


「違うよ!」


「生きててくれただけでいい!」


「だから!」


「今助ける!」


その瞬間。


キィィィィィ!!


深海王が怒り狂う。


巨大な触腕。


漆黒の光。


全てが暴走し始めた。


「まずい!」


沖縄本島が叫ぶ。


しかし。


その前へ。


直島が立った。


「みんな」


静かな声。


「北四島先輩と樺太島先輩を会わせる」


「そのために」


大剣を構える。


「道を作る」


すると。


九州も前へ出る。


「うん!」


西表島。


「私も!」


佐渡島。


「が、頑張る!」


屋久島。


奄美大島。


淡路島。


壱岐島。


礼文島。


小豆島。


隠岐島。


与論島。


沖縄本島。


対馬。


種子島。


島海学園の島娘たち。


全員が並ぶ。


そして。


空に浮かぶ無数の島々の魂。


その光がさらに強くなる。


ドォォォォォォ!!


全員の島核。


そして。


九州の島核。


それが眩く輝いた。


「これ……」


九州の背後。


そこに。


巨大な光の海。


そして。


無数の島々の姿が現れる。


司令室。


観測員が叫ぶ。


『新たな反応!』


『九州の島核出力が異常上昇!』


『これは……!』


司令官が目を見開く。


「まさか」


「九州が……」


「覚醒するのか!?」


そして。


九州の身体を包む光が。


夜の海を朝日のように照らし始めていた――。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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